「蕎麦屋にこら」は、京都市上京区、西陣にあります。
店主の沼田宏一さんは、福島で生まれ、大学を卒業して京都の経営コンサルティング会社で働き、女将の圭子さんは沼田さんの秘書を務めていて、それが縁で結婚だったとか。
お店の「にこら」という名前は奥さんが大好きなロシアの画家「ニコラ・ド・スタール」からとったそうで、店内にもその絵画が飾られています。
関西の街のお蕎麦屋さんではなく関東のお蕎麦屋さんのスタイルで、蕎麦前のお料理とお酒を楽しみ、最後にお蕎麦を楽しむお店。
「自家製粉石臼粗挽き手打ち十割蕎麦」は蕎麦の持つ香りや甘味が噛むことによって弾け滲みでてきます。
品種は契約農家に原種の種から育ててもらった有機栽培の「常陸秋蕎麦(ひたちあきそば)」。殻付きの状態の「玄蕎麦」で仕入れています。
その日に必要な分だけを精選脱皮 製粉。製粉された蕎麦粉はつなぎを入れずに毎朝手打ちしています。
今日は<天ぷらそばの3つ秘密のテクニック>をご紹介してもらいます。
<天ぷらそばの秘密のテクニック その①>
『天ぷらの揚げ油は「なたね赤水」を使い、薄めに衣をつけて3~4程度揚げる!』
天ぷらそばは「季節の野菜の天ぷらそば」か、あらかじめ甘く似た「煮穴子の天ぷらそば」、または「かき揚げの天ぷらそば」があります。
今回は「煮穴子」をチョイス!
お蕎麦とは別皿で提供しています。
小麦粉に卵黄と冷水のみの衣で、冷たい水でざっくりと粉をまぜ、衣は程よく汁が染みるぐらいの薄めにつけてカラっと揚がるようにしています。
揚げ油は、「なたね赤水」という菜種油のみを使う。
少し赤身がかった黄色い油で、独特の風味があって良い。
油の温度は170度で揚げはじめ、180度でフィニッシュ!
材料の余分な水分をとり、カラッと揚げるために温度を上げるんだそうです。
「煮穴子の天ぷら」 衣は具が透けるほどの薄付きではなく、衣ばかりが重くなるような厚さでもなく、程よい程度に汁が染みる心持ち薄めの衣。そのまま食べてもサクサク感を楽しめ、そばのつゆに浸して食べても美味しく食べられるようにしています。
<天ぷらそばの3つの秘密テクニック その2>
『蕎麦は石臼で自家製粉した粗挽きの十割蕎麦、茹で時間は30秒!』
お蕎麦は天ぷらが揚がる少し前のタイミングで蕎麦を茹で始めます。
十割蕎麦なので、茹で時間は短く、なんと30秒!あっという間に茹で上がります。 温かいお蕎麦の場合はさらに若干短く25秒!
すぐに伸びるので湯がきたてが一番おいしい時間!
まずはお蕎麦を一口いただきます!
蕎麦を食べる時、江戸では「すする」のではなくて、「手繰る(たぐる)」という表現をつかいます。「すする」は汁などといっしょに吸って食べることをいい、何もつけないで蕎麦だけを食べる時は「手繰る(たぐる)」というそうです。
江戸の粋を感じる表現ですね。
口の中でパッと広がる蕎麦の香りと、本来の甘さを感じ驚きます。
本来、十割蕎麦の店はのびるのが早いので温かい蕎麦は出さない店が多いんですが、京都はダシ文化なので、温かい蕎麦も提供しています。
できるだけすぐに食べてほしいとのことで、お蕎麦を運ぶ、奥さんが素早い動きでテーブルに運んでくださいました。
<天ぷらそばの3つの秘密テクニック その3>
『天ぷらそばの汁(つゆ)は羅臼昆布に、カツオ節2種とサバ・ムロアジでうま味を加えたダシに「あまかえし」「からがえし」で味を調える』
羅臼昆布に、2種類のかつお節、サバとムロアジの雑節(2割程度)でうま味をプラスしたダシを取り、それぞれの「かえし」で味を調えます。
関西はうどん文化でうま味のあるダシを好みますので、サバやムロアジを加えて関西風のうま味を足しています。
温かいお蕎麦の場合は、薄口醤油にみりん、きざら砂糖を煮た
「あまがえし」を使っていて。しょうゆの風味を残したいので1~2日で使い切ります。うどんではないので、気持ち甘めな程度にしあげています。
冷たい蕎麦の場合は、醤油(薄口・濃口・たまり)にみりん、きざら砂糖を煮て2か月ほど甕で寝かして角をとってまろやかにした「からがえし」を使っています。醤油の角が取れてまろやかで風味が増すんですよ。
お蕎麦をおつゆにつけていただきます。
おつゆのからさが、お蕎麦の甘味と香りを引き立てます!見てください!山崎アナの子の表情!
「蕎麦屋にこら」では、緊急事態宣言などでお酒が提供できないため、現在はお昼のみの営業をしています。
「一品料理3品とお蕎麦のセット」を提供。
蕎麦といえば日本酒なんですが、「蕎麦屋にこら」では、沼田さんがワインソムリエの資格をとり、ワインに合う和食一品料理も提供しているので、ワイン
とお蕎麦の組み合わせも楽しめるんです。
早く緊急事態宣言があけて、お蕎麦とお酒が楽しめるようになりたいですね。
〈お店データ〉
★蕎麦屋にこら
場 所:京都市上京区智恵光院通五辻上ル五辻町69-3
電 話:075-431-7567(※FAX兼用→台本送り先)
営 業:11:30~14:30 (※17:30~21:30)
※緊急事態宣言中(お酒の提供の無い間)は、夜の営業はありません
定休日:水曜・第1第3火曜
店 主:沼田宏一さん
H P: 蕎麦屋にこら / 自家製粉十割蕎麦