2023年

7月 9日

1g〜150tまで バランシングマシーンは回転系製品の要

今週のゲストは株式会社長浜製作所の代表取締役社長 三村 昌弘さんです。

どんなものをお作りになっているのでしょうか?
「バランシングマシーンというものを製造しています。
バランスは平行をとる、などいいますが、私どもは回転する物体のバランスを計測し、修正してスムーズに回るようにして装置に悪影響を及ぼさないようにしています。
例えば、車のタイヤもバランスを取った上で動いています。
小さなものから大きなものまで長いものから平べったいものまで、さらに低速から高速で回るものまで様々です」。

大きさでいうとどのぐらいのものですか?
「小さなものの代表的なものでいうと歯医者さんで歯を削るハンドピースと呼ばれるもの。
駆動源があるんですが、圧縮エアを当てて高速回転しています。
そのタービンが1gか2g程度のものです。
バランスが取れていないとムラが出て回転が上がらないんですよね。
そうすると処置できない。
大きいものはあまり目にすることはありませんが、発電所にあるタービンですね。
100t〜150tほどあります。
大きな軸に羽がついて4mほどの大きさです。
それがクルクル回ります。
60Hzになると1分間に1800回転します。
4mが1800回転すると羽の先は音速の世界のものになるんです。
その速さになると鉄がこんにゃくのように曲がってくるんです。
そういったもののバランスが崩れると振動など大変なことになってきます。
曲がる、遠心力で膨らむ、限度を超えると破壊。
それが起こらないように精密にバランスをとるんです。
バランスの振れはコンマ5μまで調整します」。

バランシングマシーンの会社は他にもあるのでしょうか?
「数社あります。
専業でやっているのは我々ぐらいだと思います。
他よりも優れたものを提供するという使命感がありますね」。

去年8月に新本社工場に。
「旧本社に移る前に豊中で創業しています。
今から52年前に摂津富田に移転。
当時、周りは何もなかったですね。
畑、田んぼ、用水池ばかり。
会社といえば3社ほどあったぐらいであとは農家でしたね。
しかし、高槻市がベッドタウン化してみるみる家が増えてきました。
そうすると将来的に工場の拡張ができないということ、さらにはBCPの問題、お客さんの印象、リクルート、プラス社員のモチベーション。
いろんなことを考えて2010年ぐらいから移転を考えていました。
今から9年前に池田泉州銀行の富田支店の方から名神と新名神のジャンクションの成合地区を紹介いただきました。
そこから区画整理を手掛けておられたダイワハウスさんの営業さんを紹介していただいて、すぐに申し込みします、と(笑)。
我々の用件を聞いてもらって、これまで狭くてできなかったことができるようになりました。
前からやりたかったビジネスのひとつの"回転試験"。
ローターがどういう挙動をするのか試験をするビジネスです。
将来が楽しみな事業です」。

従業員の皆さんのモチベーションはいかがでしょうか。
「ゆったりとしたスペースもありますし、新しい環境をより良く感じてくれていると思います。
お客様にもとても好評です。
将来にわたって拡張するという方向性が見えますので、リクルート的にもいい影響を期待しています」。

会社の歴史は次週に続く...。