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5月 6日
ゲストは植田アルマイト工業株式会社の代表取締役社長の植田信夫さん。
“アルマイト”といえば、お弁当箱やアルミのやかんなどをイメージする方も多いと思います。
改めてその“アルマイト”とは?
「アルミニウムに施す表面処理のことですね。
元々は理化学研究所が開発した日本の技術なんです。
耐腐性、意匠性、そして耐摩耗性に優れています。
一般的にはお弁当箱ややかんですが、そこから変遷して現在では携帯電話やデジカメ、自転車などにもアルマイトが使われています」。
植田アルマイト工業株式会社の技術は他にもどんなところに使われているのでしょう?
「スポーツカーのエンジン周りにも採用されています。
見た目の美しさだけでなく出力が上がるんです。
車でいうと某高級車の内装のテーブルにも使われています。
トラックのリアドア、観音開きのドアもですね。
ホワイト電着塗装と言いまして対紫外線の性能があります。
大小様々なんですが、ガスコンロやファンヒーターにも使われていますし、MBS近くの大きなビルにも。
そこにはアルミ外壁、サッシやパネルなどに私たちの製品を使っていただいています。
他所では出せない色が出せるのが我が会社の強みです」。
長年培った技術力が街に人に活きています。
「工場は4年前、本社は1年前に新築しました。
製造業というのは事務所にお金を使ったらダメ、設備に投資しろという風潮がありました。
私は事務所や設備に両方にかけています。
品質と作業環境の改善を常に心がけています」。
植田社長ですが、早くからこの道に入られていたのでしょうか?
「実は元々柔道をしていて海外へ柔道の指導もしていました。
2年ほど海外にいて、帰国後、柔道整復師の資格を取りました。
それまで東京にいまして、大阪に来るまではそれをしていましたね。
今とは全く畑違いのことをしていました。
大学も文系でしたし(笑)」。
柔の道を歩んでいらっしゃった植田社長。
現在のお仕事に就く際に大切にされていることってありますか?
「技術者は自身の腕にある技術で勝負できます。
それはすごいことです。
しかし反面、固定観念にとらわれる可能性もあります。
だから元々畑違いの人間からの目線って大切だと思うんです。
私が社長になった時に社員みんなに責任を持ってもらうために製作したものをもっと知ってもらおうと思いました。
私どもは部品を作っている会社です。
作った部品がどの商品のどこに使われているかわからない社員も多かったのです。
でもそれを写真にしてわかりやすくすることで、自分の作ったものが“ここで使われている”という自信につながると思うんです。
部品を作っている私どもの名前は最初には出ません。
でもその部品があるからこそ商品ができる。
社員に自信を持ってもらいたいですね」。
社員さんに対して、さらには会社のテーマなどはありますか?
「テーマは誠実です。
作る誠実さを製品に反映させたいですね」。
誠実な想いから作られた部品が美しく、正しい機能を持った製品を生み出す。
その想いの積み重ねが私たちの暮らしを支えてくれているのです。
実は身近なところにあるアルマイト。
その一つ一つを誠実に作っていらっしゃる。
ものづくりの鏡ですね。