京阪電車『祇園四条』駅を出て徒歩5分。
創業240年越え、お寿司の名店である『いづう』さんにお邪魔しています。
今回は、こちらの名物である【鯖姿寿司】についての
秘密のテクニックを
8 代目店主の佐々木勝悟(ささき・しょうご)さんにお聞きしました!
【いづう 鯖姿寿司】の秘密のテクニック その①
『鯖は真鯖を使い、三枚におろして冷水で洗い、塩を打って、常温で1~2時間おく!』
「いづう」では、日本海の近海で獲れた真鯖を使っています。
シメサバは脂のノリと身の締まりが大事。
ノルウェー産や青森のトロサバなどは、脂が多すぎて酢と塩をはじいてしまうため、
鯖姿寿司には日本海近海の真鯖がピッタリなんだとか!
鯖を3枚におろして、冷水で流して掃除をします。
そして表面に塩を塗っていき、この状態で1~2時間ほど置いて魚の生臭さを取っていきます。
【いづう 鯖姿寿司】の秘密のテクニック その②
『置いた鯖は水洗いをして塩を流し、酢につけて、氷の冷蔵庫で一晩寝かす!』
水洗いして塩を流した鯖を、お酢の入ったトレイに漬けます。
そしてそのまま、氷が上に置かれた『氷の冷蔵庫』で一晩寝かせておきます。
電気の冷蔵庫は温度が一定の3度を保っているのですが、
風で冷やすため鯖が乾燥してしまうんだとか。
一方、この昔ながらの『氷の冷蔵庫』は温度が15~16度で、
保湿効果もあり、乾燥もしません!
冷やす温度が高めなので、鯖の表面に脂が浮いて、塩と酢が馴染んで旨味が増します。
鮮度をわざと殺して、味を馴染ませていくのが昔ながらの鯖寿司の作り方なんです。
【いづう 鯖姿寿司】の秘密のテクニック その③
『シメ鯖は小骨をとって掃除し、1日寝かせたすし飯を合わせ、北海道産の真昆布で包む!』
鯖を一晩寝かせ、「しめ鯖」の完成です!
小骨を取って、1日寝かしたすし飯と合わせていきます。
どうして、すし飯も1日寝かせるのでしょうか?
実は「いづう」では、"炊く""さばく""握る"という各作業を
練達の職人さんがそれぞれ担っています。
炊飯場では、35年以上務める70歳の職人さんが担当しています。
お米は、特徴が違う2種類のお米を独自に配合した"いづう特選米" を使い、
その職人が炊いて酢を合わせています。
お酢は、老舗の醸造所で「いづう」のオリジナルを作ってもらっています。
通常、お酢は生のまま使うとキーンとした角があるんですが、
オリジナルのお酢は主張しすぎないまるみのあるお酢となっています。
1日寝かせることで合わせ酢がお米の中心に染み込み、 同時にお米臭さも取れるんです!
すし飯の上にしめた鯖が乗りました!
ここに、生酢(きず)に漬けて柔らかくした昆布を巻いていきます。
この昆布はダシを取るためのものなので、食べるときは外すのがマナー。
危うくそのまま食べる所でした...
「いづう」の名物・鯖姿寿司が完成しました!
6等分に切り分け、お皿に並べて見える迫力の断面!!
ただよう昆布の香りに食欲がかき立てられます。
一口食べれば分かる、鯖とお米のモチモチ食感!
酢飯は酸味がありながらもほんのり甘く、鯖の塩味とのバランスも絶妙です。
しかし佐々木さんいわく、鯖姿寿司はお持ち帰りして翌日に食べるのがおすすめなんだそう!
というのも、鯖姿寿司は時間が経つごとに風味が変わります。
握りたては昆布の味があまり染みていませんが、
3~4時間ほど経つと昆布の味が染みてきます。
5~6時間経つと昆布に糸が引き、昆布だしがより強くなり、発酵した味が楽しめるんだとか!
ということで、昨日作った鯖姿寿司を用意して頂きました!(写真右側)
比較してみると、少し昆布の色が変わっていて、粘りも強くなっています。
食べてみると、先ほどあまり感じなかった昆布の旨味が強く感じられます。
鯖は脂がさらに乗ることで、旨味がかなり強くなっています。
食感にもハリが出て食べ応え抜群!
まさに時間を重ねたからこそ出る美味しさです。
200年の歴史が詰まった鯖姿寿司は、
オンラインショップでも販売されていますので、ぜひ一度ご賞味あれ!
(オンラインの場合は製造の翌日着なので、届いた日が食べ頃となります。)
★いづう
場 所:京都市東山区八坂新地清本町367
電 話:075-561-0751
営 業:[お召し上がり処] 月・水~土 11:00~22:00(L.O. 21:30)
日曜・祝日 11:00~21:00(L.O. 20:30)
[おみやげ] ご予約のうえ、8:00~木戸口にてお渡し可能
定休日:火曜日(祝日・祭事などの際は営業)
店 主:8 代目 佐々木勝悟(ささき・しょうご)さん
HP:https://www.izuu.jp/