2020年

6月 7日

馬から会社の手綱捌きへ 目指す未来は食文化の継承

ゲストは株式会社 大市珍味の取締役社長・西野美穂さん。
今週も時節柄、リモートワークでのご出演となりました。

こだわりの製法で作られたかまぼこやスモークサーモン、高齢者の"クオリティー・オブ・ライフ"に応えた介護食、おせち料理まで製造販売されています。
今週は改めて会社の歴史を伺っていきましょう。
「創業者は私の父になります。
何か新しいことをしよう、"食文化を変えたろう"と考えていた父でした。
元々は老舗の大寅蒲鉾さんでかまぼこ作りをしていました。
そこから独立して自分でオリジナルを出したいということで大市珍味を立ち上げました」。

当時ならではご苦労があったのでは?
「例えば魚を2匹仕入れて、それをかまぼこにして売って。
次の日魚を3匹仕入れて、それを売って...。
作ったものを自転車に乗せて売って回ったという話を聞きました」。

そこからオリジナリティ溢れるものを生み出したり。
「そうですね。
父は今から5年前に亡くなるんですけど、亡くなる直前までメモ帳を手放さないんですよね。
新しい商品の図案を書き続けていましたね。
あの執念はすごいものがありました」。

西野さんご自身は創業者のお父様とどんなコミュニケーションをとっておられましたか?
「小さい頃はよく遊んでもらってましたね。
でもほとんど仕事で会社に行っていたと思います。
父は海外進出の際は場所を探し歩いたり。
たまに家に帰ってくると悩んでいる姿を見ていました。
それを見ながら大変やなぁ...こんな仕事イヤやなんて思ってました(笑)。
そんな中で私には好きな乗馬をさせてもらっていました。
中学生から大学まで乗馬をしていまして、海外まで乗馬で留学しまして、3日で自分の才能に気づきまして辞めました。
そこからも楽しくて居座っていたんですけど帰国させられて...。
そこから何かを始めようとしていたらある日突然、入社手続きが終わった段階で父から会社に来いと呼ばれました(笑)」。
そこから立ち上がって間もない介護職事業に携わった西野さん。
「時代の流れ、追い風やいい社員にも恵まれて、『株式会社ふくなお』は軌道に乗りました。
当時からの社員は一生のパートナーですね」。

入社された頃ですが、すぐに仕事には馴染めたのでしょうか?
「それまで馬術をしていたので、魚をさばくこともわからない状態でしたから、かなり無謀でしたね(笑)。
営業というものも何が営業なのかわかりませんでしたから。
幸いなことにうちにはたくさんの商品があるので、営業先にはありったけの商品を持って行って、"食べてくれたらわかるから"と言ってましたね」。

『株式会社ふくなお』の介護食は、発売当社、売り上げや評判はいかがでしたか?
「すぐにパッと売れるものではありませんし、価格もそんなに安いものでもありません。
でもうちの営業のスペシャリストがお客様のニーズにしっかりと刺さる仕事をしてくれています。
私が仕事を始めた頃にそのスキルが欲しかったぐらいです(笑)」。

たくさんの商品がある大市珍味さんですが、商品開発はどのように行われているのでしょう?
「一度、全社を挙げて開発コンクールをしたことがありました。
社員、新入社員、パートさんや派遣さんも関係なく全ての人が参加可能。
広く応募があったおかげで、"そういう発想を持ってたのか"とか"絵が上手い"とか社員の面白い才能も見れました。
3年前に私が会社の代表になりました。
私一人では何もできないのでみんなの力を集めたり、同じ方向を向いてくれる人が増えると会社は進んでいけると思います。
コロナウイルスの影響で大変な時代ですが、守っていかなければならない人もいますし、商品を届けたい人もいる。
私自身が"あの時大変やったよなぁ"って笑える未来を持っておかなければいけないと思いますね。
人間、生きている以上は食べなければなりません。
今後、日本食文化を後世に継いでいきたいですね。
日本食を子どもたちに継いでもらうために、食品を作る私たちだからこそ出来ることをやりたいと思います」。

社員への愛情がそのまま商品にもつながる。
その思いが食文化への継承へ。
美味しい未来が楽しみです。

 

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メール : akarui@mbs1179.com
FAX  : 06−6809−9090
ハガキ : 〒530-8304 MBSラジオ 「日本一明るい経済電波新聞」
     「 大市珍味プレゼント 」係
     *当選者の方の発表は商品の発送をもってかえさせて頂きます。

竹原編集長のひとこと

味はもちろん、創業者の想いまで守っておられます。
これからの展開が楽しみですね。