2025年

3月23日

手軽にヘルスケアできるDream Machine

今週のゲストは株式会社 PITTAN 代表取締役CEO 辻本和也さん、取締役CTO 児山浩崇さんです。

■株式会社PITTAN その技術と製品とは

まずはキャッチーな社名の由来から辻本さんに伺っていきましょう。
「日常生活の中で愛されるサービスとかプロダクトを作っていきたいという思いがありました。
ネーミングとしてはカワイイ名前で"ン"が入っている方が良いんじゃないかと。
分析をしている仕事ですので "正しく計る""ピッタリ計る""ピッタンコ計る"というところからこの社名になりました」。

研究所があるそうですね。
「我々は超極微量の汗の分析をしています。
私たちは一見、汗をかいていないように見えても1日にペットボトル1本ぐらいの汗をかいています。
注射した後に貼る止血パットのようなものを転用しまして汗を採取します。
これを3分間貼るだけで十分量の汗を採取できます。
人間の体の中にはタンパク質と水と脂があります。
その中でタンパク質はアミノ酸、そしてミネラル、ビタミンなど色んなものが含まれていますが、どのぐらいの量があるかをその場で15分で計測することができます。
継続することで体のことが色々とわかります。
生まれた時から老化が始まります。
人生100年時代になりまして、病名がついていなくても様々な問題があります。
これを我々は"体の制約"と呼んでいます。
やりたいことがたくさんあるのに体の制約があるとできない。
そうならないように体のことを知って本質的に改善をしていこうというのが我々の『ニュートリフル』というサービスです。
これをフィットネスジムやエステサロンなどにツールとして提供させていただいて、
お客様へ適切なサービスをお届けしていただきます。
体に栄養が満ちた状態を診断するということで『ニュートリフル』というネーミングにしました」。

スタジオには『ミニラボ』というマシンをお持ちいただきました。
児山さんに伺います。
「現在もサロンなどからラボにお送りいただいて5営業日で計測しています。
この『ミニラボ』でしたらパッチで採取した汗からお待たせせずに結果をお見せすることができます。
パッチを装置にセットしましてタブレットから操作しますと自動的に計測結果スコアが出て参ります。
研究所には分析をする専門家がいますが、
この『ミニラボ』には前処理をする機能が全て入っていて専門職の人が必要ないです。
カセットを入れ替えることでアミノ酸が計れたり、ホルモン値を計れたりできます。
それぞれに専用の機械を作るのは非常に大変でお金もかかるため、
共通的なマシンで様々なことが出来るようにしようというのがこのカセットのコンセプトです」。
汗だけでなく、髪の毛の分析や、綿棒で口の中を採取した唾液なども測れるようになっているスグレモノだそうです。

■万博で発信! お手軽ヘルスケア

児山さんに伺います。
「このミニラボは今までアミノ酸しか測れていなかった部分を拡張し、
ホルモンや炎症物質も測定できるようになりました。
これは2025年の大きなテーマでもあります。
今までアミノ酸だけだと栄養管理や美容といったライトヘルスケア領域でしたが、
ホルモンや炎症物質が見えるようになると、
ライトヘルスケアからヘルスケア領域、病気の予知といった方向が見えてきます。
この世界観も含めて、今後どのように成長していくのかを万博で紹介できればと思います。
ジオラマのような世界観の中にこの装置を展示し説明員が使い方などを紹介する予定です」。

「本当に人生100年時代と言われる今、100人いれば100通りの体の悩みがあると思います。
人間は39兆個の細胞からできていて、細胞では栄養が使われ、ホルモンが働き、不具合が起こると炎症が起こります。
それを全て見えるようにし、世界のヘルスケア課題を解決していこうというコンセプトを世界に向けて発信しようとしています」と辻本さんも胸を張ります。
まさに未来のヘルスケアです。

■80億人が健康に ヘルスケアの未来

クエスチョンの答えの前にお二人がどのようして出会われたのか辻本さんに伺います。
「出会いは3〜4年前です。
私が京都でベンチャーキャピタル、投資をする側の仕事をしていた時期があります。
その時に大きなプロジェクトがありました。
関西は東京と比べるとスタートアップが少ないですが、
一方で製造業メーカーさんなど大企業が多い。
私もかつて半導体メーカーに勤めていたり、小山も製造装置メーカーに勤めていましたが、優秀なエンジニアも関西にはたくさんいます。
そこで大企業の人材がスタートアップを起こすのを支援するプロジェクトをやっていました。
そこに小山がいました。
彼は参加者ではなく内閣府に出向という形で支援者側にいました。
私はプロジェクトのリーダーで小山は視察者でしたが、
やっている本人たちが一番熱くなってしまいました(笑)。
私も元々はマイクロデバイス、今回マシンに使っている技術を使って人のヘルスケアに役立つ製品開発がしたいと大学時代思っていました。
小山も昔、同じような技術をやっていたと。
そういったことを共感しあい、2人で熱くなってしまい、
参加者そっちのけで自分たちがスタートアップを起こしてしまいました(笑)。
そして、それぞれ会社を辞め、自分たちの会社を立ち上げてしまいました」。

シンガポールなど海外からも注目されているそうですね。
「"肌は健康の鏡"という言葉があります。
近頃はルッキズムなど批判されることもあるかもしれませんが、
人間は社会的な動物で、かっこよくなりたい、美しくなりたい、若々しくありたいと思うんですね。
見た目をメンテナンスすると、体の中も健康になっていくと言われています。
シンガポールは『ナショナルスキンセンター』というアジアで唯一の国の肌の研究機関を持っています。
その研究機関からラブコールをいただきまして、
世界に向けて皮膚炎で悩む方々に向けて新しい検査方法を作っていこうと、
この夏ぐらいから共同開発がスタートします」。

最後に万博への意気込みを聞かせてください。
まずは児山さんから。
「万博にプレイヤーとして参加できることがすごくワクワクしています。
関西でやるので、みんなで盛り上がりたいですね。
ぜひ足をお運びいただいて、僕らのブースにもお越しいただけたらワクワクするような世界観を伝えられると思います」。

そして辻本さん。
「私はテクノロジーこそが社会を変えていって、社会課題と言われるものを変える唯一の手段だと思っています。
万博というのは未来の社会課題を変えていく。
新しい技術でもって社会を変えていくことの発信の場、そして仲間集めの場だと思っています。
僕らの技術に興味を持っていただいて、一緒に未来の世界を作っていきたいという仲間を集めたいと思っています」。

6月3日〜6月9日、大阪ヘルスケアパビリオンのリボーンチャレンジ内での出展となります。

竹原編集長のひとこと

汗から体の中を計測できる画期的なシステムです。
しかも、パッチを貼るだけという手軽さ! 
未来の健康づくりとしてやってみたいですね。