05月26日
こころのスイッチ

「しないで済む癌で死ぬな」


あした通信社

生活の欧米化と癌  ゲスト:中川恵一さん(東京大学医学部附属病院放射線治療部門長)


がんの中で、日本人が一番多くかかっているのは、どのがんか、ご存知ですか?
 それは大腸がんなのだそうです。
 以前は欧米の人々に多いとされていた大腸がん。このところ日本で急増していて、胃がんや肺がんを抜いてしまいました。
 今日はがんの専門家である中川恵一さんにお話を伺いました。中川さんは東京大学医学部附属病院放射線治療部門長で、日本対がん協会の評議員でもあります。
 中川さんは、日本で大腸がんが増えている原因は生活の欧米化にあると言います。以前に比べ肉をよく食べるようになったこと、野菜が減って食物繊維の摂取が落ちたこと、そして運動量の減少が影響を及ぼしているのです。
 でも一方で、大腸がんは早期に発見して適切な治療をすれば、完治する可能性がたいへん高いがんです。ただ、初期には全く自覚症状がないのが、大腸がんの特徴でもあります。
 そこで重要なのが、いかにして早期発見するか。
たいへん簡単なことです。検便。大便の一部を採取して、便の中に血液が混じっていないかどうかを調べる検査ですよね。
大腸がんは、検便で見つけられるような早期であれば、98%以上が5年以上生きられる病気なんだそうです。毎年受けていれば5年生存率は89%というデータもあり、たいへん有効な検査だと言われています。その上、大阪では検便をわずか300円で受けることができます。かつて住之江区で住民意識をレベルアップさせ、300円で受けられるように進められた「住之江方式」の運動があってこその成果です。
ここまで知ると、大腸がん検診を受けなきゃ損!ですよね。ところが、大阪の受診率は低いとのこと。なんとも残念な話ですねえ。