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第737回『夏休み地震相談室』2010.08.23
 今回は恒例の「夏休み地震相談室」。地震についての質問を子供だけではなく、大人からも広く受け付け、京都大学防災研究所の元教授、梅田康弘さんに説明していただきました。梅田さんは、久しぶりの出演で、以前は、難しい地震の話をやさしく説明する"名物解説者"としてお世話になっていました。

 放送では丹波山地の地震活動といった専門的な質問から、「地震と台風が一緒に来たら?」といった子供らしいものまでが"登場"し、終始、笑い声がもれる和やかな雰囲気で進められました。
産業技術総合研究所 招聘研究員(京大名誉教授) 梅田康弘さん

第736回『災害に被災した文化財を守る』2010.08.16
 地震や水害で被災した文化財を救出し、応急処置や保存修復などの支援活動を続けている「国立民族学博物館」の日高真吾准教授にスタジオに来ていただきました。
 
 15年前の阪神淡路大震災から本格化したとされるその支援活動は、昨今の自然災害の増加とともに需要の声は高まる一方で、修復作業の苦労話などを伺いました。
 
(河本光正アナ)
 今回のテーマは被災文化財。被災した一般家庭から、実は貴重な文化財が数多く見つかっている、という話を伺いました。
ただ、ゲストの日高真吾さんは、「残念なのは、救えない文化財の方が圧倒的に多いこと」と話していました。この動き、専門家だけでなく、ボランティアも手法を学んで手伝いだしているとの事。貴重な史料を救う活動は、今後広がっていきそうです。

(番組内で紹介できなかった企画展について)
「歴史と文化を救う〜阪神淡路大震災からはじまった被災文化財の支援」
場所:国立民族学博物館(吹田市千里万博公園10-1)
開館時間:10:00〜17:00(水曜日休館) 期間:9月28日まで
電話:06‐6876‐2151

【写真】
昨年の佐用町水害で被害を受けた民家から、古い民具を救出する様子(日高真吾さん提供)
国立民族学博物館 文化資源研究センター准教授 日高真吾さん

第735回『佐用町水害から一年〜町おこし学生村とは?』2010.08.09
 昨年8月に起きた兵庫県佐用町の水害からちょうど1年を迎えました。番組では、現地で支援活動を続けるボランティアの学生と地元名物の「ホルモン焼きうどん」店の女将の2人に電話をつなぎ、現状について話を伺いました。

 番組の前半では、ホルモン焼きうどん店「ジュージュー」の店主・森本タミさんが元気な声で応対してくれました。森本さんの話では、「町は見た目では元に戻った感じはするが、更地が増えた」ということで、「夜は人通りが少なくなり、寂しくなった」ということでした。

 また、後半では、町の空き家を拠点(「若州学生村」)にボランティア活動を続ける関西学院大学大学院生の榊原昌彦さんから、話を伺いました。

 榊原さんは活動を始めた理由として、町の多くのお年寄りから寄せられた、「一番欲しいものは若者」という声があったことを挙げてくれました。
 過疎化が進む町を水害が襲った現実を、如実に物語るエピソードとして強い印象を受けました。

【写真】
今年5月、若洲学生村開村式の様子(榊原昌彦さん提供)
(電話出演)関西学院大学大学院 榊原昌彦さん、飲食店「ジュージュー」店主 森本タミさん

第734回『震災モニュメントマップのCD完成!〜NPO理事に聞く震災15年』2010.08.02
 阪神・淡路大震災の被災地に建てられた慰霊碑や記念碑。それらの所在地を収めた「震災モニュメントマップ」のCD版が、2年間という長い時間をかけてこのほど完成しました。今回はその製作“苦労話”を、認定NPO法人「阪神・淡路大震災1・17希望の灯り」(HANDS)の理事、白木利周さんをスタジオに招き、話を伺いました。

 「モニュメントマップ」は本来、厚紙の折りたたみ式の冊子でしたが、慰霊碑など掲載物件が年々増え続けることなどから、CD化する話が浮上。白木さんを含め、平均年齢60歳以上というアナログ世代の「HANDS」のスタッフが知恵を絞り悪戦苦闘の結果、今年5月ようやく完成しました。

 CD化にするに伴い、すべてのデータをPC入力する作業もたいへんでしたが、白木さんらは、何よりも、掲載することになる288ヵ所の慰霊碑などにもう一度、実際に足を運び、調べ直すことが一番大変だったといいます。

 そうした苦労の甲斐もあって、新たに完成したCD版では、東は伊丹から、西は明石、淡路まで広い地域にある慰霊碑などを収納。画面では詳細な所在地住所が示されているほか、各地に点在する「震災モニュメント」にカーソルを合わせクリックすると、建立の逸話や交通アクセスなども表示されるすぐれものです。

