2023年

1月29日

名入れは世界を目指す

先週に引き続き、ゲストは株式会社レスタスの代表取締役 大脇晋さん。
今週は改めて会社の歴史を伺っていきましょう。

創業のきっかけは?
「私の生まれ育ちが大阪本町です。
40年前は商業地で船場のあたりだったんです。
当時は中小企業のビルが多かったんです。
上が住まいで下は会社といった感じ。
私の父は会社員だったんですが、学校のクラスの半分ぐらいが商売人の子どもで、みんな大金持ちだったんです。
"社長はすごい""社長にならなあかん"と原体験としてあったんですよね。
10年ほど経つと日本経済はバブルが弾けて環境が変わっていきます。
私の父は製薬系なのでその波風に対して強かったんです。
それを見ながら商売人、社長にも憧れた時期はあったけれど、父のライフスタイルもいいなと思いましたね」。

そんな想いを抱きながら就職へ。
「新卒でユニチャームに入社しました。
就職氷河期で大変な時期だったんですが、最終面接でオムツを履いて行って合格しました(笑)。
メーカーにいたのですが、"ものを売るよりことを売りたい"と思いましてリクルートへ。
求人広告を作っていましたが、だんだん社長相手に営業をするようになったんです。
社長は話が早い、単価が高くても買ってくれる。
そこから段々と社長になりたいという思いが蘇ってきました。
やっぱり商売はいいと思い、29歳の時に独立しました」。

独立後は順調でしたか?
「やらないことは決めていました。
まず営業はしない。
私自身が営業をしてきて営業マンの採用って難しいんです。
期待をしていても売ってこない、意外な人が売ってくる。
営業マンを抱えない商売をしなければいけないと思いました。
そして販路を全国にしたいということ。
大阪から日本中に売りたい。
そこからECをしようと考えました。
当時、アパレル通販がすごい時代だったんですが、そこは猛者だらけ。
陸上で例えると100m。
そんな人たちがこない、競技人口が少ない業界がいいなぁと思いまして、100個ぐらいアイデアを出したものの中で法人に向けたEC、気に入ってもらえたら毎年オーダーがあるカレンダーからスタート。 最初は『株式会社名入れ製作所』でした」。

10年前に名入れにこだわった会社がスタート。
「現在11期目。
売り上げは下がったことがないんです。
カレンダーを注文していただいたお客さんからタオルの注文をいただいたり、封筒や名刺のオーダーをいただいたり。
一度、注文していただいたものは再度いただくので下がらないんです。
顧客の幅が広がっています。
現在は26社からの出資をいただいていまして、急成長しています。
DXが進むことによって利益が上がります。
我々のシステムを使っていただくことでもっと少ない工数でいろんなことができます」。

未来へのビジョンはどう描いていらっしゃいますか?
「大阪に元気がないと思うんです。
東京に本社が移って行ったりしていますが、私は絶対に本社は大阪から移しません。
大阪から第2のパナソニックとか三洋電機みたいな会社が出てこないといけないと思います。
私たちはそのスタートアップを担いたいと思っています。
さらに10年、20年後に"あの時、大阪にレスタスが生まれたことが大阪経済のターニングポイントになった"と思われるような企業になりたいです。
私たちはDXの会社なので、そうすることで大阪も含め全国の中小企業の生産性が上がります。
GDPパーヘッドが低迷している中でアジアや世界の中で一定の地位を維持向上していきたいですね」。

名入れは世界に広がる。

竹原編集長のひとこと

大阪から、世界へ。
それを体現するアイデアと企画力。
名入れというシンプルなものですがいつの時代もどこの国でも通用するビジネスですね。