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12月11日
ゲストは株式会社山本金属製作所の代表取締役社長 山本憲吾さん。
文字通り製作所、ものづくりのお仕事をされています。
「先代の社長、父が創業した会社で鉄工所からスタートしました。
コテコテのものづくりの会社からなのですが、実は現時点では精密な機械加工をベースとした産業分野、航空機、半導体製造装置、精密油圧機器、医療にも精密な機械、ユニットを作って供給しています。
センシングデバイスから得られたデータを元にお客さんの機械化をお手伝いするソリューション事業も手がけています。
お客様の機械化したい、省力化したいというお声からロボットシステムインテグレーションという仕事も数多く手掛けさせていただいています」。
いわゆる機械に組み込まれる部品というよりももっと精密なものをお作りです。
「精度の高い製品、ユニットに特化してやっています。
自分たちが価格勝負だけでお客様に選ばれる仕事をやりたくないというこだわりからです。
ものを作ることは大切で、その中でいいものを作っていけば会社が成長するか、お客様が満足していただけるかというと、そうではない。
お客様が成し遂げたいこと、ニーズそのもの、"もの"だけでないいわゆる"ことづくり"。
そこまでお手伝いする企業づくりをしています」。
作っていらっしゃるものは大きさでいうと、どのぐらいのものがあるのでしょうか?
「大きなものから微細なものまであります。
うちはグループ会社を形成していまして、大きさでいうと2〜3mで5〜6tのものも作ったり。
それは小さなものを作るラインと同じではできません。
それに適した生産設備やノウハウを凝縮したグループ会社を複数持って多岐にわたって機械加工をしています。
社員は290人いるんですが、平均年齢がおよそ33歳です」。
かなりお若い社員の方々です。
「何名かは高齢の方もおられます。
一般的な町工場さんから比べたら少ないと思います。
ものづくりは経験が活きる職業です。
だからこそデジタル技術を使ったんです。
デジタルにすることで技術の継承をしていく。
IOTやデジタル技術を社内で使ってきたので、これを外販向へのサービスにしています」。
会社のホームページにも若い社員の皆さんのお声などが掲載されています。
「若いから経験値がないと言われたらその通りなんですが、若さは事業の中でひとつの才能だと思います。
父が創業して57年なんですが、これからが楽しみなんです。
時代の傾向的に、いわゆる最近の若者といった側面があると思いますが、私の社員たちは頑張るときはめちゃめちゃ頑張ってくれますね。
お客様にたくさんオーダーいただいた時には自ら休日出勤してくれたり。
私は彼らが働く現場に行って"はよ帰れ"しか言わないですね(笑)。
私もものづくりが好きなんで"おもろそうやな、代わりにやったろか"と冗談で言ったり(笑)。
企画会議などはされるのでしょうか?
「デジタル技術に対しては若い子の発想をどんどん取り込んでいくべきだと思います。
ロボット、3Dプリンターといった事業は20〜30代前半のエンジニアたちのアイデアです。
社長としてはどうやってアイデアを形にしていくか、事業にするためのチーム編成をどう作っていくか、マーケットとどう繋いでいくのかを考えています。
彼らは彼らの欲求、アイデアをデジタル媒体で実現したいと思うのが会社の成長の源です。
変なのもいっぱい出ますけど(笑)。
私もエンジニアなんでこのまますると失敗する...のはわかっているけれど、やらせます。
数百万の損をするやろなぁ...とわかります。
でもやらせます。
そこから得るものがあります。
人への投資をもっとするべきだと思うんですよね。
人の投資をしてそれが当たったら、設備投資の比じゃないと思うんです」。
実際の人への投資はどのようなことをされていますか?
「社内研修としてOJT、外部への研修もあります。
でも一番は社内での加工コンテストですね。
加工技術でいかにクリエイティブなものが作れるか。
もうひとつはビジネスコンテスト。
新しいビジネスモデルを考えるというものです。
応募したものは採択して実際に1年かけてやってみるんです。
評価する側は私も含めて外部の有識者を集めて名前を伏せて選びます。
2年に1回、私のポケットマネーを賞金にしています。
毎年するとマンネリ化するし、ネタが尽きるので2年に1回開催しています。
2年に1回、お金がたくさん出ていくんです(笑)。
この会社にいればこんな面白いことができる、自分が成長できるチャンスに溢れている。
そういったやりがいが大切だと思います」
会社の歴史は次週に続く...。
幅広い、という言葉では収まらないほどの製造するもののジャンル。
さらに社員さんの心を掴むコンテスト。
ものづくり会社の新しい形です。