 完成と同時に神戸市内の小中学校や図書館などのほか、市外の学校や関係団体などにも無料で配布し、好評を博していますが、白木さんは「モニュメントマップをもとに、実際に現地を訪ねてもらえればうれしい」と話しています。

 スタジオではこのほか、15年が過ぎた被災地・神戸の様子が語られ、白木さんは「神戸ですら、多くの住民が住みかわり、当時の記憶が薄れてきている。若い次の世代に、今後もしっかりと『震災の記憶』を伝えていきたい」と抱負を語っていました。

【写真下】
「震災モニュメントマップ」
CD版の画面 地図上に所在地を示すほか、モニュメント名をクリックすることでその説明を読める
 認定NPO法人「阪神淡路大震災1・17希望の灯り(HANDS)」白木利周理事

第733回『ゲリラ豪雨に備える』2010.07.26
全国各地で頻発している集中豪雨に備えるためにどうすればよいのか、気象予報士の南利幸さんをゲストに迎え、話を聞きました。

番組の前半は、2年前、集中豪雨による増水で5人が死亡した神戸市灘区の都賀川から、河本アナウンサーが中継でリポートしました。
川の周辺で取材した河本アナウンサーは「川の近所に住んでいる方は、空が暗くなったり、雨が降った時に、川でもし子どもが遊んでいれば『早く上がりなさい』と、声を日常的にかけるようになったそうなんです。2年前の事故を受けて、かなり意識が高まっていると感じました」と話していました。

最近、集中豪雨が多い根本的な原因として、南さんは、以前に比べて気温が上昇していることを挙げています。気温が上がることで、空気中に含まれる水蒸気の量が増えて雲ができやすくなり、大雨も降りやすくなっているそうです。ゲリラ豪雨といわれる局地的な集中豪雨も増えていて、この8月も各地で起きる可能性があるということです。

集中豪雨に備えるために、普段からしておくべきこととして、南さんは
「自分が住んでいる場所がどういうところなのか、把握するというのは必要だと思います。例えば、その場所がちょっと低いところであれば、もしかすると水がたまる可能性もあるでしょうし、集中豪雨があるとそこの川はあふれやすいとか、そこの場所は浸かりやすいというのを知っておくことは必要ですよね。また、都賀川のように『過去にこんな被害があったよ』っていうのを、誰かに聞いて覚えておくことも必要です」と話していました。
気象予報士 南利幸さん

第732回『北海道南西沖地震から17年 奥尻島はいま』2010.07.12
多くの犠牲者を出した北海道南西沖地震から、12日で丸17年。
当時、地震による津波で甚大な被害を受けた奥尻町の現状などについて、奥尻町地域政策課の満島章さんに電話をつなぎ、話を聞きました。

北海道南西沖地震は、1993年7月12日の夜に発生。震源に近い奥尻島は、震度6のゆれに襲われ、発生から数分後には大津波が押し寄せました。
島内では172人が死亡、26人が行方不明となりました。
当時22歳だった満島さんは、海に近い友人宅で地震に遭遇。すぐに高台に逃げて無事でしたが、直後に押し寄せた津波により、友人の母親は家ごと流されたということです。
満島さんは現在、町の地域政策課で観光を担当しています。島を訪れた観光客や修学旅行生には、津波の恐ろしさをできるだけ伝えるようにしているそうです。

今、奥尻島は過疎化が進んでいます。島の人口は、地震前に比べて1000人ほど減っているということです。今後の課題として、満島さんは「島に若い人たちが残れるように、観光や漁業などで雇用、働く場をつくっていくことが必要です。そして、若い人たちの中から、震災のことを語り継ぐ人材が生まれていってくれれば…」と話していました。
(電話出演)奥尻町地域政策課 満島章さん

第731回『文通で交流深める被災者と大学生』2010.07.05
阪神・淡路大震災の被災者と文通で交流を深めている、神戸学院大学1年生の近藤梨加さんに話を聞きました。

近藤さんは香川県立琴平高校の出身。高校では、阪神・淡路大震災の被災者と文通を続けているボランティア同好会「とらすとK」に所属していました。
3年生の時には部長も務め、神戸市内の復興住宅に住むお年寄りと、文通で交流を深めてきました。
番組では、近藤さんの文通相手、山下ミツ子さん・トシ子さん姉妹に電話をつなぎました。ミツ子さんは「ポストを開けたら『あっ、今日来てるわ!』って言うてね。うれしいです」、またトシ子さんは「手紙が来ると、『わあ、かわいいなあ!どないして返事を書こうかなあ』って思うんです」と話していました。お二人の弾んだ声が、とても印象的でした。

近藤さんは、山下さんら被災者との交流を通じて、神戸にある大学へ進学することを決めました。今年4月からは神戸学院大学で学びながら、もちろん文通も続けています。また、大学ではボランティアグループに所属していて、先月末には復興住宅で暮らすお年寄りを訪問する活動に、初めて参加したそうです。
神戸学院大学1年生 近藤梨加さん

