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〒530-8304 MBSラジオ
「上野誠の万葉歌ごよみ」 |
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【2023年4月29日 放送分】 |
2023年4月29日 |
【巻】…4・790
【歌】…春風の音にし出(で)なば ありさりて今ならずとも君がまにまに
【訳】…春風のようにはっきりと音が出たならば、このまま時を経て、今はかないませんが、あなたのお心のままになるでしょう
【解】…大伴家持の娘に藤原朝臣久須麻呂(ふじわらあそみくすまろ)が恋をしました。しかし娘は当時10歳か11歳で、まだ恋というものに実感がない年ごろですから、家持は、父親の立場で「もう少し待ってもらえませんか」と、久須麻呂にこの歌を贈ったのです。解釈としては、今はだめだけれど、時を経たら彼女の気が向いて、きっとあなたの意に沿うようになるでしょう、という意味ですが、春風を枕詞として、音を噂の比喩ととることもできます。つまり、「春風ではないけれど、音が立つように噂になったら、彼女もその気になるのではないでしょうか。ですので、噂になるくらい、何度も何度も来てください」という解釈になるのです。
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