2018年

5月13日

ポジティブな考えが前向きな仕事につながる

先週に引き続き、植田アルマイト工業株式会社の代表取締役社長の植田信夫さん。
実は色んなところで目にしているアルマイト。
見た目を美しく、さらに性能も上がるという加工です。

そんな技術で幅広いお仕事をされている植田アルマイト工業株式会社の歴史を紐解いて行きましょう。
「創業1948年、昭和28年です。
アルマイトの仕事の最初は器物関係ですね。
ご存知の弁当箱ややかん。
大阪市で創業して昭和42年に堺へ。
生活品から工業、健在資材へと仕事の内容も広がっていきました」。

その後、創業50周年には三重工場を新設。
節目に大きな設備投資を行ってきたそうです。
長い歴史の中で、ご苦労はありませんでしたか?
「先代が長年培った信用が活きてこれまで赤字はありませんでした。
リーマンショックの時、前半は厳しくて、いつも社員全員の旅行はできなかったですね。
その時は社員をホテルに集めました。
全く根拠はなかったですが、社員全員の前で“これから絶対に上がっていきます”と断言しました。
気持ちって大事だと思うんです。
私は明るく、モチベーションを上げていくタイプなんでしょうね」。

営業本部長でもある植田社長。
今でも現場で忙しくされています。
お仕事の出発点は?
「私は東京で育って、世話好きの方のおかげで今の家内に出会いました。
婿入りしてこの世界へ来させていただきました。
正直わからない世界に入ったのですが、なんとかなるだろうと思っていました。
入社は27歳でしたね。
最初は現場、そこから納品部署へ。
お客様と向き合わせてもらったのが良かったと思います」。

具体的にはどういったお仕事をされていたのでしょう?
「例えば当時、自動車業界には私どもは無名でした。
自分の会社を知ってもらうことから始まりましたね。
なかなか仕事が取れない時に、先代からかなり厳しい言葉で指導をいただきました。
でも“今に見てろ、現場が追いつかないぐらい仕事を取ってやる”と思っていましたね。
苦労がしんどさではなく、次へのパワーへつながっていました。
そう思わせてくれた先代であり、義理の父にはとても感謝しています」。

今年は新入社員が7人。
夕方5時になると平社員も管理職も肩書きに関係なく掃除をされるそうです。
「私も自分の部屋は自分で掃除機をかけています」とニッコリ。
そんな植田アルマイト工業株式会社今後のビジョンは?
「アルマイト専業。これしかないと思っています。
そしてその中の新技術、新分野の開拓ですね。
そして何よりも社員が大切です。
うちで働いて幸せだと言ってもらえるような会社になっていきたいですね」

社長のポジティブ思考が社員に伝わり、製品にも伝わる。
思いが仕事と人を育てます。

竹原編集長のひとこと

社員さんを大切にされて、社員への幸せを願うその誠実な心。
そしてその気持ちを持って新しい技術に挑む。
いい仕事の循環ですね。