第730回『防災リポート・津波に備えて』2010.06.28
防災リポートは、地震など大きな災害が起きた時に、現地にいる人たちからいち早く地域の情報を番組に伝えてもらうコーナーです。普段の番組では、まちの取り組みや自身の防災対策などをリポートしてもらっています。
今回は、宮城県気仙沼市在住のリポーター、菊田清一さんに電話をつないで話を聞きました。

菊田さんは、1960年のチリ地震津波から50年にあたる先月24日、宮城県南三陸町で行われた「地震・津波防災訓練」を取材しました。
50年前の津波で41人が犠牲となった旧志津川町などが合併してできた南三陸町では、毎年5月24日に津波を想定した避難訓練が行われています。
訓練は、津波が押し寄せた時間に合わせて早朝から行われ、49回目となる今年は、住民らおよそ6000人が参加。大人だけでなく、登校前の子どもたちも多く参加していたそうです。

訓練を取材した菊田さんは「50年が経過し、当時のことを覚えている人が少なくなってきています。やはり、若い年齢層に津波のことを教えていくことが、とても必要だと感じました」と話していました。

(写真上)
◆5月24日、南三陸町で行われた避難訓練。
 雨の中、指定された避難場所へ住民らが避難しているところです。

(写真下)
◆50年前のチリ地震で押し寄せた津波の高さを示す標柱。
 高さ2.8メートルを表示しています。
1・17リポーター、元消防士の菊田清一さん

第729回『ハイチ大地震から5カ月 現地で被災した日本人女性の思い』2010.06.21
20万人以上が犠牲になるなど、甚大な被害をもたらした今年1月のハイチ大地震。当時、首都のポルトープランスで被災した、日本人女性のポール富士子さんをスタジオに招き、話を聞きました。

ポールさんは、日本のボランティア団体「ハイチ交流支援協会」の一員として、14年前に初めてハイチを訪れました。現地でボランティア活動を行なっていたハイチ人男性と知り合い、2000年に結婚。その後、子ども3人を授かり、家族5人で首都・ポルトープランスのデルマ地区で暮らしていました。
1月の大地震では、自宅が倒壊。6歳の長女が家の下敷きになりましたが、ハンマーなどを使ってがれきを取り除き、1時間後に無事救出されたそうです。
地震から半月後、ポールさんは3人の子どもを連れて日本に帰国。ご主人はハイチに残り、被災者らの支援活動を行なっています。
ご主人からの情報によると、現地は今、雨季のため、毎日のように雨が降っているそうです。ご主人の友人は、現在もテント生活を余儀なくされていて、雨が降るとテントの中は水浸しに… 時には、テント内に置かれたブロックの上に家族全員が立ったまま、一晩中過ごす夜もあるということで、そんな時、子どもたちはブロックの上で泣き叫び、それを見ている親もつらくなって、一緒に泣いているそうです。

ポール富士子さんは、「来年にはハイチに戻ろうと思っています。ハイチの人たちに希望を与えていけるように、私たちも頑張っていきたいと思っています」と話していました。

(写真中央)
◆地震直後のポールさんの自宅。3階建てでしたが、1階と2階部分が崩れてしまっています。

(写真下)
◆ポルトープランス・デルマ地区にて。地震から5カ月が経過しましたが、いまだに、がれきの撤去作業が人の手で行われています。
ハイチの首都・ポルトープランスで被災した、ポール富士子さん

第728回『岩手・宮城内陸地震から2年』2010.06.14
岩手・宮城内陸地震の発生から、今月14日で丸2年となりました。
この日の放送では、被災地の1つ、宮城県栗原市栗駒耕英地区でイチゴ農家を営む大場浩徳さんに電話をつなぐとともに、現地の復興を支援する「減災・復興支援機構」の木村拓郎理事長をスタジオに招き、話を聞きました。

栗駒耕英地区でイチゴ農家を営む大場さんは、2年前の地震で被災。自宅は全壊しましたが、昨年秋に家を再建しました。イチゴの栽培もすでに再開し、今年の収穫量は、例年の5割くらいまで回復する見込みだということです。
「耕英地区は、復興に向けて順調に進んでいるようです」と話すのは、これまで被災地に何度も足を運んでいる木村拓郎さん。ただ、耕英地区と同様、被害の大きかった花山地区は、まだまだ復興が進んでいないそうです。
耕英地区の大場さんは、「花山地区で温泉を営んでいた男性が、『私の温泉はまだ堰止湖の中に沈んでいます。2年が経っても、まだ一歩も前に進めていません』という話をされて、すごく心が痛みました」と話していました。
木村さんは「地震から2年が経って、地域で復興にけっこう差がついてきているという感じがします」と話していました。
減災・復興支援機構 理事長 木村拓郎さん (電話出演)くりこま耕英震災復興の会 会長 大場浩徳

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