2019年

4月 7日

物を包むという発想をし続ける

ゲストは株式会社アクト石原の代表取締役社長・石原樹夫さん。
どんなお仕事をされている会社なのでしょうか?
「私どもは物流に欠かせないパッケージのお仕事をさせていただいてます。
素材は木材や紙、樹脂などですね。
用途、内容に応じて提案、設計をしています。
うちの一番の特徴としては既製品がないということです。
お客さんのニーズによってカスタマイズします。
種類でいうと何万とありますね。
ひとつたりとも同じ寸法がないです」

パッケージというと紙というイメージですがいろんな素材があります。
ちなみに木素材のパッケージはどういったものに使われるのでしょう?
「重量物が多いです。
機械の鉄製の部品などですね。
そういったものはまだどうしても木でしかできないんです。
今は違いますが、昔は冷蔵庫は木枠で運んでいたりしましたからね。
いわゆる市場で使われるパレットです。
プラスチックだと滑るけど木材は滑らないという良い面もあります」。

様々な梱包をされている株式会社アクト石原。
現場はどのようになっているのでしょうか?
「素材によって工場も分かれています。
木製は大阪市内、ダンボール、プラスチックは高槻と栃木で。
物流や運送まで手がけています。
届けるところまで自社サービスです」。

紙の梱包にもバリエーションがあるそうですね。
紙のダンボールと似ているのですが、ポリプロピレンで作られた素材があります。
樹脂でありながら軽量で中空となっています。
紙と違って耐久性も高いですし水にも強いものです」。

その素材を使って作られたものがあるのだとか?
「はい、簡易トイレを作りました。
きっかけは私どもが仕事で付き合いのあった人が造園業の社長さんを紹介くださったんです。
造園のお仕事は実はお手洗いに困るのだそうです。
そのお家に借りるのも気が引ける、どこかに行ってたら効率も悪い。
そこで相談を受けました。
試行錯誤を経て製品化にしませんかという流れになりました」。

お作りになった後、感触はいかがでしたか?
「折りたためるし軽量。
開発の時のコンセプトが"簡単に運べて、簡単設営、撤収も簡単"。
これが素材とハマったんですね。
大きさは襖ぐらいです。
広げて天井をつけて重石を置くだけ。
簡易トイレは梱包という意味では物を包むというより、"人を包む"という発想です。
各地で災害があった時は支援として送らせていただきました。
東日本大震災の前からできてたので被災地でもお役に立てたかなと思います」。


お客様の声を聴いて外の情報を取り入れながら製作。 そしてお客様の元へ。
株式会社アクト石原の歴史は次週に続く...。

竹原編集長のひとこと

カスタマイズされた梱包から物流まで。
包むということの可能性を広げていらっしゃいますね。