JR東西線『大阪天満宮』駅を出て徒歩2分。
割烹料理屋「なにわ料理 有」にお邪魔しています。
本日は店主の古池秀人(ふるいけ・ひでと)さんに、
お店のコースで提供される【かき揚げ】についての
3つの秘密のテクニックをお聞きしました!
【なにわ料理 有 かき揚げ】の秘密のテクニック その1
『食材の水分はできるだけ取り、しっかり粉を打ち、余分な粉をよく払っておく!』
まずは食材の下ごしらえから。
今日は季節に合わせて、白魚・セリ・さきがきゴボウのかき揚げを作っていただきます。
白魚は、宍道湖産の白魚を使っています。
白魚は淡白な魚ではありますが、揚げるとすごく味に深みが出ます。
また宍道湖産は身の質がしっかりしていて、かき揚げに向いているんだとか。
白魚を真水で洗い、水分をふき取っておきます。
軽く洗っただけですが、少し白さが際立っている気がします!(写真左)
野セリをよく洗い、およそ1センチ~2センチの長さに切ります。
細かく切りすぎると揚げるときに崩れてしまうので、
食べやすく揚げやすい、絶妙な長さでざく切りにしています。
ゴボウはささがきにして、あくを抜いたものを混ぜます。
ゴボウ本来の食感と香りを楽しんでもらうため、わざと荒めにカットしています。
また"灰汁も美味しさのうち"との事で、水にちょっと付ける程度にしているんだとか。
白魚と野ゼリはできるだけ水分をとり、粉を打ち、余分な粉をよく払っておきます。
この時パラパラにほぐれていないと、団子状の塊ができてモサっとした食感になってしまうので
とても重要なポイントになります。
【なにわ料理 有 かき揚げ】の秘密のテクニック その2
『衣は真水で卵黄を溶いて冷やしておき、薄力粉と軽く混ぜ、
食材に少量かけて軽く寄せるイメージで!』
次は衣に関するテクニック。
天ぷら衣は粘りが出ないように、作り置きせずこまめに作っています。
真水で卵黄を溶いた卵液は冷やしておき、薄力粉と軽く混ぜます。
できるだけ冷えた状態にし、混ぜすぎないようにする。
これがカラッと揚げる重要なポイントです。
【なにわ料理 有 かき揚げ】の秘密のテクニック その3
『170~180度の白締油で1~2分揚げるが、油の中でまとめ過ぎないように気をつける!』
いよいよ揚げの工程に移ります。
天ぷら衣は少量をかけて、サクッと混ぜ合わせていきます。
「かき揚げ」という名前からして、よくかき混ぜた方が...と思いがちですが、
混ぜすぎるともっさりした食感になってしまうんだとか。
軽く指先で寄せて揚げる「寄せ揚げ」のイメージです。
170~180°Cに熱された白絞油の中に、具材を投入していきます。
油の中でも具材をまとめすぎないのが重要なポイントです。
揚げ物は投入時の温度を気にしがちですが、実は引き上げるときの温度が重要。
180°Cで入れたら、180°Cで引く。
同じ温度で引くと油切れが良くなります!
天ぷらをうまく揚げるコツは、温度が下がらないようにたっぷりの油で少量揚げることです。
水分が抜けると泡が変化し、浮いてきます。
音の変化も揚げあがりのタイミングです。
綺麗に揚げ上がりました!!
思っていたよりも大きく、なかなかの迫力があります。
少し白い衣から白魚・セリ・ゴボウが透けていて、出来合いのものにはない気品が漂っています。
まずは、シンプルにお塩を付けていただきます。
ザクザクとした衣の中に、白魚のふわふわ食感!
セリ・ゴボウのシャキッとした歯応えも、いいアクセントになっています。
三位一体の甘みが口中に広がります!
また油切れが良いおかげで、重たくならずどんどん食べ進める事が出来ます!
続いて天ダシは、山椒の芽を細かくして混ぜた「木の芽おろし」を混ぜていただきます!
衣をダシに付ける事により、また先程とは違った食感が楽しめます。
また山椒のピリッとした香りも、よりかき揚げの美味しさを引き立てています。
職人の繊細な技術を寄せ集めた珠玉の一品を、是非一度ご賞味あれ。
(※かき揚げの具材は季節によって変化します)
★なにわ料理 有
場 所:大阪市北区東天満 1-9-17
電 話:06-6232-8558
営 業:17:30~22:00(L.O. 21:00)
定休日:日祝・第 1 月曜
店 主:古池 秀人(ふるいけ・ひでと)さん
HP:https://kcct600.gorp.jp/