近鉄奈良線『大阪難波』駅を出て徒歩10分弱。
美食家たちに愛される、とある懐石料理屋があります。
その名も「和洋遊膳 中村」。
路地裏にあるお店なので、来店の際は入念に場所を調べることをおすすめします!
店長の中村 正明さんに人気メニューでもある【肉じゃが】の3つの秘密のテクニックをお聞きしました!
【和洋遊膳 中村 肉じゃが】の秘密のテクニック その1
「牛肉は20gくらいのサイコロ状に切り、タコ糸で縛ってフライパンで焼き色をつけておく!」
まずは使用する牛肉について。
他の肉じゃがではあまり見ない"サイコロ状"にカットされています。
「中村」さんの肉じゃがは、和牛の"ネジ"といわれる首のあたりの肉を使用。
この部位はゼラチン質が多く、煮込み料理に向いているそうです。
そして、綺麗なサイコロ状のお肉が煮崩れしないよう、タコ糸で縛ってからフライパンの上へ。
お肉を焼くことで、焦げ目がついて香ばしさがプラスされます。
【和洋遊膳 中村 肉じゃが】の秘密のテクニック その2
「焼き色をつけた牛肉を、 昆布とマグロ節からとった1番ダシで煮込み、一晩寝かせる!」
先ほど焼いた牛肉を、マグロ節と昆布の一番ダシで煮込みます。
まずはお肉を焼いていたフライパンにダシを入れて、肉の旨味を根こそぎとってから圧力鍋に肉とダシを移していきます。
圧力鍋を使うことでより牛肉が柔らかくなり、ダシの味が染み込みます。
また、普通の鍋で煮込むと3~4時間かかるところが、圧力鍋だと25~30分ほどで済むんです!
(ただし、圧力鍋で煮込みすぎると逆にパサパサになってしまうので注意!)
その後、牛肉に味を入れるために一晩寝かせます。
こうする事で、ダシに浮いた余分な脂を取り除くことが出来ます。
ここまで丁寧に時間をかけて調理されている肉じゃが・・・期待が高まります!
【和洋遊膳 中村 肉じゃが】の秘密のテクニック その3
「一晩寝かせた牛肉と煮汁に、醤油と砂糖を加え、 じゃがいも・玉ねぎ・ニンジンをあわせて、30分ほど煮たあと冷まして、 一人前ずつ小分けにして真空調理する!」
完成が近づいてきました。
一晩寝かせておいた牛肉と煮汁に、醤油・砂糖を加えて味を調えていきます。
ちなみに濃口醬油の他に、色を出すためにたまり醤油も入れているそうです。
野菜は、煮崩れしないようにニンジン→玉ねぎ→ジャガイモの順に入れていきます。
ちなみにジャガイモは、インカという比較的煮崩れしにくい品種を使用しています。
またこのとき、隠し味として一緒に豆板醤を入れています。
というのも、肉じゃがはおじさん達が好みがちな食べ物。
パンチが欲しいという理由で七味をかけられるので、それならばとあらかじめピリッとした味わいにしているそう。
30分ほど煮込み冷ましたあと、1人前ずつ袋に入れて真空調理します。
真空にすることで、清潔に保存できるだけでなく、さらに味も染み込むんだとか。
オーダーが通ったら、真空パックを小鍋に移し、蒸し器に入れて温めなおします。
最後に温泉たまごと刻みネギを上から乗せれば・・・完成です!!
こんなに色濃く染まった肉じゃが、見た事ありますか?
もうこの見た目だけでご飯が進みそうです!
具材の1つ1つがごろっとしていて、まるでビーフシチューのサイズ感です。
では、温泉たまごを崩して・・・黄身と一緒にいただきます!
柔らかいのに、崩れていない!!
じゃがいもの中までしっかり味が染み渡っています。
お肉はもはや、"唇"で噛めるほどの柔らかさ。
また表面に焼き目をつけているおかげで、中に旨味が閉じ込められています!
噛むほどにお肉と魚介ダシの美味しさが口の中に広がります。
そして、隠し味として入れた豆板醤もいいアクセントになっています!
本当は昨日作った肉じゃがだそうですが、4日ぐらい煮込んだのかと思うほどしっかりとした味わい。
ちなみに、真空調理のままテイクアウトすることも可能です!
家庭では味わえないワンランク上の肉じゃがを、ぜひ一度ご賞味あれ。
★和洋遊膳 中村
場所:大阪市中央区西心斎橋2-3-22
電話:06-6212-9217
営業:17:00~24:00 ※最終入店 22:00
定休日:日曜日・第 1 月曜日
店主:中村正明さん