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4月24日
今週のゲストは先週に引き続き株式会社Space Power Technologiesの代表取締役 古川実さん。
池田泉州銀行の新規性、独創性にあふれた企業・起業家を応援する『第18回 イノベーション研究開発助成金 大賞』を受賞しました。
改めて創業から伺っていきましょう
「創業は2019年の5月です。
もともと私は無線機器の会社に勤めていましたが学生の頃から宇宙で太陽光発電をして地球に持ってくるといったワイヤレス給電の研究をしていました。
会社では普段、携帯電話のシステムの仕事をしながら、土日は会社の許可を得て地下活動としてワイヤレス給電の更なる研究をしていました。
そこから特許を出したり新規事業の候補にもなったことがあったのですが、メイン事業が停滞したとき事業としてワイヤレス給電はしないとなりましたので、会社を辞めて研究をするために大学に復学しました。
大学に行き始めた頃に知り合いの方から京都大学のイノベーションキャピタルから現在会社のメンバーでも武田さんを紹介していただきました。
賛同してくれる人も増えまして思ったよりも早く会社設立となりました」。
早くからワイヤレス給電に注目されていたんですね。
「小さい頃から野球をしていまして。
グラウンドで日光を燦々と浴びていました。
でもこのエネルギーが地面にだけ注がれるのがもったいないと思っていまして(笑)。
それを有効活用しているという研究があることを知って、それから大学へ...現在に繋がります」。
早くからワイヤレス給電の研究。先見の明ですね。
「必ず需要があると思っていました。
2000年に就職しているんですが、その時代には携帯電話があってメールもできていました。
今みたいに動画を見ることはできなかったですが、情報通信には何をするにもエネルギーが必要なんです。
エネルギーの有効利用や発電というところに関わりたいと思っていました」
起業された現在、社会人時代の経験が役立っているのでは?
「前職の会社では学会発表はしていませんでしたが、共同研究は理屈が通ればやらせてもらえる会社でした。
2年に1回ぐらいの割合で多くの先生方と共同研究をさせていただきました。
そのチャンネルで今も継続してご指導、ご支援いただいています。
前職の延長で走っています」。
研究に加えて、ご縁も大切ですね。
「自分たちでダメだと思わずまずは相談してみる。
常にやっていますね。
お借りするもの、支援していただくもの。
まずは相談から、という活動です」。
2025年には万博があります。
「今年からワイヤレス給電の運用が始まる見込みです。
無人エリア、屋内というところからスタート。
これから広がっていくところは有人エリア、さらに屋外。
スマホなどがカフェの机に置いているだけで給電できるなど、万博の前年ぐらいに制度化をお願いして、万博のタイミングでお披露目できたらいいですね」。
池田泉州銀行『第18回 イノベーション研究開発助成金 大賞』に採択されたプランの中に"2025年の大阪・関西万博において電気自動車やドロー、移動式屋台への給電を提案" とあります。
「しばらく送電アンテナは固定設置となりますが、エネルギーを利用できる範囲を壁からコンセントが届く位置よりもさらに広げていく。
ワイヤレス性で利用範囲を広げていくのが電力革命でやりたいことです。
利用範囲を広げていくのをモビリティにやってもらおうと思っています。
それがEV車であったり、空中だったら飛行船型のドローンだったりします」。
未来のビジョンはどんなふうに描いておられますか?
「エネルギーを得る場所を広げていくことが皆さんの利便性を高めていくと思っています。
人が行動するのに効率が悪いところ。
例えば地域の掲示板、バス停の時刻表などが紙だったりしますよね。
それを電子ペーパー化する。
全部ワイヤレスで書き換えることができれば紙の廃棄も減りますし、災害の時は同報できます。
電源が来ていない、いわゆるオフグリッドと呼ばれるところにエネルギーを配達していく。
電化してIOT化していくとワイヤレス給電が必然となってきます」
ワイヤレス給電で暮らしをもっと豊かに便利に。
電気は暮らしに必要不可欠です。
更なるエネルギーの可能性を広げておられますね。