2025年

3月 9日

『開けゴマ!』 が実現した世界へ ~音をカタチに~

今週のゲストは、株式会社WEST inx
経営企画室 室長 西和輝さん 営業部 課長 江頭大器さん 営業部 坂口くるみさんです。

■私たちの近くにある! WEST inxの製品

西さんに伺いましょう。
「1933年に創業しまして、今年で92年です。
92年前は戦時中で戦艦大和の艦内の金物類を作っていたという話もありました。
会社が大きくなったきっかけは引き戸。
スライドさせて開くドアの鍵を作ったことがきっかけでした。
それに加えて押して開くドアノブを開発したことでした。
今ではマンションなどでは主流になるほどです。
家につく金物全般を扱っています。
元々は『西製作所』と云う社名でした。
今後、私が継ぐと4代目となります」。

今の社名になるきっかけはあったのでしょうか?
「3代目になる時に会社のブランディングをしました。
当時、アルミを使った製品開発があまりなかったのですが、その開発に乗り出しまして、できた製品が海外で有名な『IFデザイン賞』の金賞をいただきました。
それがきっかけで海外進出をし始めました。
海外でもわかりやすい社名をということで現社名になりました」。

■日本の「鍵」の技術を世界へ発信!

万博出展の経緯を西さんから。
「万博に出展する際に選考会がありました。
惜しくも1次選考ではもれてしまいまして。
そこから坂口が"絶対におもろいって言わせる!"と不屈の精神で再度応募して勝ち取ったプロジェクトです」。

企画を坂口さんに伺いましょう。
「"大阪弁を言うと扉が開く"という体験を考えました。
これまでの物理キーは鍵を差し込んで開けます。
その鍵をじーっと見ながら考えたのですが、鍵ってギザギザがありますよね。
そのギザギザが音の波形に似ていることにふと気づきました。
"これだ!"と思いまして、言葉で扉が開くということを思いつきました。
そのアイデアを西室長と江頭課長にすぐ伝えました」。

この斬新なアイデア、西さんはどう感じられたのでしょう?
「僕は一言、"おもろいやん"っていう返事でしたね。
凝り固まった考えが多い中で若いおもろい企画を持ってきてくれました。
そこに社内に通したりする作業など江頭のベテランの力が加わって決まりました。
この2人のおかげだなと思っています」。

他の地域の方にとって大阪弁はどう映るでしょう。
「せっかく大阪で開催する万博なので海外の方も地方の方もたくさん大阪を味わっていただきたくて大阪弁にしました。
キーワードが色々ありまして、難易度も『やさしい』『ふつう』『むずかしい』の3種類の大阪弁があります。
そこから選択いただいて、一度聞いていただいてから真似するっていう形です。

社員の皆さんの反応はいかがですか?
「メインで考えたのはこのメンバーですが、今は他の人の意見もたくさん出ています。
そうすることでこの企画が会社のみんなのプロジェクトになると思います」と坂口さん。

■扉の先の未来 これからの「鍵」

鍵のこれからを西さんに伺います。
「鍵自体の仕組みは全然変わらないと思うんですけれど、どうやってそれを開けるかっていう認証技術が発展していくと思います。
万博に出展する今回は声で開く形ですが、今も車や家でもスマホで開いたりするじゃないですか?
今後、色んな形式でどうやって認証するかは間違いなく増えていくと思います。
鍵の機構自体はなくならないとは思いますが、どうやって便利に開けるかという方向に行くと思います。
そこで私たちがもっとおもろい事できへんかなぁと日本を盛り上げていきたいなと思っています。
まさに新たな扉を開くきっかけ、"鍵"になることができたらいいですね」。

今回の万博で出展される製品は後には商品化も?
「是非考えていきたいなと思っています。
大阪弁で鍵が開くかはまだ分からないですけれど、認証の技術としては有効な方法であると思います。
肝心のセキュリティ面のこともありますが、まずは商品化していく方向が大事なんじゃないかなと思っています」。

最後に大阪・関西万博に向けて、意気込みをお願いします。
まずは西さんから。
「『日本一明るい経済電波新聞』にも出演させてもらいましたし、これから万博に出るからには日本一楽しみたいなと思っています!」

続いて江頭さん。
「5月27日から1週間あるんですけども、その時だけではなく、前後のレガシーも含めて、やって良かったなと思えるようなものにしていきたいなと思っています。
万博の期間が終わってからは淀屋橋のショールームで、体験していいただける企画があります。
万博に来ることができなかった方は是非、淀屋橋のショールームにお越しいただきたいと思います」。

そして坂口さん。
「日本一楽しい体験ができるブースだと自負しております。
是非皆さんにお越しいただけたらと思います。
地元の寝屋川、大阪、日本を盛り上げていけたらなと思っています」。

5月27日〜6月2日、大阪ヘルスケアパビリオンのリボーンチャレンジ内での出展となります。

竹原編集長のひとこと

大阪の鍵・ドアノブの老舗が大阪弁をフィーチャーして未来の鍵を作る。
地元色、技術、アイデアが詰め込まれた素晴らしい展示になりそうですね。