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9月17日
今週のゲストは株式会社精和工業所の代表取締役 原克彦さん。
どんなお仕事をされているのか伺っていきましょう。
「溶接の技術を使っていろんな製品を作っています。
1mmよりも薄いステンレスを加工して様々な製品を作っています。
製品の中心はお湯を溜める『エコキュート』などの温水器のタンクです。
コンビニでコーヒーを買えますが、その機械の中に入っているお湯を供給するタンク、飛行機のトイレの手を洗う時にお湯が出てきますが、そのタンクも製造しています。
他にも環境試験器など筐体の製作も色んな会社さんからお話をいただいて作っています」。
広く多くの仕事をされていますね。
「今の世の中、色んな商品が出てきて機能が求められていると思います。
特殊な材料を使って開発を各メーカーが頑張っていると思うんですね。
だからこそ自分たちで出来ないことがあっても、それを私たちに相談してくださることが増えたと思います」。
何年間かコロナの影響があったのでしょうか?
「多分に受けましたね。
メーカーさんで部品が入ってこないなど、影響があり、止まっている時期がありました。
そういった余力のある時だからこそ工場の中を作っていくなどしていましたね。
空いた時間にしか出来ないことですから。
OEMというお仕事もありますが、最後、売り上げまでできる仕事を始めたり。
コロナ禍においてどうせ作るなら他にないものを作りたいという思いがありました。
そこで消毒ディスペンサーを作りました。
しかも、大型施設に設置できるものです。
5ℓの消毒液を搭載して最大5000人が一気に消毒できるディスペンサー。
1人、2〜3秒でシュッと。
イベント会場や大学の入学式、大きな病院などの入り口で簡単に早く消毒していただけます」。
他にも自社製品が。
「『業務用ホットビールサーバー』。
これは結構昔からやっています。
温かいビールを生でいただけるというものです。
海外では甘味の強い果実味のあるビールや黒ビールを適温に温めて飲むと美味しいです。
ある酒造会社さんから冬は冷たいビールが売れないから何とかできないかと相談をいただきました。
業務用でとなると温めるのに時間がかかったり、泡が消えたり、炭酸が抜けたり。
それを全部賄えるものを作って欲しいといわれて、面白そうなのでやってみました。
電気温水器のお風呂の中のお湯をパイプの中を通すことで温め直すというシステムを応用しました。
管を通ってくる間に指定した温度のビールになって出てきます。
神戸ルミナリエの会場で使っていただいたり、中之島のイルミネーションで使っていただいたり。
最近ではクラフトビールの新しい飲み方として取り組んでいます」。
他にも『だしマシン』。
「味噌汁、うどん、そば。
色んなもののだしとして使えます。
世の中にはだしを作る機械はありますが、私どもが作っているのは出来立てと遜色がないマシンです。
あるだしメーカーさんからご相談いただきました。
"自分たちの作っているだしは美味しいのに、インスタントなどになると味が落ちる"。
では、やりましょうということで取り組みました。
無添加のだしと醤油や味噌を直前で合わせることで出来立ての風味と味を出すことに成功しました。
可能だったら海外でも展開したいと思います」。
自社ラボもお作りになったとか。
「去年10月に竣工しました。
私たちのポリシーとして "最大の営業ツールは工場だ"というものがあります。
お客さんに来ていただいて見ていただく。
どういう環境で作られているか、どんな人が働いているか。
安心してお仕事がいただけます。
その進化系としまして1Fがオープンファクトリー、2Fが商品開発部。
ミーティングをするオープンスペースだとか、実験するラボなどがあります。
将来的には地域の子どもたちにも見てほしいですね」。
社内では検定試験もあるのだとか。
「溶接、板金、組み立てという3つの検定があります。
検定問題も自分たちで作って、1〜3級の資格があります。
それをクリアしないとそのレベルの仕事に就けないようになっています。
一般的な溶接の検定はありますが、それは一般的な製品に対する溶接技術。
私たちの作る製品は1mmのステンレスを溶接するなど特殊なものです。
より難しい方がやりがいにつながると思います」。
社長が新しいことを導入されているのでしょうか。
「私が社長になって5年目。
先代から新しいことを導入していっています。
検定などは先代から始まって今に合わせて進化させています」。
会社の歴史は次週に続く...。
技術の向上は製品の向上でもありますよね。
これからもユニークな製品が生まれてきそうです。