今回のゲストは大阪大学大学院・経済学研究科准教授の安田洋祐さん。経済学者として研究を続ける一方、テレビやラジオなどにも精力的に出演している安田さんに、経済学ってな~に?という率直な質問をぶつけてみました。
安田さんいわく「経済学とは経済の動き・仕組みを理解したうえで、人々の暮らしを豊かにする為の方法を考える学問」ということ。
近年話題のトマ・ピケティ『21世紀の資本』についても解説してもらいました。ものすごく簡単に言っちゃうと、ピケティは「このままだと、ますますお金持ちになる人とそうでない人の格差が広がっていくよ」と警鐘を鳴らした経済学者なんだそうです。その理論の根幹にあるのが「富裕層が持つ資産はどんどん利子や利益を生んでゆく。そのスピードには働いている人たちがいくら頑張って仕事をしても追いつかない」という事を数百年にわたる資料を分析して証明しようとしたのがピケティさんなんだそうです。
また安田さんの専門である「ゲーム理論」についても解説して頂きました。社会の色々な問題について、全体としての方向性はみんなが賛成しているけど、立場ごとに意見が対立したりする。これをどうやって、全体が向かうべきゴールに向かわせるか?そんなことを考えるのがゲーム理論。
例えば「残業を減らすにはどうすれば良いのか?」経営者も従業員も残業を減らそうと思っているけどできない。もう仕事は終わっているのになんとなく残っている従業員が多い場合。この現象は何も従業員が悪いのではなく、従業員たちは「なんとなく帰りにくい」と感じていたり、「早く帰ったらなにか自分に不利益があるのでは?」と今までの経験から思っているからなんだそうです。だから、早く帰った人になにか得がある制度にする。上司が率先して先に帰るなど、システムを変えることで人の動きを変える。どういった方向へ進むべきなのかを考える、デザインを考えるのが「ゲーム理論」の強みなんだそうです。
一見むずかしそうな話をとてもわかりやすく話してくれた安田さん、とっても素敵な方でした。