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5月21日
先週に引き続き、ゲストは株式会社雨風の代表取締役 豊田 実さんです。
今週は改めてその長い歴史を伺っていきましょう。
「父の代は業務用の醤油や糀を卸したりしていました。
昔は糀屋さんが此処彼処にあったそうです。
現在は糀がダイレクトに買えるのはインターネットもありますが、少なくなったようですね。
生の糀を気軽に買える店が少なくなったのは寂しいですね」。
創業は元禄2年。
「戦前と戦後は少し場所が違いますが、ずっと堺で商売をしています。
"ものの始まりは堺から"という言葉もありますが、いろんなものの発祥地が堺ということがあります。
瀬戸内海の塩、運搬されてくる穀類、技術的なことも最先端。
人がたくさん集まる場所ということもあって醸造業が盛んな時期がありました」。
現在で何代目なのでしょうか?
「私で十五代目です。
もともとはやりたくなかったですよ(笑)。
学校を出てキリスト教の仕事、牧師をしていて12、3年前ぐらいに入社しました。
継がないという話は決まっていました。
資産としての会社と販売の会社に分けていたのですが、12、3年前ぐらい前に販売の会社が潰れてしまいました。
その当時の従業員の方々と協力してマイナスからスタートしました。
出だしは苦労しましたね。
得意先も私がやりますからというと協力してくれていたところもありますが、切られたところもありましたね」
入社されてからの改革は?
「今のままではまた潰れると思いましたね。
糀は冬の季節商品なんです。
それを何とか年中作れるようにすると落ち着くのではないかと思って、各地の糀屋さんを回って勉強しました」。
息子さんが十六代目へ。
「やっていて先が見通せないと事業の継承は難しいでしょうね。
私自身も色々と人に聞いたり、本を読んだり。
チャレンジ精神を持って進めています」。
これから先には全国展開を目指す?
「個人的には海外が面白いと思いますね。
実際にプロジェクトとして話が進んでいるんですが、カンボジアの方に工場を作っています。
現地に日本人の責任者がいまして、その者を中心に進めています。
レンタル工場という形でコロナの前にJICA(独立行政法人国際協力機構)に採択されて現地の会社と提携することができました。
ドライフルーツを作っている会社の一角を間借りして糀、塩糀、味噌などを作っています。
カンボジアで作ったものは、タイや近隣、ヨーロッパのマーケットへ。
カンボジアはアンコールワットがあって観光客が集まりやすい環境です
発売、展開を少しずつですね。
実は気温が一定しているんで作りやすいんですよ。
あとは現地にいる菌、微生物との関わり、バランスですね」。
なぜカンボジアという場所だったのでしょう?
「そこに人がいるからですね。
お米の産地ということもありました。
材料は十分にある。
精米技術がまだまだなので、隣国に精米に出して、輸入するときにお金を取られていたり。
そういう意味では貧しい国なので協力できたらと思いますね
世界的に糀が広がれば面白いですね」。
未来へのビジョンを教えてください。
「糀の文化は今やっていることをきっちりやっていけば日本では無くならないと思います。
これからは糀のもつ多様性を活かしながら、うまく新しい食品に取り入れていきたいです」。
多様性を持つ糀の未来は明るい。
<プレゼント>
豊田さんからリスナーのみなさまへプレゼントを頂いております。
「 レシピ本 」を10人の方にプレゼント!
≪ 宛先 ≫
メール:akarui@mbs1179.com
FAX: 06−6809−9090
ハガキ:〒530-8304 MBSラジオ 「日本一明るい経済電波新聞」
「 株式会社雨風 プレゼント 」係
*当選者の方の発表は商品の発送をもってかえさせて頂きます。
歴史の深い老舗が絶えず新しいものチャレンジする。
これからの糀のシーンにさらに期待してしまいますね。