07月28日
こころのスイッチ

「日々をいかに生きるか2」


あした通信社

特養と老健の違い


リスナーの方のお便りから、今日のお話が始まりました。
「私はこれまで特養と老健の違いを全く知らず、75年経ちました。でも本当のことを言うと、知りたくなかったのです。」
このお気持ち、よくわかります。自分が老いることを想定するのは辛いものです。また「子どもたちがなんとかうまくやってくれるだろう」とも思っていたそうです。しかし今回、この方は思い切って娘さんにこれからの不安を打ち明けました。すると娘さんは喜んでくださり「お母さんの心に添って協力するよ」と。
母娘で、いいやり取りをなさいましたねえ。これからは「自分らしい進み方を見つけたい」とおっしゃいます。大賛成です。

そんなわけで、今日は特養と老健の違いをお伝えしました。
一言でいうと、特養(特別養護老人ホーム)は、最期のときまで暮らすことができる場所です。終の棲家として考えてよいわけです。老健(介護老人保健施設)は、病院から家に帰るまでの機能回復をはかるための場所です。リハビリに重きがおかれます。
どれくらい介護が必要か、を表す要介護度の数字があります。これは1から5へと、介護の必要性が重くなっていく数字です。この要介護度でいうと、入所できる条件は、特養が要介護度3~5(行政が認めれば、要介護3未満でも入所できるケースがあります)老健は要介護度1~5です。
二つの施設は、法的に決められた人員配置が異なります。双方、医療スタッフと介護スタッフがいますが、その割合が違うのです。特養は介護スタッフの比率が高く、老健は医療スタッフの比率が高く設定されています。
大阪市住之江区の医療法人 健正会の松本事務長は、介護度だけではなく、その人がどのような暮らしを望んでいるか、も考え合わせて選ぶべきだと語ります。自宅で生活するのはたいへんだ、ケアをしてほしい、でも自分の生活を大事にしたい、という人には特養を、リハビリ治療など活気を持って可能性を追求したい人には老健を、検討してもらうそうです。

今日お伝えした違いは、あくまで原則論です。たとえば健正会の老健は、最期のときまで生活できる場になっていますが、このように施設それぞれに方針やサービスは違います。基本ルールを知った上で、ご自分で施設の特徴を見極めてくださいね。