2021年

8月22日

新しい八百屋のスタイル 抜群の鮮度で地域の心をつかむ

今週のゲストは株式会社八百鮮の代表取締役 市原敬久さん。

社名からして生鮮食品を扱った八百屋さん。
「鮮度にこだわって野菜を中心に生鮮三品が揃うスーパーです。
今は魚もお肉も取り扱っています」。
とてもお若い社長さんです。
二代目や三代目ではないそうです。
「今、38歳です。
この業界は二代目や三代目の方が多いのですが、私が創業者です。
28歳の時に創業して10年で6店舗になりました」。

お話を伺うとなんと2年目で早くも2店舗目を展開。
ご苦労もあったのでは?
「順調じゃなかったですね。
業績は綱渡りで自転車操業でしたね(笑)。
前職はスーパーで働いていたんです。
地域に溶け込んで安く仕入れて安く売るというまっすぐさに惚れまして。
自分のお店をどうしてもやってみたいという思いが強かったですね。
ちなみに社長になりたい夢は小学校の文集には書いていました(笑)」。

仕事に対して熱い思いのある市原社長。
会社のパンフレットは映画のパンフレット風のデザインです。
"大根1本で人生が変わることもある"というキャッチフレーズが踊ります。
「八百屋っぽくないことをしようと思って作りました。
会社のパンフレットなんですけど、事業のこととか書いてないんですよ。
とにかく若い子たちが八百屋という業界に入って欲しい。
どうしたら興味をもってもらえるかと考えて作りました。
八百屋さんってすごく古いイメージのお仕事かと思うんですけど、世の中に必要な仕事だと思うんです。
こういう時代だからこそアナログのリアル店舗の良さを若い人たちが追求していく。
そんなイメージです」。

お店の強みはどんなところでしょう?
「毎朝、市場に仕入れに行きます。
これにバイヤーという人がいるわけではなくて、各店舗に野菜、果物、お肉、魚のチーフと呼ばれるリーダーがいまして、彼らが買い付けに行きます。
市場自体を仕入れセンターのように見立てて、6店舗、24人のリーダーが独自の目線で商品を仕入れます。
だから店舗によって値段も売れ筋も違いますし、地域のお客様に密着できます」。

野菜中心の八百屋のスタイルを中心にしながらも"八百鮮水族館"と呼ばれるほど鮮魚にもこだわっていらっしゃるそうですね。
「八百鮮の"鮮"は鮮魚の"鮮"でもありますし、力を入れていきたいと思っていました。
僕らの業界で魚はとても手間がかかるものです。
鱗なんかも全部取ったり。
さらに他店で鮮魚コーナーも縮小傾向にあったり、消費者も魚離れが広がってきたり...。
業界がそうなればなるほど、魚を一生懸命やったら形になるのではと思いまして、見るだけでワクワクする水族館のような売り場を作っていこうと思っています。
野菜からスタートしましたが、早々に鮮魚も始めました」

さらにお肉は4〜5年前から手がけ好評を博しているそうです。
お店の場所選びはどんなところから?
「うちの特徴のひとつとして、商店街に出店するということです。
たまたま最初の店が商店街だったこともあります。
そこに集客力がついてきて近隣の商店街さんからお声がけいただきました。
そこで私自身も気付かされたのですが、鮮度の高い商品をお届けする仕事で人や街が元気になる。
鮮度の高い商品を届けることで街の鮮度を上げることもできると思ったんです。
弊社には"日本に鮮度を"というフレーズがあるんですが、街の鮮度、地域の活性につながると思っています」。

会社の歴史は次週に続く...。

竹原編集長のひとこと

商品の鮮度が街の鮮度も上げていく。
地域に密着しているからこそできるお仕事ですね。