04月21日
こころのスイッチ

「窓からの眺め」


あした通信社

老健って何?その2


 60歳以上の人が、病院で治療を受け、退院したあとどうするか。
 もちろん、自宅で以前の日常生活に戻れれば一番ですが、なかなかそうもいきません。
 十分な介護が受けられるのか、という人的問題。家具や段差などのバリアを取り除くことができるのか、といった物理的な問題。
 そんなとき、病院と家の中間施設として機能するのが、老健=介護老人保健施設です。これは、介護保険の枠組みの施設なのですが、医療もある程度までは受けることができるそうです。
 医療法人 健正会の事務長 松本達士さんに、老健施設を案内してもらったところ、施設の柱であるリハビリテーションルームのすぐ前にあったのは、病院と同じような診察室でした。
 施設の規模によって、医師の勤務時間は異なりますが、たとえば100床なら、一週間に40時間勤務する医師の存在が定められているそうです。
 ですから、具合が悪くなったら、まず医師に診てもらうことが可能です。そして、その医師の治療の範囲で留まる程度なら、その施設内で事はすみますし、留まらない場合は、さらに高度な治療ができる病院へと行くことになります。
 どこからどこまでの治療が可能なのか?これは、その施設によって異なってくるようです。老健施設は、病院に併設されていることが多いのですが、その病院の専門分野によっても変わってきます。
 また、いったん老健から病院に入院してしまうと、退院後、老健に戻れなくなるのでは?と不安になります。健正会では、本人の希望があれば戻ってもらえるようにしていると、松本さんは言います。ただ、すべての老健施設で、戻れるのか?ここのところは大いに疑問だと、私は感じています。
 施設を選ぶときに、事前に確認しておくベきポイントのひとつではないでしょうか。