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11月28日
ゲストは安積濾紙株式会社の代表取締役社長 安積覚さん。濾紙といえばコーヒーやエアコンのフィルター。
改めて"濾紙"とは?
「いろんな使い道があるんです。
コーヒーにも使いますし、実験にも。
多岐にわたる濾紙を使って製造しています。
例えばコンビニに並んでいるほとんどのものが濾紙を使って作られているんです。
飲料を作る際に濾紙を使いますし、その飲料が入っている缶を作る時にも濾紙が必要です。
雑誌に使われているインクも濾紙が使われています。
いわば裏方の裏方なんです。
ほとんどBtoBですね」。
その濾紙ですが、大きさも様々。
「見た目は大きなトイレットペーパーのようなものを作って、それを如何様にも加工してお客様にお届けします。
種類は多岐に渡っていまして、およそ8000種類ほど。
天然パルプから合成繊維までいろんな素材を使って大きさも色々。細かな対応をさせていただくのが我々の強みです」。
いろんな業界に使われている濾紙。
一番多いのはどちらでしょう?
「主力は自動車なんですよ。
オイルフィルター、エアフィルター、燃料フィルターなどあります。
例えばオイルフィルターは缶なんですが、中にギザギザの濾紙が入っています。
そんな車に関係する濾紙で我々の売上のおよそ3割を占めています。
今回のコロナやリーマンショックの時には車の生産が落ちましたので、自ずと我々の売上も落ちましたね。
そういった意味では売上の中、自動車関係が占める割合が多いので、他の仕事も広げていきたいですね」。
これから濾紙の売り上げが伸びていきそうな分野は?
「自動車も使うエネルギーが変わってきました。
我々が手がけているものは燃料電池用のフィルターです。
新しいエネルギーに関わるフィルターですね。
自動車部品メーカーと共同で開発を進めています。
この先、今のエネルギーに使っているフィルターはなくなりますが、新しいエネルギーの方面に広がりが出来ます。
技術開発型のメーカーです」。
他にもフィルターが活躍する場所があるそうですね。
「新型コロナウイルスの抗原検査にうちの濾紙が採用されています。
体液を紙に垂らして陽性か陰性かわかりますよね。
あの紙が濾紙なんです。
医療分野でいいますと人工呼吸器の部品。
エクモの中にも濾紙が使われています。
これを機にメディカル分野にも参入しようかなと思っています。
一時枯渇して問題にもなったマスク、検査キットなども輸入品が多いです。
それを国産にしたいですね。
不織布だけでなく機能なり付加価値のついたものを開発したいと思います」。
商品のほとんどは産業向けなのでしょうか。
「一般消費者向けの商品もありました。
販売していると価格だけの勝負になってくると思うんです。
もちろんそれも大切なんですが、日頃お使いになるものなので、そこまで性能が必要ない。
ある一定の性能があればいいと思うんです。
産業用は技術的な付加価値が必要ですし、お使いになるお客様から要求があります。
そういった要求が高いものを求められるということは我々にとってありがたいものです。
我々は技術開発型の会社になってきていますので、そういった理由からBtoCが自然となくなりましたね」。
これからさらに開発が広がりそうです。
「企業様との共同開発、大学と医療、再生医療の共同研究もしています。
5年、10年先よりもっと先、次世代のフィルターですね。
我々の商品で社会や世界に貢献したいですね」。
会社の歴史は次週に続く...。
身の回りの製品には濾紙が多く使われているんですね。
この時代、さらに社会の役に立ちそうです。