2022年

5月 1日

カーペットへの情熱 織機にこだわり製品にこだわる

今週のゲストは堀田カーペット株式会社の代表取締役 堀田将矢さん。
現在44歳という若い社長さんです。
改めてお仕事の内容から伺っていきましょう。
「カーペットは作るときに"織る"という表現をされると思います。
しかし現在は"植える"感じ。
ほとんどのカーペットは田植えのように糸を突き刺している状態なんです。
でもそれだけだと抜けてしまうので裏から布を貼ったり樹脂をつけたりといった加工をしています。
私たちのカーペットはその作り方ではなくて縦糸と横糸を1本ずつ織っています。
現在、その作り方をしているのはわずか1%ほどと云われています。
作れる会社は数社しかないです。
織り機は大きくて幅は10m、長さ20mもある『ウィルトン織機』といいます。
イギリスの産業革命の時代にできたものです。
それまで手織りだったものが機械化されました」。

カーペットは素材もデザインも様々ですよね。
カーペットの良さはどんなところなのでしょう。
「カーペットの良し悪しは毛足の長いものが良いと思われがちですが、密度が大事なんです。
長く使えますし、寝転んだ時など体をしっかりと支えてくれます。
ウール素材を使うところもウィルトンの特徴のひとつです。
繊維として汚れがつきにくくて汚れが落ちやすい。
天然の撥水性があります」。
実際にお作りになっているカーペットのサンプルに液体をこぼしてみると、見事な撥水。水が玉状になっていました。

社長のご自宅もウールカーペットにこだわったお住まいだそうですね。
「2015年に建てました。
カーペットって、汚れるなどの悪いイメージを持たれている方も多いです。
実際にカーペットを選ぼうとしたときにショールームに行けば見れるんですが、お住まいになる時に床材を体感してもらわないといけないと思ったんです。
それで実際の住まいを見ていただけるようにしました」。

ブランド展開もされています。
「大きく3つ展開させていただいています。
ひとつは『woolflooring』。
ブランドのメインとなるものです。
新築やリノベーションで、おうち全体に敷くカーペットです。
『COURT』はフローリングの上において使う、皆さんが"ラグ"とお呼びになるものです。
長く使ってもらえるウール素材のものです。
『WOOLTILE』はフローリングのお住まいだけどカーペットを敷きたいというお客様向け。
ウールのタイルカーペットでDIYで置き敷きできます。
カッターナイフで切ることもできます。
一辺50cm角でデザインも楽しんでいただけるように43種類あります。
1枚からお買い求めいただけますよ。
織り機自体を僕らしか所有していないもので製造しています。
タイル状ではありますが、柄がつながるように作れて、Webサイトでは柄の組み合わせシミュレーションもできます。
この製品を生み出す織り機は私が引き取らなければ廃棄されていたものだったんです。
引き取りは大変でしたが織り機がなくなることを避けたかったんですよね。
この織機を引き継いだときに職人さんもお越しいただきました。
私たちはメーカーなので技術を守って僕らならではの商品を作っていきたいですね」。

会社の歴史は次週に続く...。

竹原編集長のひとこと

カーペットへの熱い想いが伝わりますね。
織り機を守ることで文化の承継もしておられます。