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上野誠の万葉歌ごよみ
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上野誠の万葉歌ごよみ
毎週土曜日 朝 5:30〜5:45

上野誠(國學院大學 教授)
上田悦子(MBSアナウンサー)
★上田悦子アナウンサープロフィール
utagoyomi@mbs1179.com
上野先生に聞いてみたい事、番組の感想など何でもお寄せください。
〒530-8304 MBSラジオ
「上野誠の万葉歌ごよみ」

【2025年2月15日 放送分】
【2025年2月8日 放送分】
【2025年2月1日 放送分】
【2025年1月25日 放送分】
【2025年1月18日 放送分】
【2025年1月11日 放送分】
【2025年1月4日 放送分】
【2024年12月28日 放送分】
【2024年12月21日 放送分】
【2024年12月14日 放送分】
上野誠の万葉歌ごよみ-歌ごよみ
【2025年2月15日 放送分】
2025年2月15日
【巻】…12・2845

【歌】…忘るやと物語りして 心遣り過ぐせど過ぎず なほ恋ひにけり

【訳】…忘れられるだろうかと語り合いをして、気晴らしをしようとしても気晴らしなどできない、なお恋しく思ってしまった

【解】…今回ご紹介した歌に出てくる「物語り」は「互いに語り合うこと、意見を交換すること」、「心遣り」は「今思っていることを外に出す」と表現しましたが、いくら気晴らしをしようしても思いが募るばかりだという歌です。趣味事や仕事中、移動中や家族と会話している時、いくつになっても、いつも頭の片隅から忘れられない人のことや思ってしまうことは誰にでもありますよね?自分の望む通りに物事が進んでいれば、こんな風に考えることはないような気がします…

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上野誠の万葉歌ごよみ-歌ごよみ
【2025年2月8日 放送分】
2025年2月8日
【巻】…12・2841

【歌】…わが背子が朝明の姿よく見ずて 今日の間を恋ひ暮すかも

【訳】…わが背子の朝の姿をよく見なかったので、今日の一日をどのように暮らせばよいのか

【解】…今回の歌に出てくる「わが背子」は「私の良い人」と訳しました。まだ夜が残る朝が暗いうちに、恋する人の帰っていく様を周りの目があるので、じっくりよく見ることができなかった…どんな風に一日を過ごせば良いの?と寂しい気持ちを詠んだ歌をご紹介しました。上野先生が言うには、時間は有限ということですが、幼少期の頃に祖母から言われた「一番楽しい時に終わりが来るものなんだよ」と名残という言葉を実感させる思い出話が印象に残る回となりました。
    

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上野誠の万葉歌ごよみ-歌ごよみ
【2025年2月1日 放送分】
2025年2月1日
【巻】…12・3190

【歌】…雲居なる海山越えてい行きなば われは恋むな後は相寝とも

【訳】…雲のかなたの海山を越えて行ってしまったならば、私は恋しく思うでしょう、後に共寝ができたとしても

【解】…2025年も一カ月が過ぎ、2月になりましたね、お聞きの皆さんも仕事モード全開でしょうか。さて今回も恋の歌を詠んでいきます。遠くへ行った恋人が帰ってくれば、共寝ができることが分かっているのに、一人でいる時間をどう過ごして良いのか分からないくらい寂しいという歌です。相手のことを思う溢れんばかりの熱い気持ちと少し感傷的な思いが、これだけ思われていることに少し嫉妬してしまいそうな歌ではないでしょうか。

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上野誠の万葉歌ごよみ-歌ごよみ
【2025年1月25日 放送分】
2025年1月25日
【巻】…12・3206

【歌】…筑紫地の荒磯の玉藻刈るとかも 君は久しく待てど来まさぬ

【訳】…筑紫地の荒磯の玉藻を刈るというのでしょうか、あなたさまを待っても待ってもいらっしゃいません

【解】…今回の歌に出てくる「筑紫地」は、九州全体もしくは福岡地方のことを表すのだそうです。ただこの歌の場合、場所の特定に関してあまり深い意味はなさそうです。どういうことかと言いますと、いくら待っても恋する人が来ないので、お互い共通認識のある場所を詠んで、「そんなに遠くへ行ってるの?」と少し皮肉めいたユーモアのある表現をしている歌です。会いたいという気持ちの中に怒りはなく、なんだか余裕が感じられることもできます。

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上野誠の万葉歌ごよみ-歌ごよみ
【2025年1月18日 放送分】
2025年1月18日
【巻】…11・2747

【歌】…味鎌の塩津を指して漕ぐ船の名は告りてしを会はざらめやも

【訳】…味鎌の塩津を指して漕ぐ船の名のりように名前は名乗ったのに会うことができないのです

【解】…受験シーズン真っ只中です、冒頭では上野先生ならではの受験生に対するアドバイスをお話しして下さいました。受験生の方は、家を出る前は必ず忘れ物がないかをチェックし、体調管理もしっかり整えて挑んで下さいね。さて今回の歌にもありますが、当時の人は、姓名の「名」は大切な人にしか、伝えなかったそうです。平安時代まで、名は存在していましたが、女性の名は伝わらなかったそうです。名を教えるということは、結婚する程の仲の相手にしか伝えないのです…この歌の人は、「名を伝えたのに会えないのです」と詠んでいますが、この後どうなったのでしょう、無事に会えていると嬉しいのですが、皆さんはどうお考えになりますでしょうか?

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