12月15日
こころのスイッチ

「老い・老化とは・・・『老人』という言葉」


あした通信社

笑いとがんライフ   ゲスト:いちのせかつみさん


 ファイナンシャルプランナーのいちのせかつみさんのお話をご紹介しました。
いちのせさんは、検診を受けることなく過ごしていた50代前半、大腸がんを経験して、初めて「死」を現実のものとして感じたと言います。52才でステージ3Aと告げられ、手術をしたあとも、リンパに広がっているため抗がん剤治療の必要がありました。
 副作用で特にきつかったのは、味覚異常でした。甘いものを食べても、泥を噛んでいるようにしか感じられず、食欲も全くわきません。辛く、服用をやめたいと思うときもあったほどでした。
 そんな中、気づいたことがありました。
 「死」を意識し、不安で不安で仕方ない時間を過ごしているうちに、あるときふっと「怖がっていても、何かいいことがあるわけじゃない。」と思い至ったのです。漠然と不安だったときには思いもよらない境地でした。本当に怖いという感情を感じ切ったときにこそ、人は心の底から、現在生きていることへの感謝を知るのかもしれません。
 考えてみれば、人は誰もが、いつかは死ぬ。ならば、そのことで苦しむよりも、今日生きることを大切にしよう。泣いて生きるも人生なら、笑って生きるのも人生。大阪弁でいうところの「笑わな損!」という心境になったのだそうです。
 60才になったいちのせさん。私が拝見していても、いつも笑顔の人です。講演会でも、色々なエピソードで聴衆を大笑いさせながら、家計の人生設計についてアドバイスをなさっています。
 誰もが様々な不安を抱えて暮らしていますが、しんどいときこそ笑ってみる。これは生きる知恵ですね。