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12月31日
先週に引き続きゲストは株式会社浪速工作所の代表取締役社長 谷本和孝さん、そして事業責任者の辻華奈さん。
今週は改めて谷本社長に会社の歴史を伺っていきましょう。
「創業者は曽祖父で1946年創業です。
最初は"挽物屋(ひきもんや)"という呼ばれ方をするのですが、旋盤という機械を使って鉄を削って納品する仕事でした。
そこから金型に広がりました。
金型事業は三代目社長である、私の父からスタート。
当時、挽物屋をしている時にお客様から"こんな金型を作ってくれないか"という依頼があったそうです。
当時で20万円の売り上げがある仕事だったそうですが、父はそこに800万円の機械を導入して仕事をしたそうです。
普通だったらやらないじゃないですか。
二代目社長の反対を押し切って高額な機械を買ったそうなんです。
損得で考えるとやらないですが、困っている人や依頼があるなら導入すればいいじゃないか。
買うこと、導入することで次に繋がるじゃないかと始めたそうです。
このことがきっかけで金型事業が始まりました。
さらに父は海外向けの輸出入やコンサルタントをしたり。
父が新しいビジネスを展開しました」。
いつ継がれたのでしょうか。
「任せてもらえたのは6、7年前ですね。
父と私のやり方が違うので父は横で私を見ていると腹が立つそうです(笑)。
実際に会社を譲り受けた時は赤字続きでしたね。
そんな時に実は辻と結婚したんです。
先週から漫才コンビのようなトークをしていた谷本社長と辻さん、実はご夫婦。
辻さんはこういった会社の現状はご存知だったのでしょうか。
「先代からの仕事は知らなかったですね。
結婚してしばらくしてから入社しました」。
結婚当初、会社の経営や社員さんとの関係に悩んでいた谷本社長。
そこに辻さんがアドバイスをしたのだそうです。
「実は辻は稲盛和夫さんの『盛和塾』の世話人をしていた関係もありまして入塾を勧められました。
そこから会社の業績が変わってきたんです。
缶詰事業の前にも会社の業績が悪いので新事業をしたことがあったんですが、実は、全部失敗してきているんです。
本業がしっかり儲かった状態で次の事業をすると成功すると思いますが、儲かっていない状態で2店舗目を出す感じ。
今は会社の業績が良い状態なので缶詰事業が当たりましたね」。
谷本社長からご覧になって、缶詰事業を始められて社員の皆さんに変化はありましたか?
「お客様から"ありがとう""今後もよろしくお願いします"という言葉をいただくと、やりがいに繋がります。
製造業は鉄工所で製品を作って納品して、という流れの中ではあまりお客様との触れ合いはないんです。
この缶詰事業だったらお客様と社員さんが触れ合って、自分が携わった商品が売れるともっと嬉しくなると思うんです。
そういう良い循環を作っていきたいです。
社員さんから"次、どこ行ったらいい?""沖縄行きたい"なんて声があると私も嬉しいです」。
YouTubeチャンネルやホームページには社員さんも登場します。
「これも辻がアドバイスしてくれました」。
「会社のホームページに私が撮影した社員さんの写真が載っているんですが、撮る時に社員さんが恥ずかしがってしまって苦労しましたね。
モデルの気持ちよさに気づいた方は続けて撮らせてくれます(笑)」。
谷本社長はご夫婦でのお仕事をどう考えておられるのでしょう。
「仕事において強みってあると思います。
私は女性の方が視野が広いと思っているんです。
物事の本質を見抜ける力があると思います。
だから皆さんも奥さんの言うことを聞いてちゃんとやっていれば事業も大きくなりますし、会社も安定します。
だからめっちゃ言うこと聞いてますよ(笑)」。
未来へのビジョンを聞かせてください。
「2つあります。
ひとつは男として生まれたからには会社を大きくしたい。
缶詰事業を大きくしてこの分野は上場したいと思っています。
もうひとつは上場すると会社は株主さんのものになってしまいます。
浪速工作所の技術の塊は上場せず缶詰事業を独立。
技術は会社のものとして繋いでいく。
上場は8年後を目指しています」。
奥様で社員さんの辻さんの「頑張って〜」に「はーい」と応える谷本社長。
女性目線をしっかりと取り入れて仕事の相談もされて夢に向かっておられます。