2024年

8月11日

鷲のようにしっかりと掴み、確実に運ぶ

今週のゲストは、イーグルクランプ株式会社代表取締役社 津山信治さん。
まずは事業内容から伺っていきます。
「社名は元々、製品の名前だったんです。
社名よりも先に製品の名前を覚えてくださって、製品と同じになりました。
この"クランプ"はものを挟んで繋ぐものですが、私たちの作っているものは"つりクランプ"。
繋いで、さらに釣り上げるものです。
普通のクランプとは違う特殊なもので例えば工事現場や造船所、鉄鋼所でお使いいただいています。
大きなクレーンがあって、その下に鉄の塊や鉄板があるとしますよね。
それを吊り上げて、移動させていますが、そのクレーンとものを繋いでいるこの点。
ここが私どものクランプなんです」。

すごく力が掛かっているポイントですよね。
「そうですね、一般的には1tとか2t。
時には10tとか20t、 50tのものを吊る場合もあります。
重いものを運ぼうと思えば思うほどクランプもある程度大きくなりますが、例えば1トンのものを吊るクランプ自体の重量は1kgから2kgぐらいしかないんです。
安全性、そして強さにはこだわっています。
例えば1tのものを釣るためにはその5倍のものを吊る性能を持ってないと使っちゃいけないっていう決まりがありまして。
クランプ自体も基本的に人間が手で持てないものだと、それを持ってくるためにまた別の機械が必要になりますので手で持てるくらいの大きさです。
製鉄所など素材を扱うところ、クレーンのあるところで使っていただいています」。

社名にはイーグルも。
「鷲ですね。
初代社長がこのクランプを日本で初めて作りました。
これを売ろうとした時に名前をつけたいということで色々考えました。
そこで鷲は獲物を掴んで運んでいきますよね。
しかも1度掴んだら離さない。
そういったイメージでイーグルクランプにしようとなりました。
元々は1962年に奈良で立ち上げたということで『大和工機株式会社』。
それが、商品の評判もありまして横文字のイーグルクランプに。
横文字の名前にした会社としては早い方だと思います。
自分の身内ですけども洒落者で服もこだわって自分で選んでというような人でした」。

イーグルクランプが最も使われている場所はどこでしょうか?
「1番多いのは造船所ですね。
その次が鉄の塊を作るような鉄工所。
いわゆる鉄骨の柱を作る工場ですね。
あとは現場やタンクなどを作る製缶、土木工事、道路の工事などの現場でもお使いいただいています」。

安全性についてはどうお考えですか?
「私どもの会社の理念、経営方針が、まず作業をされる方の安全を守るということ。
安全が1番のキーワードになっております。
それを実践するためにクランプを作る時にも安全性の高いものを作りますが、これを納品して終わりではありません。
お客様の元に定期的に訪問させていただいてクランプの点検をします。
もしその場で不具合があれば、修理。
いわゆるアフターサービスを平均すると1年に1回行っております。
もちろん造船所や大きな鉄工所だとその頻度が高くなります。
修理は有料ですが点検は無料でさせていただいています。
私たちの営業担当全員がテクニカルエンジニアの資格を持っていまして、全国に配置されています」。

素晴らしいシステムですね。
「うちの営業担当は入社したらまずそのシステムエンジニアの研修を受けてもらいます。
1人前になったら1人でお客様のところへエンジニアとして伺う。
物を売りに行くというよりも検査をしに行くという感じですね。
そこから安全面を高めるための商品のご案内をさせていただくこともあります。
点検をするとクランプは正しい状態になりますが、やはり事故の原因になるのが使い方の間違いです。
例えば1t用のクランプで5tを吊ってしまうとか。
作業内容とクランプが合っていないとか。
点検の際にそういったことが見受けられますと会社の安全担当の方にお話をして社員の方を集めていただいて講習を無料で行っています。
私たちはクランプしか作っていませんので、とにかくクランプを安全に使っていただきたいと思っています」。

会社の歴史は次週に続く...。

竹原編集長のひとこと

クランプ一本!
特化するが故にその行き渡ったサービスはさすがですね。
お客様への安全講習会も無料で開かれるとは驚きです。