第1385回「GWに家族で楽しみながらできる災害への備え」
オンライン:徳島ママ防災士の会Switch 代表 瀬戸恵深さん

西村)きょうのゲストは、徳島ママ防災士の会Switch 代表 瀬戸恵深さんです。瀬戸さんは、子育てをするママさん防災士として、徳島県内の子育て世帯に災害の備えの必要性を発信しています。
きょうは、ゴールデンウィーク中にお子さんやお孫さんと楽しみながら取り組むことができる災害の備えについて教えてもらいます。
 
瀬戸)よろしくお願いいたします。
 
西村)徳島ママ防災士の会Switchは、どんな活動している団体ですか。
 
瀬戸)徳島県内で子育てをしている現役ママたちとともに、防災士の資格を持つメンバーが学びの場を作り、防災の大切さや備えについて発信しながら、親子で防災意識の向上を目指す活動をしています。
 
西村)防災の勉強は、難しそう...と思ってしまいますよね。
 
瀬戸)いつかは起きてしまう災害。難しいことは子どもたちが一緒にやってくれないので、親子で楽しみながら防災を学んでいます。
 
西村)瀬戸さんは、徳島のラジオ局で防災番組を担当していて、家族で楽しみながらできる災害への備えについて発信しているそうですね。ゴールデンウィークに家族でできる災害への備えについて教えてください。
 
瀬戸)一つ目は、非常用簡易トイレを使ってみること。一度使ってみるとすごく楽しいので、是非やってみてほしいです。
 
西村)非常用簡易トイレは、準備していても使ったことがない人もいると思います。わたしは1回試したことがありますが、子どもたちと一緒に体験したことはありません。
 
瀬戸)実際に用を足すのは難しいので、お茶や紅茶など色がついていて香りがするものを使います。液体を簡易トイレに流し込むとどのように変化していくのかを子どもたちと一緒に見てみてください。かなり盛り上がりますよ。
 
西村)簡易トイレには凝固剤が使われていますよね。液体を入れるとどうなるのでしょう。
 
瀬戸)液体を入れるとゼリー状になります。乳幼児を子育て中のお母さんは「オムツに似てる!」と言う人が多いです。どうなるかわかっていると、いざというときも使いやすいですよね。ゴールデンウィークに遠出する人も多いと思いますが、簡易トイレを車に載せておくと、渋滞中に子どもたちがトイレに行きたくなったときに便利です。日頃から使用することで、防災の意識を高めると同時に、備えを身近に感じることができます。
 
西村)理科の実験みたいで楽しそう!
 
瀬戸)簡易トイレは、災害時も燃えるゴミとして捨てることができます。中に入っている小さなビニール袋に用を足すのですが、小さい子どもはやり辛いことも。そんな気づきもあります。ぜひチャレンジしてみてください。
 
西村)ほかにはどんな備えがありますか。
 
瀬戸)時間がある人は、「パーソナルカード」を作ってみてください。
 
西村)パーソナルカードにはどんな内容を書くのですか。
 
瀬戸)その名の通り、それぞれのパーソナルな情報を書き記しておくカードです。親と子はいつも一緒にいられるわけではありません。子どもが大きくなると子どもと離れてしまう時間はどんどん増えていきます。そんなときに災害が起きる可能性もあります。これは、親と子が離れているときに、子どものために親ができることを詰め込んだカードです。名前、生年月日、血液型、住所、普段使っている薬やアレルギーの有無。さらに、親がすぐに駆けつけられないときに、その子のそばにいる人へのお願いも書けるようになっています。
 
西村)「エフエムびざん」のホームページからダウンロードしたパーソナルカードがわたしの手元にあります。可愛らしいイラストが描かれていて、カラフルで楽しいですね。
 
瀬戸)徳島県・鳴門市在住のイラストレーターさんが作ってくれました。とてもかわいらしいデザインなので楽しみながら書くことができます。これをベースに別の白い紙に好きな色やシールで自由に作ることもできます。親子で会話しながらうめていくと自然と防災意識が高まります。親子で会話をすることで、子どもがどんなことに不安に感じているのかがわかるし、書いておかなければならないこともわかります。個性や特性を書いておくと、子どもが一人ぼっちになったときに、そばにいる人が助けてくれるきっかけになるかもしれません
 
