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『中学生に初の朗読!〜西宮市立鳴尾中学校の巻〜』
日差しが強かった6月10日、甲子園球場のすぐそばにある西宮市立鳴尾中学校に伺いました。中学校でおでかけ朗読するのは初めて。中学生は絵本を素直に受け入れてくれるだろうか?不安を抱きながら学校に向いました。
図書室には、中学生と図書ボランティアのお母さん方、約60人が集まってくれました。3年生が中心。しかも男子学生の姿が多くみられたのは以外でした。鳴尾中学校は、日頃から、積極的な図書活動が行われているそうで、学校の図書室を管理するのは「図書ボランティア」のお母さん方。また、図書委員が中心になって年2回、ゲストを招いて朗読会を開いているそうです。
朗読は、図書委員の司会進行で、私達を丁寧に紹介してもらいスタートしました。さすが中学生です。まず、小学生に人気の言葉遊びの本「へんしんトンネル」から。中学生には、幼い内容かなと思いましたが・・・「カッパ、カッパ、、、パカッ、パカッ、馬だ!」を皆さんも声を揃えて叫んでくれました。ホッ!
次に、私が野良犬の友情を描いた「あしなが」を朗読。皆さん、小さな子どものように真っ直ぐな視線で絵を見つめ、聞きいってくれました。私は、内容がしっかり伝わっていることが実感でき、その空気に合わせて読むと、普段の会話に近い自然な口調で朗読することができました。
続いて、関岡アナと、ブラックユーモアーの効いた短編小説「ショート・トリップ」から「愛しのエリー」と「花園」を読みました。これは、毎日中学生新聞に掲載された作品だけあって大人気。「愛しのエリー」で、甘い声で会話していた恋人が、徐々に喧嘩口調になっていくところでは、大爆笑となりました。
最後は、「これはのみのぴこ」で、長い文章を一息で読むのにチャレンジしてもらいました。前に出て挑戦するのは照れくさがるかなと思いましたが、そんな心配は無用。3人が積極的に参加してくれました。笑ったり、涙を浮かべたり、絵本の言葉一つ一つに素直に反応してくれている様子が印象的でした。
後日、皆さんが手書きで感想文を送ってくれました。「久しぶりの絵本でした。」「本を読んでもらうのは中学生になって初めて。とても楽しかったです。」など、しばらく絵本や朗読から離れていたことが伺える内容が多くありました。人に読んでもらう心地よさは、いくつになっても変わらないのですね。改めて絵本の魅力に触れてもらえたようでうれしく拝読しました。鳴尾中学校の皆さん、本当にありがとうございました。
【今回の朗読作品】
『へんしんトンネル』(作:あきやまただし作/金の星社) 『あしなが』(作:あきやまただし/講談社) 『ショート・トリップ』から「いとしのローラ」「花園」(作:森絵都/理論社) 『風切る翼』(作:木村裕一/講談社) 『これはのみのぴこ』(作:谷川俊太郎作/サンリード)
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