2019年

6月16日

もったいない精神が生んだ生食感

今週のゲストは乃が美の専務取締役・中井裕之さん。
乃が美といえば、高級「生」食パン。
現在の食パンブームの火付け役にして代表的な存在です。
この人気、ブームをご自身ではどう感じておられるのでしょうか?
「小さいお店を長く続けたいね、というところから始まってるんです。
まさかこんなに多くの皆様に喜んでいただけるとは思っていませんでした」。

この『高級「生」食パン』が生まれた背景は?
「耳まで柔らかい食パンというのがそれまでなくてですね。
社長の阪上雄司が老人ホームに行くとパンの耳を残しているお年寄りが方がおられたんです。
社長はもったいない精神が強くて、これを何とかできないかと。
阪上のビジョンの"毎朝の食卓を明るく幸せにしたい"という思いもありました」。
『高級「生」食パン』の「生」というのは阪上社長の考案。
生というのは生キャラメルなどのように食感がとろけるという生感覚のこと。
口どけの良いものの表現なのだとか。

中井さんご自身はどんな経歴をお持ちなのでしょうか?
「私は前の飲食事業を担当してまして。
そこでスイーツを作る中でパンも作っていました。
もともとパンに関しては素人だったんですけど、パン屋さんで2年ほど修行しまして、そこから社長と進み始めました。
小麦粉選びから始まりまして、国産、海外、すべて試して食感を確かめました。
いくつも試作して、最終的にカナダ産の最高級小麦粉にたどり着きました。
凝固作用がある卵を使わないことで、あの食感を生みます。
相乗効果として卵アレルギーの方にも食べていただけるようになりました。
さらに生クリームを使って極限の柔らかさを実現しています。

この"乃が美"という名前は?
「最初は割烹など言われましたね(笑)。
弊社は代表が二人いまして、一番上の「の」はその一人の代表の頭文字。
「がみ」は阪上の「がみ」なんです。
そこにブランドとして「乃」~「すなわち、まさしく」という意味と「美」~「姿、色が美しい、感動、美味い」という意味を持たせています。

おなじみの乃が美の『高級「生」食パン』ですが、発売当初はどんな評判でしたか?
「当初、何の宣伝もしていなくて店舗のシャッターを開けて看板を出すだけ。
全く売れませんでした。
"800円の食パンなんか誰が買うの?"と直接言われたことがありましたね(笑)。
でも食べていただいた人は必ずすごく美味しいと言って下さっていました。
実際には口コミ広がって売り上げが上がってきたんです。
売り切れが出はじめたのはオープンして1年ぐらいですね」。

売れなかった時期には他の展開は考えなかったのでしょうか?
「菓子パンなどの展開もできたかもしれませんが、食パン1本に命をかける、この思いだけでやってきました。
価格についても良い材料を使っているので、自ずとこの値段になってしまったんですよね。
本物を作りたい、そして長く続けたいという思いがあったのでこの値段に後悔はなかったです」。

その結果、『日本の食パン、名品10本。』に選出。
地方にも進出し成功を収め、締めくくりとして東京へも出店し成功。
現在は130もの店舗数を誇り、多くの人に『高級「生」食パン』が愛されています。

会社の歴史は次週に続く...。

<プレゼント>
乃が美の「生」食パン1本(2斤)を5人の方にプレゼント
メール : akarui@mbs1179.com
FAX  : 06−6809−9090
ハガキ :  〒530-8304 MBSラジオ 「日本一明るい経済電波新聞」
「 乃が美 プレゼント 」係
*当選者の方の発表は商品の発送をもってかえさせて頂きます。

竹原編集長のひとこと

パイオニアの道はとても険しかったと思います。
信じる気持ち、強い思いが結果を呼び込みますね。