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11月 5日
先週に引き続き、丸善油化株式会社の代表取締役 花岡俊次さん、先代社長で会長 池宮謙司さん。
今週は改めて会社の歴史を伺っていきましょう。
先代社長で会長の池宮さんに伺います。
「1965年、昭和40年創業で58期目です。
元々は油剤から始まった会社ですね。
メーカーとして今でも頑張っています。
1番の古株が僕で入社40年。
私が入社した時代は社員6、7人の会社だったんですが、紡績油剤から仕事の内容も変わってきて社員も増えて。
25年前ぐらいから社員が増えて現在は30人です」
池宮会長で4代目、花岡社長で5代目。
世襲制ではない会社です。
「息子が入社しても、社内で一番仕事ができるかどうか分からないですよね。
それならば一番仕事ができる人を社長に、という考え方です。
あと、この会社は社長個人の会社だと思っていないんです。
みんなの会社なんです。
だから、みんなの中から選ぶ。
仕事ができる人を上に上げる。
年齢も性別も関係なく仕事ができる人が上役に就きます。
全員ハローワークで来ているんですが、みなさん長く勤めていただいていますね。
とてもうれしいです」。
花岡社長もハローワークから。
「たまたまハローワークに行って情報を見た会社がここでした。
"祭り休みOK"という項目を見て応募しました。
やっぱり岸和田なんでね(笑)。
この文字が目に飛び込んできました。
それで今の会長に面接していただきました。
"なんでこの会社を選んだん?"と訊かれて、"祭り休みOK"なんで、と」。
続く池宮会長も...
「僕も祭りが好きなんで(笑)。
ただ繊維業界なんでお客さんのために会社を閉めるわけにはいかないんです。
祭りの日ももちろん繊維業界は動いています。
だから祭りに参加する人は祭りへ。
その代わりに出社して仕事をしてくれた人が休むときは代わってあげる。
祭りは仕事です」。
花岡さんはいざ入社していかがでしたか?
「現場から入りました。
今の会長から"現場を分かっていたら営業にも力が入る"と教えていただきました。
そのおかげで機械の解体も覚えましたし、現場にいたおかげで仕事時間の短縮もできるようになりました」。
それを間近でご覧になっていた池宮さん。
「ここまで来られたのは以前おられた専務のおかげなんです。
専務は私より年が一つ下。
経理面などしんどいことをしてくれました。
本来ならば専務が僕の代わりに社長をするべきでした。
やっぱり男女関係なく仕事ができる人がやるべきですね。
女性で入社2年目で取締役になった人もいるんですよ。
任せたら、一から十まで全部やってくれます。
実は新規事業として佃煮の事業もスタートさせましてね。
営業するのも準備から対応まで全てやってくれます。
社長は花岡、私は平社員、山田という女性が取締役なんです。
面接で言うんですよ。
"社長になる気がありますか?"と。
みんな驚きますが(笑)。
新会社の取締役の山田が社長になる可能性がありますし、中国の李という社員が社長になる可能性もあります」。
「俺を追い抜かしてくれと思っていますよ」と花岡社長も。
追い越すといえばお給料の面も。
池宮さんに伺います。
「うちの会社の中で社長の給料が一番上じゃないんですよ。
社長は代表者ではありますが、仕事ができる人、特に若くて仕事ができる人は昇給していこうという考え方です。
定年は65歳。
でも80、90歳になっても会社に来てくれていいよ、と。
その代わり初任給に戻します。
僕も初任給の20万円に下げました。
若い人に"この会社、面白い、チャンスがある"と思っていただきたいですね」。
社員さんの応募はいかがですか?
「人を増やす方向にはしていません。
あまり増やすと管理も難しいです。
社長の花岡がこれからどうするかわかりませんが、現在の30人の中で仕事を回しています。
社員のみんなには売り上げが上がらないと昇給はないとも言いますね。
そこもみんなの会社なので」。
これからのビジョンを社長の花岡さんに伺いましょう。
「現在、上海に工場があります。
モンゴルに営業所がありまして、今年はさらにベトナムでも営業所を作ろうと思っています。
もちろん国内も大切ですが、これからは海外の時代だと思います。
僕自身も中国で仕事をさせていただいて、仕事のスタンスなどが変わりました。
日本ではわからないことが海外にはあります。
会社には中国の方、モンゴルの方、ベトナムの方がいらっしゃいます。
みんな真面目です。
頑張りで日本人は負けています。
海外で新たなものを掴みたいですね」。
岸和田から世界を目指す。
日本の中小企業は変わっていかなければならない時代。
海外展開などのグローバルなお話を聞いていると"強い会社"になるビジョンがはっきりと見えますね。