2022年

2月27日

時代を見据えるサイバーフィジカルシステム

先週に引き続きゲストは株式会社HCI代表取締役社長 奥山剛旭さん。
撚線機からロボットの製造へ。
現在、自社製ロボットが社員食堂でも活躍中です。
改めて創業から伺っていきましょう。
「2002年に創業しました。
当時、ひとりで始めました。
すごいことをするんだという自信がなんとなくありまして。
ご縁があったケーブルの製造装置・撚線機から始まりました。
幼い頃の記憶ですが、親戚のおじさんが"なんでも好きなもの食べていいで"と言ってくれたんです。
聞けばその親戚のおじさんは工務店の社長。
社長ってすごいなぁと思いましたね。
社長へのきっかけはそれです」。

その社長への道はどうやって進まれたのでしょう?
「大学の時は化学系だったんです。
試験管を見て、自分には違うなぁ...と。
元々絵が好きだったんで絵を描いて仕事ができないかなぁ考えました。
建築士を目指すもまた改めて学校には行けない。
絵を生業にするには難しい。
それならば機械の設計者をと思いまして小さな機械メーカーに勤めました。
0から100までそこで学んで30歳に起業を目指して、31歳で創業しました」。

絵が好きということを突き詰めて仕事に。
「営業、経理、組み立てなど全部しました。
会社とはこういった仕組みなのかと勉強になりました。
絵の方は小さい頃から習っていましたね。
中学ぐらいまでやっていて油絵も描いていました。
今でも時間があれば絵画を観たり。
後の仕事になるロボットでいうと私はガンダム世代なんです。当時、品薄のガンプラを作ってはいつか本物を作りたいと思っていましたね」。

幼い頃の夢を実現されている。すごいですね。
「ケーブルの製造装置メーカーとしてスタートしました。
2008年にリーマンショックで売れなくなってしまいました。
そこで私は勉強しました。
わかったことは"売れているものは売れている"。
不況でも売れているものは売れている。
では将来を見越してどうするのかと考えました。
元々ガンダムを作りたい夢はありました。
しかし、ケーブル製造装置を作り続けていてそんな暇はなかった。
リーマンショックで考える時間ができたんです。
思ったのはロボットだと考えました。
この先、何かあっても皆様の役に立つロボットの仕事をしようと」。

まさにピンチがチャンスに。
現在、ロボットの可能性はどうみておられますか?
「いろんなところで人手不足です。
産業用ロボットが工場だけでなくいろんなところに入っていくと思います。
AIがあるといろんなことができます。
単に右から左へものを運ぶとしても、落とさないように、そしてもっと早く運ぶにはどうしたらいいのか。
それをAIに考えさせる。
今、一番利用されているものはカメラです。
カメラ技術で光沢があるものって撮れなかったんです。
光があるから反射などでどこら辺に物があるか捉えづらかったんです。
AIに学習させて撮れるようになりました。
カメラは2D、3D、そしてAIビジョンとなっています」。

多くの技術が生まれていっていますね。
「誕生する技術があって、それを"使いこなす技術"といっています。
ロボットシステムとして動かすということは大変な仕事です」。

会社でも作りがいがありそうですね。
「ロボットが41体、全国でも5本の指に入ると思います。
ロボットに囲まれている中、要素技術検証をしていかなければならないと思っています。
ロボットを使って垣根なく仕事をしてくのならば、できることの可能性をうちにあるロボットで試していく。
それが出来ることが面白いですね。
人生って長くて短いじゃないですか。
毎日楽しいことをするって大切だと思います。
8時間働く中でロボットと楽しい時間を過ごせるって良いことだと思っています。
私は自分が嫌だということを社員にやらせたくないんですよね。
私が自分でロボットを触っていることが好き。
社員もきっとそのことに共感してHCIに来てくれていると思うんです。
例えば大企業さんが無理難題を言ってくるとしますよね。
でもそれが無理ならば断りなさいと言っているんです。
志を同じにして一緒に作っていくパートナーさんと地域をよくしていきたいと思っています」。

この先には大阪万博があります。
「中国のオリンピックでもロボットが活躍していましたが、万博でもロボットが活躍できたらと思います。
これからの時代は『サイバーフィジカルシステム』。
ITなど見えない世界のサイバー。
モノがあるフィジカル。
IT系を代表するGAFAには日本は負けたんです。
でもフィジカルの方は強いです。
産業ロボットも作るのは日本が一番です。
サイバーを取り入れてフィジカルを活かす。
医療でも遠隔で手術ができる。
工場でも日本でコントロールして遠隔で動く。
スマートファクトリーと呼ばれる場所を『サイバーフィジカルシステム』が担う。
我々は技術や製品を皆様に提供し続けて地域を、日本を世界を救おうと思っています」。

奥山さんからリスナーのみなさまへプレゼントを頂いております。
国産ひのき材で作った、使い捨てないお箸・マイ箸&HCIオリジナルプリングルズをセットにして10人の方にプレゼント!
≪ 宛先 ≫
※メール: akarui@mbs1179.com
※FAX: 06−6809−9090
※ハガキ:〒530-8304 MBSラジオ 「日本一明るい経済電波新聞」
「 HCI プレゼント 」係 *当選者の方の発表は商品の発送をもってかえさせて頂きます。

竹原編集長のひとこと

コロナで変わっていく世の中、新しいシステムが生まれます。
奥山さんのお話には新しい世界を目指す力を感じますね。
元気になれます!