2024年

6月16日

外国へ家庭訪問 安心感が良い製品を生み出す

今週のゲストは株式会社大阪包装社の代表取締役 橋本昌和さん。
社名にある"包装"。
どんな事業をされているのでしょう。
「おにぎりやサンドイッチに使われている包装袋の製造販売をしています。
100円均一ショップに数枚セットで売っていただいているものもあります。
いかに手を汚さずに食べることができるか、手軽に食べてもらえるか。
衛生的に食事ができるよう開発しています」。

ここまで性能が良くなったのは理由が。
「コンビニさんの店舗増加に伴って、我々も成長させてもらいましたね。
我々の会社は元々個人創業で昭和41年に『橋本加工紙』という会社を私の父がサラリーマンを辞めて創業しました。
透明のフィルム、樹脂で作られる包装が始まった頃だったそうです。
色んなパン屋さんと元々お付き合いがあったようで、あんぱん屋さんの"サンドイッチを入れる変形の袋を作れば受けがいいんじゃないか"というご提案からスタートしたそうです。
斜めにカットして三角形状にすることによって、具材がすごくよく見えるし、インパクトありますよね。
こういう形だからこそ、我々のお仕事があると思いますね」。

スタジオにあるサンプルも様々です。
「こういうものを包みたい、こういうサイズのものを包みたいというニーズに提案させていただいて、ご採用いただくという形になっています。
様々な形がありますが、基本形状や機能面は同じです。
商品によってサイズ感が違うとか幅が違うとか、開封の部分はどうしたいとか、例えば全面開けたいとか。
商品を輸送するとディスプレイ面に卵やマヨネーズがつくことがあるんです。
それを回避するために袋の中に1枚、透明の別のフィルムを入れて見栄えを良くする。
そんな工夫もあります」。

外国人の方も多く働いておられるのだとか。
「本当に、私たちの想像以上にすごく勤勉で、真面目に働いていただいています。
僕も最初の時は言葉や習慣の面など、フォローをどうしていけばいいのか迷いもありました。
しかし、お互いが努力をした結果、想像以上の働きをしていただきましたね。
この日本の技術で帰国後、力を発揮していただける目的でやっていますので、やりがいがあります。
継続して迎えていまして、現在6期生まで。
皆さんがすごく優秀で、逆に僕たち日本人が見習わないといけないと思いますね。
社内行事の忘年会や春になったら会社にある大きな桜の木の下でお花見をしたり。
慰安旅行とかも積極的に行っていて。
技能実習生の方やエンジニアの方と日本の社員の方も参加していただいて交流してもらっています」。

会社を挙げてのバックアップですね。
「技能実習生は外国からお越しですので、生活面での不安が多いと思います。
例えば病院に行きたいとなっても言葉の壁がありますし。
私や、まとめてくれている女性社員さんがいますので、その方が一緒に同行します。
あとはSNSなどで個人的な悩み事を聞けるような体制もとっています」。

手厚いフォローで思いもひとしお。
卒業される時は寂しいのでは?
「寂しいですね、本当に。
特に1期生の3人は僕たちもすごく苦労した分、思い入れがあります。
去年の5月、帰国のタイミングでした。
会社のみんなで関西国際空港まで見送りに行きました。
僕は泣かないつもりだったんですけど、やっぱ泣いちゃいますよね(笑)。
3人うちの1人はまだ日本に残って別の職種で頑張っておられるんですけれども、2人の方は帰国後、すぐ結婚したそうです。
1人の方は6月にお子様が生まれますし、もう1人の方も9月に。
次にベトナムに行く時は、ちょっとまた会いに行こうかなって思っています」。

採用はどのようにされているのでしょうか。
「ウェブ面接もありますが、やっぱり会わないとわからない部分ってたくさんあります。
例えばベトナムの方を採用させてもらった次の日に可能である限り、家庭訪問行くようにしているんですよ。
僕も親としての立場もあります。
自分の子どもが外国に行って知らないとこで働くっていうのはすごく不安だと思うんです。
だから、少しでも安心して働いていただきたいという思いから、家庭訪問させていただいて、親御さんに会社の説明をします。
こういう会社で、こういうとこに住んでいただいて、こんな風に働いていただきます、と。
最後、絶対に言うようにしているのは、"僕は日本にいる間はお父さんですよ"。
やっぱりこの子たちが外国、特に日本に来て不安なことがあると思うんでね。
家庭訪問で親御さんに会うと最初はすごく怖い顔なんです。
うちの娘を連れていくのか、みたいな顔で。
そこから通訳さんを介して説明すると最後には笑顔になって、握手してもらって、頼みますねと言っていただけます。
安心して来ていただけるかっていうのは、僕らの課題だと思っています。
僕たちができることは、最大限したいですね」。

会社の歴史は次週に続く...。

竹原編集長のひとこと

外国人の方を採用する際、海外まで出向いて家庭訪問までされる。
ここまでの丁寧さはなかなかありません。
その情熱、生まれる安心感がいいお仕事を生んでいるのだと思います。