第648回『安政東海・南海地震〜激動の歴史と地震のおはなし』2008.08.11
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幕末の江戸・安政年間は政治が激動の時代。自然災害も数多く起きて、歴史にも影響を与えました。幕開けは、安政元年の安政東海地震。日露和親条約を結ぶため日本に来ていたロシアのプチャーチンの船がこの地震で壊れ、沈みました。 帰る船がなくなったプチャーチンのために、日本の人たちが船を作り、西洋式の造船技術が初めて日本に導入されたのもこのときです。1日遅れて安政南海地震が起き、大阪の道頓堀にも津波が押し寄せ、大勢の人が亡くなりました。その後には安政江戸地震。今で言う「首都直下地震」で、地震を恐れた人々が鯰を押さえつけていたり、地震で潤った建築関係者が鯰を接待している様子を描いた「鯰絵」が誕生しました。 こうした地震にまつわる歴史を調べている寒川さんは、当時の人々のドラマがわかるといいます。今世紀中にも起きるとされる南海地震の規模は、少なくとも安政南海地震の規模と考えられています。この地震を学ぶことによって、私たちも地震の対策を考えることができるのです。
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ゲスト:産業技術総合研究所 関西センター 招聘研究員 寒川 旭さん
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