西村)これは高齢者にも役立ちますね。
 
瀬戸)イベントで配布したときに、おじいちゃんやおばあちゃんが「わたしたちにもいるなあ」とよく言ってくれます。
 
西村)薬を書く欄もありますね。わたしの母も薬をたくさん飲んでいますが、意外と薬の名前って覚えてないものですよね。
 
瀬戸)非常事態になると思い出せないこともあります。家族みんなでパーソナルカードを作って持っておくと良いと思います。
 
西村)持病や障害など災害時にサポートが必要な人も記入すると良いですね。自分や子どもがリラックスできる方法を記入しておくのも良いかも。このパーソナルカードはどこに入れておいたら良いですか。
 
瀬戸)災害はいつ起こるかわかりません。普段持っているカバン、園児なら通園バック、小学生ならランドセルなどに入れておいてください。子どもたちに目的をしっかりと伝えておきましょう。不安があれば、先生に一言伝えておくと良いですね。
 
西村)パーソナルカードは濡れないように防水ケースに入れた方が良いですね。パーソナルカード以外に一緒に入れておくと良いものはありますか。
 
瀬戸)パーソナルカードは紙なので口が閉じられる名札ケースなどに入れておきましょう。そこに家族写真を入れておくと心の支えになります。離れてしまったときに、第三者が家族の顔を知ることができるので再会が速まることも。家族写真は定期的に更新しておくと良いです。
 
西村)パーソナルカードは、エフエムびざんのホームページからダウンロードできます。これを参考にして、オリジナルのカードを作っても良いですね。ゴールデンウィークにほかにもやっておくと良いことはありますか。
 
瀬戸)時間があるときに、非常用持ち出し袋の見直しをしてみてください。小分けのお菓子を入れておくと良いです。小分けのお菓子は衛生面も良く、避難先で子どもに少しずつお菓子を与えることができるので重宝します。普段使っていて安心できるおもちゃも非常用持ち出し袋の中に入れておくと良いですよ。
 
西村)安心できるおもちゃは大切ですね。
 
瀬戸)乳幼児を子育て中のお母さんが持っているマザーズバッグは、それが既に非常用持ち出し袋だと思うので、そこに足すものを改めて考えてみてください。
 
西村)おじいちゃん、おばあちゃんは、「災害時に避難所でも遊べそうなもの」という視点でお孫さんにおもちゃを選んでプレゼントするのも良いかもしれません。大人が安心できるものを入れておくのも大切ですね。
 
瀬戸)大人が必要なものは、わたしは普段から小さなポーチに詰め込んでカバンに入れています。最近ならマスクや除菌シート。普段も使えて災害時にも役立ちます。いざというときにも使えるものをいくつかピックアップして、防災ポーチを楽しみながら備えてみてください。
 
西村)防災ポーチに入れておくもので、オススメのものはありますか。
 
瀬戸)普段飲んでいる薬、寒いときに体を温めることができるエマージェンシーシート。最近は小さく折りたたんで保管できるものがあります。歯磨きシートも便利です。
 
西村)断水で歯磨きができないときに使うシートですね。
  
瀬戸)女性ならメイク落としシートや汗拭きシートをポーチに入れておくと役立ちます。カイロや絆創膏、小さなホイッスルもポーチに入れています。
 
西村)地震で倒壊した家屋に閉じ込められたときに、ホイッスルで助けを呼ぶのですね。
 
瀬戸)はい。いざというときに使えます。
 
西村)子どもたちのバックに入れるときは使い方も説明しておきましょう。ゴールデンウィークに実家に帰る人、お孫さんを迎えるおじいちゃん、おばあちゃん、一人暮らしの人も、時間がある休日に、きょう教えていただいた備えを実践してみてはいかがでしょうか。
きょうは、徳島ママ防災士の会Switch 代表 瀬戸恵深さんに、ゴールデンウィークに楽しみながらできる災害への備えについてお聞きしました。