2021年

5月23日

知識の先の知恵 万博で大阪企業とのコラボ目指す

先週に引き続き、ゲストは山本化学工業株式会社の代表取締役社長 山本富造さん。
注目のバイオラバーのお話、マスクなどの製品のお話も伺いました。
今週は創業からのお話...。

「もともとは石川県の小松で北前船、廻船問屋からのスタートなんです。
江戸の末期に堺に出てきて海運業をやっていたそうです。
大正時代になって海運業も統合される中、本家は転業をしまして生野区東成村に行きました。
そこに北陸人の方々がおられまして、大阪市内に来るならここへ...という流れで今の場所になりました」

お仕事の内容は?
「もともとの海運業の中でニュージーランドから羊の脱脂粉乳を輸入しました。
それを固めてボタンを作ったんです。
昔のボタンといえば貝や木で作られた高級品だったんですが、 このボタンは羊の脱脂粉乳なので自然から取ったプラスチックのような素材ですね。
我々の化学のルーツがここなんです。
曽祖父の時代に始まり、祖父の時代までボタンを作っていました。
父の時代、昭和20年以降にニューマテリアルと呼ばれた合成ゴムの仕事を始めます」。

お父様の時代から変革があったのですね。
「父はニューマテリアルの仕事ができるなら家業を継いでもいいと。
でもそれ以外ならば学者になりたいと言っていた人なんです。
祖父もそれならば...ということで父は仕事を継ぎます。
そこで最初に生み出したのは消しゴムだったんです。
昔の消しゴムは天然ゴムだったので時間が経つと固まって消せない。
そこでコスト度外視で合成ゴムの消しゴムを作ったんです。
とても良い商品だったのですが、値段が高い。
さらに父の思考が学者肌ですから営業に行きたくない(笑)。
だから全然売れなかったんです。
そこで父が発想したのが"鉛筆に消しゴムを取り付けた"商品だったんです。
あれはうちの特許だったんです。
大手の鉛筆メーカーさんに行きまして、特許はいらないから大手メーカーさんに消しゴムを買ってもらい会社がつながりました」。

その他にも、ゴルフをされる方はご存知、 2ピースボール芯材の元の特許はこちらの会社なのだそう。
そこからお仕事は順調に?
「父が儲けたお金で欲しくなったのが、当時の西ドイツのゴムを製造する機械だったんです。
当時の憧れの機械だったそうで、今の金額でいうと10億ぐらいするものだと思うんです...。
しかし、買ったはいいがそれを使って何かを作る発想がなかったんですよ(笑)」。

とんでもない買い物をされた先代。
どうされたのでしょうか?
「堺・浜寺に海水浴場があって、当時アメリカの軍人さんがビーチサンダルを履いていたんです。
当時のビーチサンダルは靴底のようなサンダルで海の中で脱げると浮いてこない。
父はそこで"浮いたらなくさない"と思って例の機械で作るんです。
浮くビーチサンダルを作ったのはうちの父なんです。
実はMADE IN OSAKAなんですよ」。

脈々と続くフロンティアスピリットですね。
「会社でもいうのですが、知識は大切で持てば持つほどいいものだと思うんです。
この知識が広がった先に出てくるのが知恵なんですよね。
知識がないのに知恵が湧くかというとそれはないと思うんです。
知識は入れるがそれにとらわれないで知恵を出す。
これが勝負だと思います」。

2025年には大阪・関西万博があります。
「健康がひとつのテーマです。
この辺りを大阪府下の企業さんとできるだけタイアップしていきながら、大阪の企業がなるべくたくさん関われる、出ることができるような形を作りたいと思ます。
我々の協会も思っていますし大阪商工会議所さんともそういった話をしています。
このコロナ禍、会社の軸ともうひと軸、健康というテーマを作りたいという方が多いです。
我々もサポートができるかと思います。
コラボすることで新しいものが生まれたらと思います」。

山本化学工業株式会社のものづくり精神から、新たな商品が生まれてきそうですね。

   

山本さんからリスナーのみなさまへプレゼントを頂いております。
「バイオコースターと『ほんまのヒーロー&ヒロインの皮膚やで!!』」こちらをセットにして10人の方にプレゼント!

≪ 宛先 ≫
メール:akarui@mbs1179.com
FAX:06−6809−9090
ハガキ:〒530-8304 MBSラジオ 「日本一明るい経済電波新聞」
「山本化学工業株式会社 プレゼント」係
*当選者の方の発表は商品の発送をもってかえさせて頂きます。

竹原編集長のひとこと

"やってみなはれ精神"がみなぎる会社さんです。
チャレンジすることで新たな製品を次々と生み出しておられますね。