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7月26日
今週のゲストはクモノスコーポレーション株式会社の代表取締役 中庭和秀さんです。
大変ユニークな社名ですが、お仕事の内容をお聞かせください。
「1995年に起こった阪神・淡路大震災の復興支援するために『関西工事測量』として発足しました。
何をしている会社か一発でわかるでしょう?(笑)。
復興支援がひと段落した後は、造る測量からリペア、維持・管理のの時代へ流れまして、 会社の業態を変えることになり、この"クモノスコーポレーション"となりました」。
そもそもこの"クモノス"の由来は?
「当社が開発した測量機の名前です。
100m先の0.2ミリを測量可能という世界唯一無二の機械なんです。
例えば100m先に細さの違うシャープペンシルの芯があれば、その違いを測ることができるというものです。
昔はクラックスケールというものを使って、 高所作業として間近で見てスケッチをしていました。
現在はレーザーを使って測量をします。
そうすることで建物のヒビを3Dで確認することができます」。
測量というと技術の会社というイメージ。
そこが機材を開発となるとご苦労なさったのでは?
「やってみたら作れるものでしたね。
確かに苦労はしましたが...。
長年この仕事をしていますが、自分が測れないものは誰も測れない。
誰も測れないものを作ったらそれが自分が測れるものになる。
発明の原点と云いますか、そういった思いで取り組みました」。
その機材名がそのまま社名に?
「2015年当時、社員数が60〜70人。
なかなか新卒社員が入ってくれませんでした。
『関西工事測量』から今やっていることに社名を変えようということになりました。
でも社内で反対されたんですよね。
『関西工事測量』の方が愛着があるとか、お客様が迷いますとか...色々理由を言われました。
それならばということでお客様に訊いてみよう、ということになりまして。
部長10人がそれぞれ自身が思うお客様50人を選んでアンケートしました。
そこから108個の名前が集まりました。
そこからまたお客様に選んでいただいたのがこの社名でした」。
社名変更をしてから新卒応募も増加したのだそうです。
その後、お仕事の広がりはいかがですか?
「コンクリートの対応年数がおよそ50年なんです。
今、日本の橋梁は70万、道路トンネルは1万、下水も合わせると3万。
そのほぼ半数が建てられてから50年を迎えています。
これを全部やりかえるとなれば何百兆円というお金がかかりますし、やらなければほとんど通れなくなってしまう。
でも全部やりかえることはなくて、悪いところだけ正確に測って修繕してあげると100年はもつんです。
もともと日本の建造物の水準はとても高いですから。
業界が正しくメンテナンスをしようという考えになってきています。
そういった意味でもスケッチではなくて3Dなんです」。
2025年に大阪・関西万博がありますが、この3D技術が活かされるのだそうです。
「僕は長崎の対馬生まれなんですけど、1970年の大阪万博に行きたかったんですよ。
うちの父があるとき山口県のときわ遊園地というところに連れて行ってくれまして、"ここが万博だ!"と言われましてね。
後からあれは違ったんだと分かったんですけど...(笑)。
今回の万博は遠方の方も3Dの力で間近に感じてもらえると思います」。
会社の歴史は次週に続く...。
世界で唯一の機材を開発!
その情熱、仕事にかける思い、
素晴らしいですね。