2024年

11月24日

食物繊維(セルロース)は、世界を変える

今週のゲストは、株式会社デリコジャパンの代表取締役 前田正雄さん、営業企画部の佐々木杏さん。

■株式会社デリコジャパンの仕事とは

お仕事の内容を佐々木さんに伺います。

「私たちデリコジャパンは食品に関する原料から半製品・製品までを企画・開発・販売している会社です。
例えば原料ですと『ハイフェクト 10H』という商品。
食物繊維とオリゴ糖を100度以上の高い温度で混ぜ合わせて生まれる原料です。
冷凍が難しいと云われているキッシュや卵焼き、スポンジケーキなどの卵を使った製品を冷凍してもパサパサにならず、しっとりして美味しいものができます。 『もちフィリング』っていう半製品がありまして。
一般的な餅は加熱すると膨らみますが、私たちが作った『もちフィリング』は熱をかけても膨らみません。
そして冷めても固くならないんですよ。
焼いた後、4日ぐらい経ってもモチモチ感が変わらず食べることができます。
半製品なので、その餅だけをご提供してお客さんの方でパンの中に入れて製品になったりしています」。

スタジオに商品をお持ちいただきました。

「『ハイエフェクト10H』を使った和のテリーヌ『ふくや小町ケーキ』です。
冷凍商品でして、冷蔵庫で解凍してから召し上がっていただきます。
すごくしっとりしていて口の中にほうじ茶の香りが広がります」。

社名の由来を前田社長に伺います。

「『デリコ』というのは、"デリシャス・コミュニケーション"の複合語。
美味しい会話をしようという意味です。
35、6年前に食品コンサルタント会社『デリコ』として立ち上げたのが始まりです。
そこから時間が経ちまして、少し前に自分で作ったものを世界で販売してみたいという気持ちが湧いてきました。
そこから『デリコジャパン』という会社を立ち上げました。

■万博でどんな展示をするの?

前田社長に伺いましょう。
「我々は食品の専門なので、それにちなんだものをお見せします。
それは食べ物だけで作った『シャボン玉』。
洗剤にできるものは"泡"ですが我々は食物繊維で作りますので"膜"ですね。
食物繊維の膜でシャボン玉を作ります。
これを万博会場で皆さんにも体感してもらおうと思っているのですが、万博のルールで来場者の方に触れてもらうことができないんです。
シャボン玉が吹き上がっているところを見ていただこうと思っています。
本当はそれを触っていただいて、プチッと音も出していただきたいですけどね。
1分間にすごい数の食物繊維でできたシャボン玉が生まれます」。

さらに食物繊維の可能性が...。

「延焼抑制剤です。
世界で山火事などの災害があります。
延焼を止めるために化学物質を撒いてしまうと、その後に生えている植物などを動物が食べると化学物質の影響で死んでしまいます。
そうすると生態系が変わる。
この、山火事の広がりを止めるために我々は食べ物でやってみようと考えました。
食べ物なので動物が食べても水質汚染も大丈夫。
原料は先ほどのシャボン玉と同じセルロースです。
セルロースは水をよく吸収します。
木に付着させると燃えにくくなります。
万博では実験映像をご覧いただきますが強化させたセルロースをかけた方は全く燃えませんでした。
これまで前例がないので万博を機会に"やってみたい!"という方がおられたらぜひお願いしたいですね」。

さらにアレルギー対策としても期待ができるのだとか。
「アレルギーをお持ちのお子様がたくさんおられます。
大人も子どもも食べていただけるように食物繊維を使って、卵とか牛乳が不使用のケーキやグルテンフリーのパン、ケーキのデコレーションに使うクリームも豆乳クリームで作ったり。 元々動物性のものを使って作るものが植物性に移行して、
アレルゲンフリーのものをどんどん作っていきたいなとは思っています」と佐々木さん。

■命を支える食 食の未来はどうなっていく?

前田社長に伺います。

「食物繊維は 第6の栄養素と言われるぐらいに大事になってくると思っています。
食事のバランスを取るためには食物繊維をどんどん取り入れていただきたいです。
食物繊維を摂らなかったら便秘になりやすい。
便秘は色んな病気の元になりますので気をつけていただきたいですね。
具体的な食品で云いますと『プラントベースハンバーグ』は植物性のもので作ったハンバーグです。
ダイズミートなどを結着するためにセルロースを使います。
この先の未来の食でいうと『すり身』ですね。
蒲鉾などの魚のすり身。
食感は団子と同じでしょ?
味さえつければ、魚肉がお米に変わるということです。
味は色々と付けることはできますので、魚肉を使わずにお米で作ったらどうなるのかなと思っています。
来年ぐらいには発表したいと思っています。
このプロジェクトを進めるときに蒲鉾をお作りになっているところとタイアップしたいので、ぜひ手を挙げてほしいですね」。

最後に大阪・関西万博への意気込みを。
まずは佐々木さんから。

「やる気はいつもあります(笑)。
万博会場で色んな方にお会いできるのをすごい楽しみにしてます。
ぜひ食物繊維のシャボン玉や延焼抑制剤もご覧いただきたいと思います」。

そして前田社長。

「世界進出、世界へ行きたいと思っています。
我々がデリコジャパンを作ったきっかけは"世界へ行きたい"。
この為です。
この大阪・関西万博こそ、その第一歩だと思っています」。

株式会社デリコジャパンさんは2025年5月20日〜26日までね、大阪・関西万博で出展されます。

竹原編集長のひとこと

食物繊維の持つ可能性をたくさん聞かせていただきました。
万博をきっかけに大きな花を咲かせそうですね!