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第598回『防災リポート〜消防署がない町での取り組み』2007.06.18
大阪府能勢町で、地元の消防団に所属している寺倉智浩さんに電話をつないで話を聞きました。
全国で消防署がない町村は40カ所あり、能勢町もその1つ。火事の現場では消防団だけで消火活動をするため、他の地域とちがって仕事も多いそうです。
子どもの頃に経験した水害や95年の阪神淡路大震災をきっかけに、消防や防災に興味を持ったという寺倉さん。消防団での活動のほかに、防災に役立てようと、手始めに地域の人たちが集まれるような催し(落語会)を自ら企画。「普段、顔を合わせる機会の少ない地域の人たちに顔見知りになってもらい、いざという時のための防災対策につながれば…」寺倉さんの地道な取り組みは、これからも続きます。
電話出演 : 大阪府能勢町消防団 寺倉 智浩さん

第597回『噴火から7年、三宅島の現状』2007.06.04
三宅島の避難生活が長引いた原因は火山ガスでした。濃度は下がりましたが現在もガスは続いていて、島には2か所人が住めない「高濃度地区」もあります。
このため木々は緑を落とし立ち枯れた姿をさらしていますがそんな中、少しずつ緑も戻っています。ただ重要な収入だった観光客は噴火前の年間9万人から5万人に減ったまま。
一方、この番組に何度も電話リポートを寄せている「民宿伊波荘阿古館」経営の小林武さんは「民宿、行政、商店などが一体になって人を呼べる取り組みを始めなければ」と話します。三宅高校の高校生たちも「溶岩染めのTシャツ」や「島唐辛子のタバスコ」を開発し、商品化されることになりました。応急復旧・復興の時期が過ぎた今が三宅島の再生にとっての正念場です。

【写真上】…スタジオ写真
三宅島の特産品も生まれています。
妹尾さんが手にしているのは火山灰で作った三宅ガラスのグラス。
魚住さんのは「喜島(きとう)三宅」といういも焼酎です。

【写真下】…三宅島の風景
透明な海とうっそうとした森が広がっていた三宅島。火山ガスで立ち枯れていた
木も、少しずつ緑を取り戻しています。
スタジオ報告:毎日放送ラジオ報道 大牟田智佐子

第596回『防災リポート数珠つなぎ・私の防災対策』2007.05.21
防災リポートは、地震など大きな災害が起きたときに、現場にいる人たちからいち早く地域の情報を番組に伝えてもらうコーナー。
リスナーから志願者を募り、2002年10月にスタートしました。
普段は、まちの取り組みや自分自身の防災対策をリポートしてもらっています。
今回は20代から30代の若手リポーター3人に電話をつなぎました。

仙台で看護師をしている武山友幸さんは、宮城県で地震が起きたときいつもいち早くリポートを入れてくれます。
去年、地域のために何かしたいと防火管理者の資格をとり、自宅マンションで避難訓練を統括しました。
京都府宇治田原町の高崎剛さんは地元の消防団に所属しています。
先月、山中の火事で実際に消火活動にかかわったお話を聞きました。
「大きな家事では我々も本職の消防隊員と同じ役割を担います。
消防団とはいえ充分な知識と経験が必要」と話してくれました。
徳島大学で防災を学ぶ小野綾子さんは、7歳の時に神戸で震災を体験しました。
自分の体験を次の世代に伝える大切さを感じ、舞子高校環境防災科に進学。
さらに「震災の教訓を次の防災に役立てたい」とより深く防災を学ぶために徳島大学を選んだそうです。
現在は地域防災などを学びながら、災害ボランティアグループの代表としても活動しています。
1・17リポーター 武山友幸さん、高崎剛さん、小野綾子さん

第595回『三重県中部地震から1カ月 震度5強の教訓とは』2007.05.14
先月15日に起きた三重県中部地震から1カ月。発生当初からこの地震について調べている川口淳・准教授に、三重県津市から来て頂きました。各地で起きる地震の被害状況を調べている川口さんは、今回の三重県の地震でも、最大震度5強のゆれを観測した亀山市に現地調査に入り、被害の状況を見て回りました。震度5強のわりに建物等の被害は少なく、川口さんは「最初の衝撃は大きかったものの、その後は小刻みにゆれる短い周期の地震だったとみられる」と指摘しています。将来、起きるとされる東南海地震で、亀山市周辺では震度5強〜震度6弱のゆれが予想されています。川口さんは「東南海地震になると、ゆれの種類がだいぶ異なってくる可能性があるので、今回の地震で『震度5強ってこんなもんか』と思うことが一番危ない。『これより大きい地震がくるんだ』というふうに教訓にして、地震対策に一歩踏み出してほしい」と話していました。
ゲスト:三重大学大学院工学研究科 准教授 川口淳さん

第594回『ファイナンシャルプランナーがオススメする地震対策』2007.05.07
地震での損害をまかなえる保険は地震保険しかありません。火災保険とセットで入るもので、今年から所得税に「地震保険料控除」が適用され、入りやすくなりました。ただ、火災保険よりも損害に対する補償額が少ないなど考慮すべき点も。

「結局、入ったほうが得なんですか?」という妹尾さんの質問にいちのせさんは「南海地震などの地震発生確率も年々上がっている時期ですから、地震にあう確率を考えるのが第一。次に、当面の生活資金を保険でまかなうか、貯蓄から出すか、ご家庭の経済状況によって決めてください」と話しました。もし貯蓄でまかなうという方は「月々の手取りの6か月分のお金を普通預金に入れておきましょう」といちのせさん。タンス預金は火災にあったら台無しですのでご注意!
ゲスト:ファイナンシャルプランナー いちのせ かつみさん

