2023年

8月 6日

日本初のマーガリン製造販売 食のパイオニア

今週のゲストはリボン食品株式会社の代表取締役社長 筏 由加子さん。
まずはお仕事の内容から伺っていきましょう。
「今から116年前から曽祖父兄弟がマーガリン技術を日本で初めて持って参りました。
マーガリンをはじめとする油やパイなどを製造して原料としてお客様にお渡ししているBtoBのメーカーです。
我々の原料はお土産やデパ地下の洋菓子店、レストランなどで使っていただいていますが、私たちの名前が表に出ることはほとんどありません。
しかし、日本で生まれ育っておられる方でしたら、リボン食品の原料を使った製品を食べたことがない人はいないと自負しています。
例えば北海道の四角いクッキーだったり、浜松の有名なお菓子だったり」。

マーガリンから始まった会社。
「昨今、マーガリン離れがあったりとか、昔と違ってバターの認知度が高くなってきました。
洋菓子で生に近いものはバターを使われます。
我々はマーガリンだけでなく、バターに近い乳頭腫原料というものも作っています。
市場でバターの不足が起こったときに代わりに使っていただけるような、乳脂肪分の高いものです」。

オーガニックマーガリンという製品も。
「マーガリンは昔、バターに似せるために黄色の着色をしていました。
そういったものは一切使っていないので、オーガニックマーガリンは真っ白です。
すごく美味しいものなんですが、有機が根付いていないので原料価格が高いです。
かなり長い時間をかけて広く販売できるよう頑張っている商品です」。

バターとマーガリン。
その使用、用途の変遷はどういったものなのでしょうか?
「かつてバターは誰もが手に入れることができない貴重なものでした。
リボン食品も"バターリン"という"バターのような"という名前の商品も作っていました。
当時は冷蔵庫があまり普及していなかったので今のような口溶けのいいものはありませんでした。
しかし、祖父が冷蔵庫の登場と共に口溶けのいいマーガリンを作りました。
現状はマーガリンの中にも乳糖の高いのもがあるので、マーガリンが即ち安いものという訳ではなくなりました。
バターはバターの良さ、マーガリンはマーガリンの良さがありますね。
お菓子などでいうと、コクを出すのはバター。
しかし、賞味期限が短い。
そんな時はマーガリンを使うとよりサクサク感が出たり、賞味期限が長くなったりします。
故にお土産菓子に使われたりします」

マーガリンは一時、マイナスのイメージがありました。
「マーガリンは製造方法を見てプラスチックだと云われたり、トランス脂肪酸がすごく多く含まれるなども云われます。
私も研究をしてきましたが、トランス脂肪酸は確かにありますが、バターにも含まれているものです。
問題は過剰に摂ってしまうと体に良くない。
どんなに体に良いものでも過剰摂取は体に悪いです。
欧米人が摂取するトランス脂肪酸と日本人と比べると0.001%なんです。
それでも気になる日本人に対してマーガリン業界は製造方法を変えまして、今やバターよりも低いトランス脂肪酸のマーガリンを生み出しました」。

時代のニーズと共に変化した訳ですね。
「中小企業なので小回りが効く、スピード感がある。
会社のモットーとして"ユニークであれ"とあります。
やりたくないこともいち早くすることが社風です。」

チャレンジ精神を持つ会社。
パイ生地も作っておられるそうですね。
「日本で初めて冷凍のパイ生地を作りました。
その昔、マーガリンが多く手に入らなかった時に営業は殿様商売的だったそうです。
次第にマーガリンが手に入る状況になって、ちゃんと営業をする時に、もっと油を使ってくれるところはないかと探しました。
調べていくとどうやらパイ生地にはたくさんの油を使うそうだと...。
ではそこに売りに行こう。
しかし、営業先のシェフに怒られたそうです。
"バカにしてるのか、パイ作りがどんなに大変か知っているのか"と。
うちの会社はそこで挫けません。
それならばと、パイ生地を作りました。
聞けばパイを伸ばす作業も面倒ということが分かれば、生地を伸ばして成形したものを販売。
焼くのも手間と知れば、焼いたものも販売しました。
そうやって商品を作って買っていただけるのはありがたいのですが、日本にパイを織れる人がいなくなるのが文化として寂しいとも思いました。
もっとパイを一般の人に知ってもらいたい、パイを作る職人を増やしたい。
そんな気持ちから『日本パイ文化財団』を立ち上げました。
会社としてはお客さんを減らす行動なんですが...(笑)」。

パイのトレンドにもお詳しいそうですね。
「パイは様々なお菓子や料理で普及してきています。
ニューヨークではただのパンではなくてデニッシュを使ってマフィンのようになっているものだとか、デニッシュの中にクリームが入っていて、シュークリームなんだけど、シューでなくデニッシュというものだったり」。
スタジオにはデニッシュ生地にチョコレートの層を幾重にも重ねた『バブカ』も。
「ブラウニー専門店もやっているので、ブラウニーを塗ってさらにチョコレートを入れてという商品になっています」。

ブラウニー専門店は『Fat Witch Bakery』。
「京都と代官山の2店舗、ニューヨークに1店舗。
ブラウニーは大きな天板で焼き上げ、焼いたのちに四角にカットするのですが、切れ端が出てしまいます。
このお菓子の端っこがとても美味しいです。
SDGsの観点からも廃棄してしまうのが惜しい。
ブラウニーのエッジという端っこだけも販売しています。
ブラウニーは冷蔵品なんですが、常温品が欲しいということでクッキーもあります。
アメリカっぽい...というか私の好きなタイプのクッキーを作りました(笑)」。

会社の歴史は次週に続く...。

<プレゼント>
筏さんからリスナーのみなさまへプレゼントを頂いております。
「 チャンククッキー 3種類 」をセットにして5人の方にプレゼント!
≪ 宛先 ≫
メール:akarui@mbs1179.com
FAX: 06−6809−9090
ハガキ:〒530-8304 MBSラジオ 「日本一明るい経済電波新聞」
「  リボン食品株式会社 プレゼント 」係
*当選者の方の発表は商品の発送をもってかえさせて頂きます。

竹原編集長のひとこと

Bto B からBtoCへ。
業界のパイオニアでありながら、さらにチャレンジ精神で突き進んでおられますね。