喫茶ラウンジMegビブリオ

5月13日放送分

今日紹介したのは綾辻行人・著『十角館の殺人〈新装改訂版〉 /講談社文庫』 です。
私がミステリにハマるきっかけをくれた本であり、読む楽しみを教えてくれた本でもあります。
名探偵、密室、トリック、伏線...。現代を舞台にしながらも、どこか空想めいたワクワクするシチュエーションや言葉の数々。今までにない読書体験に「またこんな本を読んでみたい!」とミステリ小説を読み漁るようになりました。
今から読める人が羨ましい!!

あらすじとしては、無人島に聳える「十角館」という館に、大学のミステリ研究会・男女7人が訪れるところから物語は始まります。
7人は合宿を楽しむはずが...そこで待ち受けているのは、恐ろしい殺人事件で...と、説明はこのくらいにしておこうかと思います。
何故なら、予備知識なく、まっさらな気持ちで読んで欲しいからです!
ゆっくり読む時間がない...という方はHuluで映像化もされているので、そちらをどうぞ!
でもまずは、やっぱり本を手に取ってみて下さいね。
あなたには、館の謎が分かるかな...?


3月18日(西田 愛)放送分

今日紹介したのは、山中哲男さんの「相談する力」(出版社:海士の風)という本です!
まず私が手に取って思ったのは「あれ?私って全然、相談とかするタイプじゃないけど、そんな人間が読んでも大丈夫かなぁ?」でした。
そもそも、相談って力なの?他力本願なだけじゃないの?
そんな考えがグルグルと頭の中を駆け巡ったりもしました。
しかし本を読んでみて...考え方が一変!目からウロコが落ちました。
今まで「相談」は、相手から明確な答えをもらう為の行動だと思っていましたが、真逆!
「相談」は、自分の思い込みを外すためのスキルだったんです。そして、選択肢を広げるための手段だ、ということ。
確かに、仕事がテキパキしている人のほうが、相談や質問を積極的にしているような気がします。
とにかく、仕事ができる人は相談を使いこなせる!相談を使いこなせば仕事も上手くいく!
この本を読んで、ぜひ、皆さんのやりたいことが成功に近づきますように。
私も早速、誰かに相談してみようかな...。


2月19日(西田 愛)

紹介本:辻村深月:著 /『傲慢と善良』 / 朝日文庫:刊

辻村先生は、私の大好きな作家さんでもあります。

ストーカー被害にあっていた婚約者(女性)が、突然、姿を消してしまうところから、話は始まります。もしやストーカーに誘拐されてしまったのでは?!と主人公は警察に相談するのですが、事件性は低いと判断されて捜査は打ち切りに...。

そんな訳で主人公は独自に調査を開始します!
しかし、彼女の友人や同僚など、話を聞いていくうちに、彼女の「過去」に向き合うことになる主人公。

この本はミステリー小説かと思いきや、彼女の足跡を辿りながらも、自分自身(読者含めて)を見つめ直すような内容になっています。
これを読めば、ドキッ!ズキッ!と思い当たることがきっとあるばず。

特に「婚活」に焦点をあてていて、結婚や婚活を妨げるものが、傲慢と善良、であると本の中で語られます。果たしてその意味とは...?
それはぜひ本を手に取って、確かめてみて下さいね


今日は浅倉秋成・著「六人の嘘つきな大学生(角川文庫)」を紹介しました。
この秋には映画公開も決定していて、今話題のミステリ小説です!
ミステリといっても殺人事件が起きる訳ではなく、就活中の大学生たちが繰り広げるスリリングな心理戦が魅力の作品となっています。
とあるIT企業の新卒採用・最終選考に残った6人。彼らの最終課題はグループディスカッション。議題は「誰が内定に最も相応しいか」というもの。
そして、内定者は1人だけ。
内定という椅子をかけて、熾烈なグループディスカッションが繰り広げられます。 
そんな中見つかったのが、6人それぞれに宛てた封筒。中には一人一人の罪を告発する文章が書かれていました。一体誰がこんなことを?!
「あいつが犯人じゃないか」「いやこいつか?!」と、6人は疑心暗鬼に陥ります。
凄いのは、内定者として選ばれるようにしつつも...「犯人探し」も並行して行わなければならないということ。
犯人は、6人の中にいるのです。
このとんでもない状況を、ジェットコースターのようにスリリングに読ませてしまうのは、作者が緻密に張り巡らせた伏線のなせる技。
最初から最後まで...ページを開いたら作者の罠に一直線!怒濤の伏線回収!
はっきり言って、どうなるかなんて全く予測できません!
あなたにもこの驚きを味わって欲しい!

誰しも裏の顔がありますが...
裏の顔を見つけたからと言って、いつもの表向きの顔が嘘になる訳じゃないのかも?裏の顔も表の裏も本当なのかも?
そんなことを考えさせられました。
皆さんも是非、手に取ってみて下さいね。


10月16日(西田 愛)

今日は、泡坂妻夫・著『生者と死者 酩探偵ヨギガンジーの透視術』(新潮文庫)を紹介しました。

この本、前代未聞!!キャッチコピーが「消える短編小説入ってます! 」なんです。
どういう事か説明しますね。
想像しにくいと思いますが、この本、等間隔で袋とじになっているんです。なので購入したままの状態で読むと、まず「短編」を楽しむことが出来ます。それを読み終わったら、今度は袋とじ部分を切り開いていく訳です。
すると、どうでしょう!元あった短編は綺麗サッパリ消え失せて、残るのは長編小説...。
しかも、短編と長編は全く別物のお話になってるんですよ!凄いでしょ?!
1冊の本で、短編と長編が楽しめる、仕掛け本になっている訳です。
本をビリビリ破くなんて...と思いつつも、袋とじを開く時のワクワク感がたまりません。(アダルトな袋とじしか開けた事がないので、読んでみたい...!とメッセージ下さったリスナーさんもいました。笑)
でも、そんなこと、本当に出来るの?!と半信半疑なリスナーさんも多いと思います。
どう工夫しているか、どんなカラクリになっているかは、実際に本を手にとって確かめて見て下さい。
私がこのブログで、本の内容に触れないのは、かなり珍しいと思います。
どうしてもネタバレしちゃいけない本なので...どうか、ご理解くださいね!本の構造上、電子書籍での発売はしていないので、書店にてお買い求め下さい。(ジュンク堂梅田店にて是非!)


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