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上野誠の万葉歌ごよみ
毎週日曜日 朝 5:40〜6:00
上野誠(奈良大学文学部教授)
上田悦子(MBSアナウンサー)
★上田悦子アナウンサーブログ
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上野先生に聞いてみたい事、番組の感想など何でもお寄せください。番組でご紹介させていただいた方には、上野先生の著書「大和三山の古代」をプレゼントします。
〒530-8304 MBSラジオ
「上野誠の万葉歌ごよみ」 |
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◆11月のコラム |
2009年11月1日 |
先日、ある大学の学園祭に行って来ました。山の中腹にある眺めのいい、とても素敵な学校です。あいにくの雨でしたが、学生たちの威勢のいい声が飛び交い、あちらこちらから、模擬店の美味しそうな匂いが漂ってきて、学校時代の懐かしい感覚がよみがえりました。 学生部長さんにお聞きすると、学園祭では、学生たちの意外な面が発見できるとか。看板作りが上手い、イベントのプロデュースが素晴らしい、模擬店で卓越した商才を発揮する・・などなど。こういった、非日常の体験を通じて、将来の夢が見つかったという学生も、いるかもしれません。 と、そんな話を聞きながら、自分を振り返ってみると、日常の仕事に追われて、新しいことに挑戦する機会になかなか恵まれない・・いや、挑戦する意欲を失っているというのが正直なところです。ある、脳の専門家の話では、どんな小さな事でもいいので、いつもと違うことをやってみて、「面白い」という感覚を覚えれば、次の新しいことへの意欲につながるとか。11月は、外出するのにはいい季節ですので、いつもの道を少し変えてみたり、少しだけ遠出したりというのも、ひとつの方法かもしれませんね。
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◆10月のコラム |
2009年10月10日 |
今月は、うれしい知らせが飛び込んできました。ニュース等ですでにご存知の方もいらっしゃるかと思いますが、番組パーソナリティの上野誠さんが、著書「魂の古代学−問いつづける折口信夫―」で、第7回角川財団学芸賞を受賞しました。 この賞は・・ 【1】高レベルの研究水準にありながら、一般読書人にも読まれうる研究著作 【2】卓抜な研究蓄積から生まれた、啓蒙的ないし評論的な著作 【3】専門研究・研究書からの敷衍・応用として、一般性のあるテーマで、独創的に構築された著作 に贈られるもので、この世界では、大変な賞だそうです。直木賞や芥川賞のように、あらかじめ候補作がいつくか選ばれ、選考会の後、上野さんに受賞の連絡がきました。 今後は、授賞式や関係者への挨拶など、かなり忙しいスケジュールになるようです。 ご本人は、「とっても嬉しいけど、色んな人のおかげ。うかれないようにしないと・・」 上野さんらしいですね。
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◆9月のコラム |
2009年9月1日 |
政権交代で大騒ぎとなった総選挙の翌日、通勤の途中で、お寺の大きなクスノキに、ふと目が止まりました。社会の出来事に「我関せず」と、ゆったり枝をのばす姿を見て、「人間の営みって、小さなことなんだなあ」という感覚に包まれました。こういう場合、「クスノキみたいに、もっと気持ちをゆったり構えて、物事を俯瞰すべし・・」と、悟りを開くべきなんでしょうが、そう簡単にはいきません。クスノキから視線を落とすと、自分と同じく、せかせかと忙しく歩く人たちでいっぱい。目先の事に、悩んだり、悲しんだり、喜んだり・・クスノキに比べて、落ち着かないこと、この上なしですが、皆、それなりに一生懸命、日々を送っているんだと思うと、私には「人間って愛しい存在だなあ」なんて思えてきます。単なる、自分への言い訳かもしれませんが。 でも、考えてみれば、万葉時代の人々も、日々の喜びや悲しみがあればこそ、歌にしてみよう、と思ったのではないでしょうか。そして、その内容に共感できるのは、1000年以上たっても、人の心の営みが変わらないからなのでしょう。そう思うと、万葉の人々にも、いっそう親近感が湧いてきます。あちらは、どう思っているか知りませんが。
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◆8月のコラム |
2009年8月1日 |
自然の姿に、自分の心を重ね合わせてみてはどうかと、先月のコラムに書きましたが、この夏はどうも、そのような場合ではなさそうです。近畿では、梅雨明けが大幅にずれこみ、九州北部と山口では、豪雨で大勢の方が亡くなるなど、気象の状態が穏やかでありません。今後も、局地的な豪雨が起きる可能性は大きいらしく、被害に遭わないための備えが必要です。コンクリートばかりの都市部では、雨水が川に一気に流れ込むため、川の急な増水や氾濫が起きやすいとのこと。安易に川の様子を見に行ったりしないでください。また、山間部では、川の水が急に止まったり、崖から小石がコロコロ落ちてきたり、普段と違う場所から泥水が出ていたら要注意。土砂災害の前兆です。いずれにしても、各自治体で、緊急の情報がどう流されるか、確かめておいた方がいいでしょう。情報を早く入手して、早めに避難するのが基本。 今回は、防災のコラムみたいになってしまいましたが、自然とゆっくり対話できる日が早く戻ってきて欲しいものです。
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◆7月のコラム |
2009年7月1日 |
梅雨が明けると、夏本番。外に出かける場面も多くなるでしょう。そんな時、遊びの合間にでも、ちょっと、そばの自然に目をやってみて下さい。例えば、海の小波や川の水面、道端の小さな花、虫の声、そして星空・・万葉歌には、こういった自然の姿に、自分を重ね合わせたものが数多く見受けられます。ストレスだらけの現代社会では、「そんな余裕もない。手っ取り早く発散したい」という声が聞こえてきそうですが、ちょっと深呼吸をして、自然と対話してみると、ふと生きるヒントや力をもらえるかもしれません。
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