第687回『津波被災地に渡った大阪発の織物』2009.07.27
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「さをり織り」は、40年前、大阪の主婦が考え出した手織りのプログラムです。障害のあるなしや年齢に関係なく好きなように織ることができるので各地に広まっているもの。インド洋大津波の被災地、タイには津波より以前の2001年、「心のケア」を目的とするJICAのプロジェクトの一環で導入されていました。
津波災害後、被災地では何もかもなくした人たちが、なすすべもなく避難所で過ごし、アルコール依存症になる人も少なくなかったといいます。そこで現地のボランティアが「さをり織り」の織り機を持ちこみ、被災者に技術を教え始めたのです。義援金から最低賃金も支払われ、楽しく織ってお金をもらうことに喜びを感じる被災者が増えました。そうした様子を津波の半年後に訪れた映像作家の東山高志さんが目にして、さをり織りで被災者を支援するプロジェクトがさらに大きくなりました。東山さんが買い付けた被災者が織った作品は、日本全国のショップで販売されています。仕事が得られたことで被災者たちの表情は明るくなり、作品のクオリティも向上しているそうです。
クラフト展で実際にさをり織りを目にした河本アナは「こちらまで元気が出そうな色合いでした」と感想を話していました。作品はインターネットで「ツナミクラフト」を検索するか、大阪・神戸・京都・和歌山などのさをり織りの教室で直接購入することができます。
(写真・東山高志さんと河本アナ。手にしているのは、タイの被災者が織ったさをり織りのかばんです)
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スタジオ報告:河本 光正アナウンサー
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