12月08日
こころのスイッチ

「中曽根さん101歳、氏の健康法と平均余命の関係」


あした通信社

「がん」闘病体験   ゲスト:いちのせかつみさん


 今日は、生活経済ジャーナリストで、ファイナンシャルプランナーのいちのせかつみさんをお招きしました。
 いちのせさんは、現在60才。52才のとき、大腸がんを告げられました。それまで大腸がん検診を受けていなかったのだそうです。体調も良く、仕事も順調。検診を受ける必要を感じていなかったこともありますが、陽性と判断されたら怖い、といった不安が漠然とあったと言います。
 人間ドックで大腸がんだと判明したときも「まさか、自分の身にそんなことが起こるなんて?」と受け入れるのに時間がかかったと言います。しかし、ステージは3Aで、手術が必要だというのが、医者の診断でした。
 まず迷ったのが、家族への伝え方。奥さまにはその日のうちに話したのですが、大学生活を送っている息子さんにはどう伝えるべきか、考えました。もし自分に何かあれば、彼に家のことをまかせなければいけない、という重さゆえの悩みでした。
 いちのせさんが選んだのは、病気が判明する前に予定していた「九州100キロウォーク」に予定通り参加して、ゴールの大分で待ち受けてくれている息子さんに、その場で病を伝える道でした。
 手術を前にした身体で100キロもの道を歩くのは、心身共に並大抵のことではなかったはずです。途中棄権する人も多い中、いちのせさんは歩き通し、ゴールした直後に、息子さんに話をしたそうです。
 心配するであろう息子さんに、前向きに生きる姿を見せながら、現実を伝えたいという思いからでした。
 いちのせさんは、以前から多くの人に家計の話を通して人生設計を語る仕事をしてきましたが、病気を経験してからは、病とどう向き合うかも含めての人生設計の話をするようになったそうです。同時に、検診を受けることの必要性も語ってくれました。
 病気が教えてくれた使命。いちのせさんは、そう感じています。