MENU
9月 5日
今週のゲストは株式会社日新化学研究所の代表取締役社長 加藤雄一朗さん。
社名からして研究とありますが、どんなお仕事をされているのでしょう。
「界面活性剤を用いた研究開発・製造販売をしています。
社員も8割が化学系、バイオ系の出身。
私も応用化学の出身です」。
この界面活性剤とは?
「例えば野菜にかけるドレッシングって分離していますよね。
その分離しているものを振って混ぜて使う。
使って置いておくと元に戻りますね。
これが "界面不活性"という状態。
例えばそこに界面活性剤を入れると層がなくなって均一に合わさります。
別のものが界面活性剤があることでひとつに混ざってくれます。
マヨネーズでいうとお酢と油、そこに卵が入ります。
この卵の黄身の中に界面活性剤の成分になるものが入っているので混ざり合うわけです。
本来効果があるものを水の中に浮かべておこうとすると、個体であったら沈んでいってしまいます。
それを沈まないように保つ、分離しないで均一にする、水に溶け込ませておくのが界面活性剤です」。
業種としてはどういったところに使われているのでしょう?
「工業向けが多いですね。
工場で製造するときに使われる薬品がほとんどです。
紙や繊維を製造するときに泡が出ます。
製造において泡が邪魔だったりしますので、その泡を消したり、泡を立てるときに使ったり。
会社によって個別対応で作っています」。
多くのシーンで界面活性剤が活躍しているんですね。
「紙製品で言うと古紙の再生など。
実際に紙ができる工程で水にパルプが溶け込んでいる状態のものを高速マシンを使って10数秒で乾かして紙の大きなロールを作ります。
高速に動くものに対して小さな泡やゴミがつくと紙の大きなロールが切れてしまったりします。
界面活性剤は紙の製造に置いて邪魔な泡やゴミ取り除いて安定操業をお手伝いする薬品でもあります」
お客さんの方からのご依頼はありますか?
「お困りごと解決という部分が多いですね。
"ここで泡が立つけどどうにかならないか?"
"ここに汚れが出るけど、どうにかならないか?"など。
表目には見えない汚れの場合もあります。
その汚れを採集してきてどういう経緯でその汚れが生まれたのか。
水を供給している配管から生まれた場合もありますし。
そういった細かな研究をして取り除くものを作ります」。
社員の皆さんは日々研究されているということですね。
「営業部という部署がなくて研究部と開発部に分かれています。
開発部がお客様の元に伺って一緒に解決させていただきます。
研究部のものは外に行かないわけではなくて、出向いて研究に生かすこともあります業種としては他社さんもおられますが、ここまでカスタマイズしている会社はないと思います。
中小企業が故、小回りが効くのだと思います」。
新型コロナウイルスの影響はいかがですか?
「対面が減りましたので、海外とのやりとりが増えましたね。
輸出に関しては国内の大手さん。
問い合わせに関してはいろんな国から来ますね。
自動翻訳を使いこなして基本はメールです(笑)
コロナ禍で便利なツールがより便利になりましたね。
他に仕事の影響でいうと全体の総需要が減りました。
繊維も紙も生産量が落ちたので打撃はありました。
コロナ禍においては除菌関連の問い合わせが増えました。
アルコールが不足した時期は問い合わせも多かったので、アルコールの販売など新たなビジネスも生まれました。
除菌関連で伸ばした部署では目指した数字を達成したり。
こまめな対応をしてきたからこそ、社会の困りごとにも対応できたのかなぁと思います」。
会社の歴史は次週に続く...。
身近な製品に界面活性剤が活躍しています。
困りごとを解決する姿勢が素晴らしいですね。