MENU
5月12日
先週に引き続き、ゲストは株式会社京都ホテル 代表取締役社長 福永法弘さん。
今週は歴史を伺っていきましょう。
「明治21年の創業で当時は外国人の往来も相当増えてきた頃です。
宿泊施設として旅館が多かったのですが、外国人が快適に過ごせるようなホテルを作ろうという機運がありまして、東京、神戸、横浜など各地にホテルができたんです。
ちょうど、その頃できたホテルがいくつもあったのですが、今もあるのが私どもと帝国ホテルと日光金谷ホテル、この3つ。
名門、老舗だ、と社員にいつも言って自信を持っています」。
日本のホテルのレジェンド。
かなりの歴史です。
「ホテルができてすぐにロシアのニコライ皇太子という大変なお客様をお迎えいたしました。
日本政府を挙げておもてなしをしようということで、京都に来られた時に私どものホテルにお泊りいただきました。
この時、事件が起きまして...。
ニコライ皇太子が大津の方へ出かけた時に切りつけられまして、大怪我をなさったんです。
大津からすぐに京都ホテルに戻って来られて療養するという状況になりました。
その時に、明治天皇や官軍がみんなホテルにお見舞いに来られました。
私どものホテルが始まって最初の賓客の大きな事件でした」。
創業のきっかけは?
「創業者は前田又吉という神戸で旅館をやっていた人です。
創業者が伊藤博文ら長州の人たちの支援を受けてホテルを始めるんです。
その時に出資者の1人に渋沢栄一がいました。
今年、7月3日に新しい壱万円札が、渋沢栄一に。
私どものホテルも関係がありますので全社員に大入袋で壱万円札を配ろうと思います。
私もいただきます(笑)」。
歴史的な人物が関わっておられるホテル。
「私は山口県の出身なんです。
今のオークラの立ってる敷地が実は昔の長州藩邸跡だったんです。
そういった縁からあの辺りに長州藩邸跡をプレイアップすることにしました。
元々、桂ライオンズクラブというところから、桂小五郎像は寄贈していただいていたんですが新たに創業者・前田又吉と伊藤博文の銅像を建立しました。
さらに、久坂玄瑞という維新の志士がいますが、長州藩邸に住んで、画策をした手紙があります。
その手紙の中に、稲荷神社が登場するんです。
そこにレリーフを作りました。
歴史でいうと、私の前任の社長は徳川家の幕臣の末裔なんです。
その前の社長は島津家の直系。
いろんな歴史を受け継ぐという意味でずっと裏手にあった長州藩邸跡の石碑が表通りに面したところに立てています。
ホテルとしては135年ですけども我々の歴史は長州藩邸からずっと続くんだというような形にしています」。
歴史好きにはたまらないですね。
「山口県人会や薩摩鹿児島県人会とかもやっていただいています。
土佐の方では龍馬の会もよくやっていただいてますね。
明治維新をプレイアップしたおかげで色んな会合が増えています」。
コロナも収まり、関西という括りでいうと来年は万博があります。
「来年度から3カ年計画を作りたいなと思っています。
万博をきっかけにジャンプアップ。
昨年度、我々はリスタート元年という位置付けをして、皆さんに頑張ってもらったんです。
今年度は地固めの年。
ロシアのウクライナ侵攻で色んな物価が高騰しました。
病院や介護施設なども宴会需要に戻ってきてない業種もあります。
国際会議もその戦争等の影響でまだまだ少ない。
そういうことで今年はまだ様子を見て、その後しっかりと足固めをして。
特に 一旦コロナで減った人員は補充して再教育をしてホテルとしてのサービスの水準が維持できるように育てた上で、来年から3カ年、グッと盛り上げていきたいです」。
ホテル業界内の競争も。
「同じトラックをぐるぐる回っているマラソン選手のようなものです。
ホテルが改装すればトップランナーになるんです。
でも他所が新しいホテルを作ると、どんどん抜かれていくわけです。
来年、万博の後はホテルの改装をしてもう1回トップランナーになろうかと思っています」。
未来へのビジョンを聞かせてください。
「大きくなるというイメージを持っていないんです。
京都の老舗企業として"京都の地に行けば京都ホテルがある"。
ホテルオークラ京都があり、からすま京都ホテルがある。
しっかり根を張って京都の老舗企業の一角に食い込んで、京都の歴史の中にですね、しっかり位置付けたいと思っています」。
新しいホテルの歴史が生まれる。
<プレゼント>
『ホテルオークラ京都』及び『からすま京都ホテル』直営レストランでご利用いただける 5,000円分のお食事券を1人の方にプレゼント!
■応募方法■
番組公式Xのフォローとプレゼント告知投稿のリツイートをいただいた方の中から抽選で当選者を決めさせて頂きます。
ご当選されました方には、番組スタッフからXにてダイレクトメールをお送り致します。
番組Xのアカウントはホームページに掲載していますのでご確認ください。
歴史ある京都の中でホテルという業態でありながら、しっかりと歴史を紡いでいらっしゃいます。
改装が楽しみですね!