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上野誠の万葉歌ごよみ
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上野誠の万葉歌ごよみ
毎週土曜日 朝 5:30〜5:45

上野誠(國學院大學 教授)
上田悦子(MBSアナウンサー)
★上田悦子アナウンサープロフィール
utagoyomi@mbs1179.com
上野先生に聞いてみたい事、番組の感想など何でもお寄せください。
〒530-8304 MBSラジオ
「上野誠の万葉歌ごよみ」

【2025年1月18日 放送分】
【2025年1月11日 放送分】
【2025年1月4日 放送分】
【2024年12月28日 放送分】
【2024年12月21日 放送分】
【2024年12月14日 放送分】
【2024年12月7日 放送分】
【2024年11月30日 放送分】
【2024年11月23日 放送分】
【2024年11月16日 放送分】
上野誠の万葉歌ごよみ-歌ごよみ
【2025年1月18日 放送分】
2025年1月18日
【巻】…11・2747

【歌】…味鎌の塩津を指して漕ぐ船の名は告りてしを会はざらめやも

【訳】…味鎌の塩津を指して漕ぐ船の名のりように名前は名乗ったのに会うことができないのです

【解】…受験シーズン真っ只中です、冒頭では上野先生ならではの受験生に対するアドバイスをお話しして下さいました。受験生の方は、家を出る前は必ず忘れ物がないかをチェックし、体調管理もしっかり整えて挑んで下さいね。さて今回の歌にもありますが、当時の人は、姓名の「名」は大切な人にしか、伝えなかったそうです。平安時代まで、名は存在していましたが、女性の名は伝わらなかったそうです。名を教えるということは、結婚する程の仲の相手にしか伝えないのです…この歌の人は、「名を伝えたのに会えないのです」と詠んでいますが、この後どうなったのでしょう、無事に会えていると嬉しいのですが、皆さんはどうお考えになりますでしょうか?

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上野誠の万葉歌ごよみ-歌ごよみ
【2025年1月11日 放送分】
2025年1月11日
【巻】…11・2684

【歌】…笠無みと人には言ひて雨つつみ留りし君が姿し思ほゆ

【訳】…笠が無いと人には言って帰らずに留まっていたあなたの姿が思われてならない

【解】…今回の歌の中にある「人」は、第三者のことを指しており、使人に「雨が降っていて、笠が無いから帰れない」と言い訳めいたことを言っているのでしょう。元恋人、昔仲の良かった人の姿の1シーン・一部の回想を思い出している歌になります。普通に生活していても楽しかった思い出は、時折、脳裏に過ったりするものですよね。皆さんの記憶の断片なんかも教えていただけますでしょうか。

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上野誠の万葉歌ごよみ-歌ごよみ
【2025年1月4日 放送分】
2025年1月4日
【巻】…20・4516

【歌】…新しき年の初めの初春の今日降る雪のいや重け吉事

【訳】…新しい年のはじめの初春に今日降る雪のように良い事が重なれよ

【解】…上野誠の万葉歌ごよみに携わって下さっている皆さん、明けましておめでとうございます。今年も「おめでとう」と言えて、よかったですね!という上野先生の言葉が心に沁みますね。2025年最初の歌は、万葉集の最後に収められている「皆皆幸せで」というように、新年にふさわしい歌を詠みました。「新しき」は「あらたしき」と読みました。「年初に降る雪は縁起の良い事」だそうで、良い事がいくつも重なると人間は幸せですよね、そんな思いを歌ったものです。吉事が幾重にも重なり、世界が笑顔で溢れますように…今年もゆるりとした万葉歌ごよみにお付き合いいただけますと幸いです。

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上野誠の万葉歌ごよみ-歌ごよみ
【2024年12月28日 放送分】
2024年12月28日
【巻】…11・2418

【歌】…如何ならむ 名を負ふ神に手向せば 吾が思ふ妹を夢にだに見む

【訳】…一体どのような名前を背負った神に手向けをすれば 私が思っている妹を夢に見ることができるだろうか

【解】…2024年最後の放送となりました。上野先生がラジオで解説する際は、執筆や講演とは違い、「リスナーさんを想像しながら今朝はどんな事をお話しようかな」と頭を巡らせるので、一味違った面白く・爽やかな緊張感が伴うそうです。今回ご紹介した歌は、どこの神社にどこの神様に手を合わせに行けば、思い人を夢に見られるのか?という悩む人の歌でした。多神教である日本ならではの歌でしたね。今年も万葉歌ごよみにお付き合いいただき、ありがとうございました。来年も同じ時間に元気にお耳にかかれれば幸いです、みなさんにとって良いお年になりますように。

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上野誠の万葉歌ごよみ-歌ごよみ
【2024年12月21日 放送分】
2024年12月21日
【巻】…11・2648

【歌】…かにかくに物は思はじ 飛騨人の打つ墨縄のただ一道に

【訳】…あれやこれやと物は思いますまい 飛騨人の打つ墨縄のように ただ一本道に

【解】…今年の放送もあと2回になりました。「打つ墨縄」とは、壺の中に墨が入っており、その中に糸を浸して、墨を含ませ、両端をピーンと張って離すと、対象のモノに一直線が引けるということです。今で言うと「物差し」のようなものです。そして「飛騨人の打つ墨縄」というのは、当時の職人のブランドのような意味を指すのでしょう。自分の気持ちをどこまでも続く墨縄の一本道にと詠うのは、揺るぎない強い思いが溢れている歌に感じます。

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