京都有数の世界遺産、妙心寺と仁和寺。その2つを結ぶ一条通のちょうど真ん中辺りに、自然食を取り扱った喫茶店がある事をご存知ですか?
今回ご紹介する『おからはうす』。
まるでジブリ映画に出てきそうな、可愛らしい外観です。
店主の手塚麻喜子(てづか・まきこ)さんに【おから料理】の3つの秘密のテクニックをお聞きしました!
【おからはうす】の3つの秘密のテクニック その1
「生のおからは少し焦げるくらいまでカラカラに炒り、ゴマ油で香りをつける!」
まずは、このしっとりとした生のおからを炒る作業から。
最初に菜種サラダ油、そして香りづけのためのゴマ油を鍋に入れ、中火でゆっくりと炒ります。
おからが鍋にくっ付いたら一旦火を止め、少し冷ましてからもう一回火を入れる・・・を4~5回繰り返します。
この時、カラカラになるまで炒るのが大事なポイント。
この工程をきちんとしておかないと、出来上がりがモサモサとし、味も入らなくなってしまうそうです。
いいカラカラ具合のおからになりました。
加熱されたことでさっきよりも色が黄色くなっています!
【おから】の3つの秘密のテクニック その2
「具は細かく切って、昆布・ムロアジ・サバの雑節と、干しシイタケの戻し汁で炊き、醤油と砂糖で味付けしておく!」
次は、おからと合わせる具材を味付けしていきます。
使用する具材は季節によって都度変わるのですが、うす揚げやかんぴょうなど、味がしみ込むものは必ず入れています。
今回はその他にも、ひじき・潰した大豆・干しシイタケ。
そして季節を感じられるさつまいも・里芋。
また、九条ネギ・干しエビは香りづけの役割も担っています。
こうして並べてみると、具材の多さにびっくりします!
お出汁は、昆布・ムロアジ・サバの3種類の雑節から取ります。
そこに干しシイタケの戻し汁を加え、煮えにくい具材から順に入れていきます。
すべての具材に火が通ったら、ざらめ砂糖と薄口醤油で味付けをします。
前もって調味料を入れると煮詰まって味が濃くなってしまうため、最後に味を整えます。
色々なお出汁の香りが店内に広がっています!これはこれで美味しそう・・・
【おから】の3つの秘密のテクニック その3
「おから自体には味をつけず、うす揚げ・かんぴょう・しいたけなどの具に味を移すイメージで炊き合わせる!」
いよいよ最後の味付けです。
カラカラになったおからを、お出汁に入った具材と一緒にします。
具材につけた味をおからに染み込ませる、移す、というようなイメージで炊き合わせていきます。
なんと、3~4回ほどかき混ぜただけで「出来上がり!」と手塚さん。
先程までカラカラだったおからは出汁を吸い、ぽってりとした感じになっています。
最初にきちんと炒っておかないと、この状態にはなかなか辿り着けないそう。
おからからは少し湯気が立っていて、ますます食欲をそそります。
ということで、ついに完成しました。
お上品にいただきます!!!
「美味しい・・・」
食レポでは使わないようにしていたのに、思わず溢れてしまいました。
食感はまさに「ぽってり」。パラパラ食感としっとり食感が良いバランスで同居しています。
お出汁もしっかりおからに染み込んでいて、おからに味付けしていないとは思えません!
具材も色々なものが入っているので、食べるごとに違う食感がして楽しいです!
優しいおからの味に、身も心も温かくなりました。
人と人との繋がりが希薄になりつつある昨今。
皆さんもぜひ一度、手塚さんのおからを食べて優しい気持ちを思い出してみては?
★おからはうす
場所:京都市右京区谷口円成寺町17-10
電話:075-462-3815
営業:11:00~16:00(L.O. 15:30)
定休日:月曜日・火曜日
店主:手塚麻喜子(てづか・まきこ)さん