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5月22日
今週のゲストは先週に引き続き、三雅産業株式会社の取締役社長 川面雅敬さん。
顔写真を瞬時にQRコード化し、それが鍵となる新しい顔認証システム『Kaonin』を開発されたお話を伺いました。
「顔認証システムが世の中に出てきていますが、そのデータをどこかに預けなければいけません。
特に日本は生体認証を他に預けることをあまり良しとしないという風潮があります。
『Kaonin』は生体認証データをご自身で管理していただくイメージです。
大きい施設でも顔とQRコードで解錠しますので、なりすましができません。
例えばカラオケボックスのアルコールバー。
未成年が大人の会員証を借りて入ろうとすることがあります。
しかし、この『Kaonin』ならばそれを防ぐことができます」。
開発のきっかけは?
「もともとホテルのシステムをされているところがありまして、そちらに部材を供給するにつれお付き合いが深くなってきました。その会社はホテルの部屋鍵をQRコードで開けるシステムをされていたんです。
鍵をQRコードで制御するのが画期的と感じました。
そこから一緒に、というのが始まりです。
しかしQRコードはコピーができてしまうんです。
鍵として使うにはセキュリティ面が弱い。
それに顔認証を加えると一気に強固になりました」。
事業を始められる時、大きな支えがあったとか。
「『Sony Startup Acceleration Program (SSAP)』というSONYさんが手がけるスタートアップの事業育成・企業の新規事業創出の支援がありました。
たくさんの商品を生み出しておられますが、その裏方には広告宣伝、デザインなど多くの部隊を持っていらっしゃるんです。新しいことを始められる会社にけてバックアップをするといったものです。
SONYさんのシステムやサポートを受けてやってみようということになりました」。
革新的な事業をされていますが、川面社長はどういった経緯でここまでに?
「創業1969年で私は二代目です。
私自身は15年ほど前に入社しました。
大学を卒業してパナソニックに入社しました。
親子の情なのか親も高齢になってきますと親からの声もあったり。
当時はパナソニックで仕事のやりがいを感じていましたので迷いましたね。
戻るからには先にトップに就くということがわかっていました。
覚悟、自問自答がありました」。
会社に入られてから意見の対立などはありませんでしたか?
「上司と部下というより親と子。
側から見たら親子喧嘩に見えたそうですね(笑)。
父も電子部品の事業がずっと続くと思ってなかったようです。
よく言われたのが今の事業をベースにして新しいことに発展して欲しいということ。
『Kaonin』は新しい分野なので、楽しみです」。
今後のビジョンは
「三雅産業には戦略的BPOサービスM.O.S(Mimasa Outsourcing Service)というものがあります。
製造業の仕事の効率化を考えるのが原点です。
それを使ってIT分野も発展させていきたい。
そして『Kaonin』を足掛かりとしてデジタルを通して仕事の効率化に取り組んでいきたいと思います。
うちの会長も商売人です。
会社を大きくするのは売り上げ、売り上げを伸ばすのはお客さんの役に立たなければいけないと言っています。
直近の目標としては年商100億円を目指したいと思います」。
新しい電子分野の海へ。航海は続きます。
電子部品の商社を礎として『Kaonin』という新商品へ。
デジタル化の時代にぴったりですね。
現在75億の年商が目標に届くのも遠くなさそうです。