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11月10日
早よ見いや! ほら、大阪の街に「真のワイヤレス」がやって来る!
今週のゲストは、株式会社 Space Power Technologiesの代表取締役 古川実さんです。
■Space Power Technologiesのテクノロジーってどんなの?
「技術的なところでいけばワイヤレスでエネルギーを送る技術です。
皆さんもWi-Fiを使われると思いますが、ああいう風に情報もワイヤレスで数十mとか飛びますよね。
電気はご存じの通りACコードなどでないと届きませんが、そこをワイヤレスでエネルギーを送るのが我々の技術です。
最近ですとワイヤレス給電がありますが、それは無線といっても接触をしています。
我々は離れていても同じことができます。
電気を送る側、もらう側がぴったりとくっついている必要がありません。
私たちのイメージで言うと身近な電化製品や携帯電話などはいずれワイヤレスで充電できるようになると思います」。
未来を感じる技術ですね。
「国の制度の関係でまずは無人エリアの屋内からという流れになっています。
有人エリアで利用できるっていうのはおよそ2年後を目指して業界団体として動いています。
まずは我々の事業の立ち上がりのところとしては工場や倉庫といった無人の状態があるような場所で動いています。
ワイヤレス給電で動く振動センサーを回転してるところに置いて、常にデータを取ってきて何か異常な振動などが起きたら検知してメンテナンスに入る。
およそ5 GHz帯、皆さんが使っておられるWi-Fiより少し周波数が高い波を送電アンテナから出します。
そこから受信アンテナで受けてその5 GHzをいわゆる直流に変換。
その電波が電気になるというところですね。
皆さんの身近なところですとノートパソコンとかのACアダプター。
あれは50Hzや60 Hzを直流へ変換して機器で使うようにしています。
それを5GHzというですね、10の9乗、もっともっと高い周波数ですと電波を飛ばしやすくなります」。
スタジオにはそのシステムのサンプルが。
「30cm四方の中に小さいアンテナが64個入っております。
本来の物は増幅器などが付属します。
普通に電波を出しますとちょっと広がってしまうので我々はこの10センチぐらいの受信アンテナめがけて発信します。
送電アンテナから画像解析で受信アンテナの位置とか距離を測りまして、各アンテナからその受信アンテナのところに全部同じ長さ、同じ経路で行くように制御をかけて効率的に受信します。
太陽光も虫眼鏡などで一箇所に集めると熱が高まりますよね。
そのイメージです」。
■大阪・関西万博で給電できる?
「皆さんになんとか体験していただけるように準備しているところでして。
詳細はお話できないところではあるんですけれども、
まずエネルギーが 2mぐらいの距離を飛んできて電子機器を動かせることを体験していただきたいです。
電波法や安全性の関係でガラス張りのショーケースの中で実施することにはなると思います。
これを分かりやすく、どう伝えるかっていうところが難しいです。
どうしても中に電池が入っているんじゃないですか、とか思われる可能性もあります。
完全にスケルトンの人形などを動かすなどどのように可視化していくかが1つのポイントだと思っています」。
将来的には普通に人がいる場所でワイヤレス給電が可能になるのでしょうか。
「この2年の進捗というところで行きますと、今の法律では無人エリアでしかできないということになっています。
送電している電波が30cmのアンテナ使っても電波が広がってしまうからです。
例えばこのスタジオでも携帯電話の充電が出来ますが、竹原さんも松川さんも私もいっぱい電波を浴びてしまうっていう状況になるんです。
しかし周波数を高くすると、逆に出した電波の9割を目掛けたところに当てることができる。
テクノロジーのポイントは電波の広がりを抑えることです。
そうすると漏洩が少なくなるので人体も安全ですし、電波干渉も少なくなって効率も高まる。
この2年間、制度化の改正の提案も含めて 技術開発を行ってきたところです」。
■Space Power Technologiesの研究でこれからのエネルギー問題に変化が生まれる!?
「ワイヤレスの良さはレイアウトフリー、移動性にあるという風に思っています。
ワイヤレスを使えば例えば今までIoT機器とか電子機器を配置・設置するのに電源工事が必要でした。
それが送信機と受信機さえ設置すればいい。
さらに送信機の方を今度は動かしながら使う。
そういうことができれば本当に好きなところに電子機器を置いて、電気は好きな時に与えていけばいい。
将来的に周波数を高くしてアンテナの小型化が実現できればハンディ型の送電気を作ることができます。
例えば紙やプラスチックで掲示物がありますよね。
液晶テレビは動画とかに適していると思いますが、同じ内容を長時間掲示するのであればKindleなどで使われているような電子ペーパーが適しています。
中身を書き換えることができる紙がありまして、それは書き換えるタイミングだけ消費電力が発生します。
掲示しておけば、内容はいちいち張り替えなくても、ワイヤレスのデータ通信で書き換えができます。
電力はこれまで延長コードなどを使ったりしていましたが、人が電源を持ち歩いたり、ロボットが電源を持ち歩いて必要なところの機器に充電したり。そんな世の中変わっていけばいいなと思っています」。
エネルギーの伝え方、使い方が変わりますね。
「ワイヤレスのデリバリーのところの先には、"宇宙太陽発電衛星"があります。
宇宙空間で太陽光発電すれば地上のおよそ10倍の電力が発電できるんです。
我々としては、エネルギーの効率的な使い方や利用できる範囲を広げていくというところからまずは事業を進めていきますけれども、最終的には"エネルギー作る"ことに関わっていきたいと思っています」。
万博に向けての意気込みを聞かせてください。
「長距離のワイヤレス給電を展示・体験はおそらく世界初になると思います。
ぜひ来場していただいてワイヤレスのエネルギーとその使い方を体験していただたきたいですね。
特に子どもたちに将来こういう使い方ができたらもっと便利になるという想像を膨らませてもらえるような場にしたいです」。
株式会社 Space Power Technologies は2025年5月20日〜26日まで出展されます。
空間をエネルギーが飛んで給電する!
まさに夢みた未来の技術を目の前で見ることができる、これこそ万博の醍醐味ですね!