第593回『シリーズ人々の震災19・保育所はらっぱの12年』2007.04.30
阪神大震災からプレハブの園舎で運営を続けてきた、
西宮市の保育所「はらっぱ」を取材しました。
「はらっぱ」は1979年に「子どもを中心に大人たちもつながりあえる」場所を作ろうと市内の主婦が資金を出し合って設立した保育所。震災で前の園舎は全壊しましたが、保護者の支援や全国からの義捐金を受け2ヵ月後にはプレハブでの保育を再開。12年間で200人近い子ども達が巣立っていきました。
しかし、プレハブの耐久年数は約10年。安全性を考えこの春、園舎の建て替えに着工しました。新しい園舎は木造2階建て。建設費3500万円の資金繰りは苦しいけれど、園長の前田さんは「地域の拠点になるような保育園にしたい」と夢が広がります。
写真はプレハブを取り壊す前に開かれたお別れ会での一枚。
参加者は12年間親しんだプレハブの名残を惜しみました。

はらっぱ保育所 
http://hccweb1.bai.ne.jp/npo-harappa/index.htm
報告:ネットワーク1・17 河野多美子ディレクター

第592回『今から始めるボランティア』2007.04.23
3月25日の能登半島地震で村井さんが派遣した「KOBE・中越足湯隊」が現地で好評です。これは、たらいの足湯につかってもらいながら被災した人たちから話を聞くもの。ボランティア初体験の学生たちの一生懸命な姿に、体が温まったお年寄りがぽつりぽつりと今の心境を語り始めるそうです。

村井さんいわく「災害時のボランティアは『なんでもあり』」。「阪神のときも、被災者と顔を合わせることなくひたすら水を配り、救援物資を黙々と仕分ける人が必要だったんです。多様な人がいるから、被災者一人一人に目配りができるんですよ」。
災害時にはなんでも役に立つと村井さんは話します。「人の命を救う目的のボランティアがそれぞれに活動しても混乱は起きないんですよ」。「気持ちはあるけどノウハウがない」と不安な人は、CODEのような経験あるボランティアに相談してみるといいでしょう。
ゲスト:CODE海外災害援助市民センター事務局長 村井 雅清さん

第591回『津波で最も危険な都市は』2007.04.16
南海地震で危険な都市。それは大阪です。大阪の河川には水門をはじめ、逆流を防ぐゲートが400もありますが、南海地震で被害を受けて閉められないことが想定されています。すると津波は地震から2時間後、川をさかのぼることに。地震で護岸が崩れていれば、その水は市街地にあふれます。
「えっ?毎日放送のある梅田は大丈夫ですよね?」と聞いたところ、「梅田はもともと田んぼを埋めた『埋田』と書いたんですよ」と河田先生。なんと昔は湿地だったのです。また、南海地震で潮岬などが隆起すれば梅田近辺は20cmは沈下するとさ、さらに浸水の危険性は増します。建物の入り口や地下へ通じる階段から地下街に水が流れ込む事態が予想されるのです。「ただ、大阪に津波の第一波が到着するのは地震の2時間後です。慌てずタカをくくらず地上に逃げてください」と河田先生。海岸付近はもちろん、内陸でも津波の被害があることをしっかり認識しました。
ゲスト:京都大学防災研究所 巨大災害研究センター長、人と防災未来センター長 河田 惠昭さん

第590回『なにから始めたらいいの?我が家の防災対策』2007.04.09
大西先生たちの研究グループは3月末、三木市にあるEディフェンスという実験施設で、実物大の建物を揺らして振動実験をしました。そこで初めて分かったことがいくつかあります。まず、組み立て家具などの簡易な家具は、いくら固定していてもそれ自体が壊れて倒れやすいこと。また、家具の中でも最も重い部類のピアノは、フローリングの床では倒れずぐるぐる動き回るということ。つまりピアノが自分に向かって走ってくるわけです。
ではどうすればいいのか。まず寝室に「高い」、「重い」、「割れる」ものを置かないこと。照明器具は直付けか、金具と釣り糸でしっかり固定すること。そしてライト、ラジオ、足をけがしないためのスリッパを常備すること。実際に室内の絵を描いたり紙で模型を作ったりして、想像力を働かせながら家族で話し合ってみましょう。「完璧でなくてもできることからでいいんです」と大西先生は話していました。
ゲスト:神戸大学工学部 准教授 大西 一嘉さん

第589回『南海地震の予知をめざして』2007.04.02
南海地震はおよそ100年ごとに繰り返し起きているプレート型の巨大地震。
フィリピン海プレートが年間4〜5cmずつ日本列島の下にもぐりこむことによって引き起こされます。100年たって陸のプレートを4〜5mも引きずり込んだとき、陸がボーンと跳ね返るのが「南海地震」というわけです。
 
スタジオで「南海地震の予知は可能です」と話した梅田先生。その根拠は京大グループの30年にもわたる観測。地震の前に、特定の場所の地下水位が低くなるしくみが研究によって裏付けられてきたからです。梅田先生は産総研でも南海地震の予知の研究に挑みます。「まずは正常な状態をじっくり観測することが大切です。なにが異常なのか分かれば、予知にもつながります」と話しています。
ゲスト:産業技術総合研究所 研究員 梅田 康弘さん

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